株価指数先物 【週間展望】 ―OP権利行使価格の2万5500円~2万6000円のレンジに切り下がる可能性
「OP権利行使価格の2万5500円~2万6000円のレンジに切り下がる可能性」
2023年の日経225先物は、不安定なスタートになりそうだ。22年12月30日の米国市場では、米長期金利の上昇が重荷となり、主要な株価指数が下落した。ただし、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが米景気や企業業績を圧迫するとの警戒感が根強いなか、前日の上昇に対する反動安といったところであり、全体としては底堅い値動きで2022年の取引を終えた。一方、シカゴ日経平均先物は一時2万5620円まで売られ、2万5735円で年内の取引を終えた。
日経225先物は祝日取引で2万5630円まで売られた後は、9時50分時点で2万5750円辺りと若干ながら下落幅を縮めて推移している。昨年12月半ば以降の2万6000円~2万6500円辺りのレンジを下放れる格好となったため、昨年10月3日の安値2万5530円が射程に入ってきた。
また、テクニカル面ではボリンジャーバンドの-2σの切り下がりに沿った調整を継続しており、-2σは2万5550円辺りまで切り下がってきた。5日移動平均線が2万6070円、-1σは2万6350円辺りに位置しているため、これらが抵抗線として機能する状況が続くようだと、昨年10月安値とのダブルボトム形成からの底入れは期待しづらくなる。
グローベックスの米株先物は、9時50分時点で0.20%と小幅ながらプラス圏で推移している。米国市場の底堅い値動きに対して日経225先物の弱さが目立っているほか、円相場は1ドル=130円50銭台と円高に振れており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への買いは期待しづらく、NT倍率の低下傾向も意識されやすい。昨年のNT倍率は先物中心限月で12月29日に一時13.73倍まで低下した。2020年5月半ば以来の水準まで低下しており、円高傾向が続くなか、引き続きNTショートによるスプレッド狙いのトレードに向かわせそうだ。
2022年最終のVIX指数は21.67に上昇したが、引き続き5日、25日線を挟んだこう着で推移している。今週は後述するように米国雇用統計など週を通じて重要な経済指標の発表が予定されている。このため、模様眺めムードが強まりやすく、短期的な自律反発狙いのトレードにとどまりそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の2万5500円~2万6000円辺りでのレンジ推移を想定しておきたい。2万6000円辺りで戻りの鈍さが意識されてくるようであれば、短期的にはショートの動きが入りやすいだろう。積極的にポジションを積み上げるトレードは考えづらく、スキャルピング中心のトレードと、NTショートによるスプレッド狙いのトレードとみておきたい。
12月第3週(12月19日- 23日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算で2週連続で売り越しており、売り越し額は1兆0103億円(前週は2480億円の売り越し)だった。なお、現物は2418億円の売り越し(同164億円の売り越し)と4週連続の売り越しであり、先物は7684億円の売り越し(同2316億円の売り越し)と2週連続で売り越している。個人は現物と先物の合算で3733億円の買い越しで2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で177億円の買い越しとなり、6週ぶりの買い越しだった。
経済スケジュールでは、4日に米国12月ISM製造業景況指数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、5日に中国12月財新サービス部門購買担当者景気指数(PMI)、米国12月ADP雇用統計、米国11月貿易収支、6日に米12月雇用統計、米国12月ISM非製造業PMIなどの発表が予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69
02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67
03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03
04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02
05月限 日経225 25951.24 TOPIX 1838.12
06月限 日経225 28122.81 TOPIX 1955.38
07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16
08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05
09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76
10月限 日経225 26666.31 TOPIX 1885.58
11月限 日経225 28225.86 TOPIX 1978.52
12月限 日経225 27576.37 TOPIX 1945.27
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
23/03 12月30日 25990 26330 25980 25990 +10
23/03 12月29日 26260 26310 25890 25980 -250
23/03 12月28日 26350 26400 26120 26230 -130
23/03 12月27日 26370 26560 26350 26360 -10
23/03 12月26日 26130 26380 26060 26370 +220
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
23/03 12月30日 1888.5 1910.5 1884.5 1886.0 -1.5
23/03 12月29日 1905.0 1909.0 1878.5 1887.5 -15.5
23/03 12月28日 1904.0 1907.5 1893.0 1903.0 -1.5
23/03 12月27日 1899.0 1914.0 1898.0 1904.5 +4.5
23/03 12月26日 1890.5 1904.0 1886.0 1900.0 +8.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
12月30日(3月限) 25735 -255
12月29日(3月限) 26270 +290
12月28日(3月限) 26030 -200
12月27日(3月限) 26210 -150
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
12月23日 4597億円 +1347億円 3733億円 -1017億円
12月16日 3250億円 -72億円 4750億円 -344億円
12月09日 3322億円 +1529億円 5095億円 -324億円
12月02日 1793億円 -99億円 5420億円 -321億円
11月25日 1892億円 -484億円 5742億円 +861億円
11月18日 2376億円 -2418億円 4880億円 +279億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
12月28日 1億7136万株 +607万株 1億4441万株 +1146万株
12月27日 1億6529万株 +28万株 1億3295万株 +238万株
12月26日 1億6501万株 -166万株 1億3056万株 +241万株
12月23日 1億6667万株 +991万株 1億2814万株 -476万株
12月22日 1億5675万株 +697万株 1億3291万株 +522万株
12月21日 1億4977万株 +1179万株 1億2769万株 -1734万株
12月20日 1億3798万株 +2379万株 1億4503万株 -1234万株
12月19日 1億1419万株 +259万株 1億5738万株 -65万株
12月16日 1億1159万株 +1745万株 1億5803万株 -148万株
12月15日 9414万株 -1476万株 1億5951万株 +25万株
12月14日 1億0890万株 -2411万株 1億5926万株 +141万株
12月13日 1億3301万株 -1073万株 1億5784万株 +291万株
12月12日 1億4375万株 +3050万株 1億5493万株 -972万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
4月07日 701億円
5月19日 701億円
6月13日 701億円
6月17日 701億円
12月2日 701億円
株探ニュース