富田隆弥の【CHART CLUB】 「二点底から節分高の可能性が見えてきたが……」
◆荒い展開が続く。日経平均株価は1月16日に2万5748円まで下げたが、日銀金融政策決定会合が開かれた18日は後場に一時678円高の2万6816円まで急伸。その翌19日は385円安の2万6405円と大幅に反落した。日足チャートを見ても、年初から800円~1000円幅の上げ下げを繰り返している。
◆為替(ドル円)を見れば、16日に1ドル=127円23銭まで円高が進んだが、18日後場は日銀会合後に131円58銭まで円安に振れた後、一気に128円台の円高となり、まさに“往って来い”。いまの日本株は金利上昇観測や円高懸念が重石となっているが、黒田日銀総裁の任期(4月8日)が迫ることもあり、東京市場はもうしばらく値動きの荒い展開が続くと思われる。
◆ただ、日経平均株価の日足チャートを見ると、年初1月4日の安値2万5661円と16日安値の2万5748円で二点底を描き、12月から続く下落波動に一旦歯止めをかけた格好だ。TOPIXは18日に1936ポイントまで上昇して75日線や200日線など1920ポイント付近に集まる移動平均線を突破した。ならば、アノマリー(経験則)通りに日本株は「1月中旬安値から節分高を目指す」ことも想定される。
◆とはいえ、先行きの相場に楽観は禁物。日経平均株価であれば200日線(19日時点2万7242円)や26週線(同2万7403円)など上に多くの節があり、節分にどこまで戻せるかが焦点で、節を抜くまでは安心できない。逆に、年初の安値2万5661円を割り込む場合は「底割れ」として改めて警戒が必要になる。
◆「いいとこ取り」で年明けに上昇した米国株だが、NYダウは12月高値の3万4712ドル手前で反転し、17日まで7連騰を演じたナスダックも12月高値の1万1571ポイント手前で上値を抑えられた。日本株に大きな影響を及ぼす米国株だが、チャートはまだ好転を確認していない。注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)は1月31日~2月1日。1月下旬から国内企業の決算発表も本格化する。もうしばらく株式市場は日米ともに荒い展開が続くことを覚悟しておきたい。
(1月19日 記、次回更新は1月28日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース