話題株ピックアップ【夕刊】(2):塩野義、レーザーテク、JAL
■塩野義製薬 <4507> 6,403円 -183 円 (-2.8%) 本日終値
塩野義製薬<4507>が軟調。この日、新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」に関し、提携先の韓国企業が現地で条件付き製造販売の承認申請を行い、受理されたと発表した。ただ今回の海外における承認申請をサプライズ視する向きは少なく、全体相場にツレ安する形で株価は安値圏で推移した。
■レーザーテック <6920> 21,150円 -595 円 (-2.7%) 本日終値
レーザーテック<6920>が続落。大発会の東京市場はリスクオフの地合いとなっているが主力ハイテク株の代表格である同社株にも売りが波及している。これまでサポートラインとなっていた75日移動平均線を下抜ける形で、目先調整色が拭えない状況にある。前日の米国株市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が続落。スマートフォンやパソコンの販売低調を背景に半導体の過剰在庫が意識されるなか、関連銘柄の株価も冴えない動きが続いている。これを受け東京市場でも半導体関連セクターには逆風が強い。同社株は昨年12月中旬以降、信用買い残が急増傾向にあることも株式需給面で重荷となっている。
■日本航空 <9201> 2,639円 -56 円 (-2.1%) 本日終値
日本航空<9201>が軟調に推移。新型コロナウイルスの感染が急拡大した中国本土からの入国者を対象に、日本政府が感染検査を義務付けるなど水際規制に動いている。中国からの訪日外国人客数が減少し、業績に悪影響をもたらすことへの警戒感が株価の重荷となったようだ。インバウンド関連ではこのほか、三越伊勢丹ホールディングス<3099>や高島屋<8233>など百貨店株が下落。マツキヨココカラ&カンパニー<3088>などドラックストア関連株や、寿スピリッツ<2222>、壽屋<7809>などが安い。
■村田製作所 <6981> 6,511円 -77 円 (-1.2%) 本日終値
村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>など電子部品株への売りがかさんでいる。前日の米国株市場ではアップル<AAPL>が一時4%を超える下落で全体指数を押し下げた。iPhone新機種の売れ行き不振が伝わるなか、同社がサプライヤーに部品の減産要請をしたことが伝わり株価下落の要因となった。東京市場でも村田製をはじめアップルの有力サプライヤーである電子部品メーカー各社に連想売りが及ぶ形となっている。外国為替市場で足もとドル安・円高傾向にあることも買い手控えムードを増幅させている。
■トヨタ自動車 <7203> 1,799円 -13.5 円 (-0.7%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>など自動車株が総じて下値を探る動きにある。年明けの米債券市場で長期債が買われ、米10年債利回りが終値ベースで3.74%台まで下落、これに伴う日米金利差縮小の思惑が外国為替市場でドル売り・円買いの動きを誘発、一時1ドル=130円台を下回る円高に振れる場面があった。輸出セクターの中でもとりわけ為替感応度が高い自動車株は、輸出採算悪化に対する警戒感から売りが優勢となっている。トヨタの今期想定為替レートは1ドル=135円で実勢よりも大幅に円安に設定されていることで、為替デメリットが意識されやすい状況にある。
■王将フードサービス <9936> 5,940円 -40 円 (-0.7%) 本日終値
王将フードサービス<9936>は底堅い。午前11時、12月の月次売上高速報を発表した。既存店売上高は前年同月比5.5%増と増収を維持しており、全体相場が軟調ななかにあっても下値を探る動きは限られた。全店売上高は同6.0%増だった。価格改定により客単価が上昇したことなどが寄与したという。
■モリテック スチール <5986> 310円 +80 円 (+34.8%) ストップ高 本日終値
モリテック スチール<5986>が急騰。4日付の日本経済新聞朝刊が「政府は小型の電気自動車(EV)を数分で充電できる高出力充電器の普及に乗り出す」と報じた。出力の高い機器の設置や取り扱いに関する規制を、2023年をめどに大きく緩めるとしており、EV向けの充電器を手掛ける同社に対しては、報道を手掛かり視した買いが集まったようだ。ENECHANGE<4169>や、東光高岳<6617>も高い。報道によると、出力200キロワット超の充電器も一定の安全性は確保できると判断し、50キロワット超と同じ扱いにする方向で規制を緩和するという。規制を所管する消防庁が23年中の関係省令の改正を目指すとしている。
■Jテック・C <3446> 3,060円 +300 円 (+10.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ジェイテックコーポレーション<3446>が切り返し急。理化学研究所向けを中心にナノレベルでも最先端を行く超ハイスペックな超高精度X線集光ミラーを納入しているが、一方で業績寄与度の高い機器開発事業に重点を置き、特に半導体製造装置に傾注する構えをみせている。昨年12月19日にはプラズマ援用研磨装置の開発機を受注したことを発表し注目を集めた。同装置は大阪大学の独自研磨技術を活用したもので、次世代パワー半導体材料であるSiCやGaN基板、単結晶ダイヤモンド基板を高速かつ高精度に平坦化することが可能となる。このほか次世代パワー半導体分野では、同社が東邦鋼機製作所(三重県四日市市)と共同開発した独自のCARE加工技術による研磨装置に期待が大きく、こちらも引き合いは旺盛で、会社側は受注獲得に向け積極的な姿勢を示している。同社は中期計画として2030年にCARE加工技術を使った半導体研磨装置の売上高を20億円にする目標を掲げており、実現すれば業績も様変わりする可能性がある。
株探ニュース