話題株ピックアップ【夕刊】(2):日本取引所、ファナック、カゴメ

注目
2023年1月30日 15時19分

■日本取引所グループ <8697>  1,984円  +77 円 (+4.0%)  本日終値

日本取引所グループ<8697>が後場上げ幅を拡大した。正午に自社株買いと記念配当の実施を発表し、材料視されたようだ。取得総数2000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.8%)、取得総額200億円を上限に、自社株を1月31日から7月27日の間(ただし5月1日から同月17日までの間、及び四半期決算期を含む決算期末日の5営業日前から決算期末日までの間を除く)に取得する。また、発足10周年を記念し、これまで26円としていた期末配当予想について、記念配当10円を加えて36円に増額修正した。前期末(特別配当15円含む)からは10円の減配の見通しとなる。

■ファナック <6954>  23,165円  +800 円 (+3.6%)  本日終値

ファナック<6954>が堅調。前週末27日の取引時間終了後、23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。また、3月31日を基準日として4月1日をもって1株を5株に分割するとも公表し、これらを好感した買いが集まったようだ。売上高の見通しは8057億円から8312億円(前期比13.4%増)、最終利益の見通しは1595億円から1640億円(同5.6%増)に引き上げた。23年1~3月期の想定為替レートは1ドル=125円、1ユーロ=135円に設定した。想定レートの見直しの影響や、中国などにおけるファクトリーオートメーション(FA)の発注調整の影響があるものの、従来の計画よりも業績が堅調に推移しており、通期の業績予想に反映させた。4~12月期の売上高は前年同期比17.7%増の6361億1300万円、最終利益は同9.3%増の1298億700万円だった。10~12月期ではロボマシンやロボット部門の売上高が7~9月期に比べて増加した。

■カゴメ <2811>  3,125円  +80 円 (+2.6%)  本日終値

カゴメ<2811>が反発。前週末27日の取引終了後、22年12月期業績予想の上方修正を発表し、純利益を69億円から91億円(前の期比6.8%減)に増額した。引き続き減益予想ながら通期業績に対する過度な懸念が後退したようで、足もと買い安心感が広がっている。海外子会社において売上収益や事業利益が増加したほか、欧州各国の急激な物価上昇に対する税務優遇措置などによって税金費用が減少する見込みとなったことが要因。売上収益(売上高)も2020億円から2056億円(同8.4%増)に引き上げた。

■Sansan <4443>  1,657円  +41 円 (+2.5%)  本日終値

Sansan<4443>が3日ぶりに反発。午前11時ごろ、同社のインボイス管理サービス「Bill One」をマルハニチロ<1333>が採用したと発表しており、好材料視された。「Bill One」は、郵送で届く紙の請求書やメールに添付されるPDFの請求書など、あらゆる請求書をオンラインで受領・データ化し、月次決算の加速を後押しするインボイス管理サービス。マルハニチロでは、これまで全体の約9割を紙の請求書で受け取っていたが、「Bill One」の活用により、年間で24万枚の紙の請求書と1万2000時間の業務を削減することで、担当者の生産性向上や全社での働き方改革を推進するという。

■資生堂 <4911>  6,810円  +164 円 (+2.5%)  本日終値

資生堂<4911>が一時198円高の6844円、コーセー<4922>は330円高の1万4580円に買われるなど化粧品関連株に投資資金が流れ込んだ。化粧品業界は中国のゼロコロナ政策解除に伴う消費需要復活を再び取り込むことが期待されている。また直近、中国大使館が日本人向けの渡航ビザの発給手続きを再開することを発表したが、これを契機に日中の交流が活性化するとの思惑も追い風となっている。更に、国内ではマスク着用ルールが政府主導で緩められる方向にあることで、口紅などの需要が高まるとの見方が、両銘柄の株価を後押しする格好となった。

■オプティム <3694>  1,166円  +25 円 (+2.2%)  本日終値

オプティム<3694>が続伸。前週末27日の取引終了後、同社の人工知能(AI)を活用した電子帳簿保存サービス「OPTiM 電子帳簿保存」が、NEC<6701>から発売されたと発表しており、好材料視された。「OPTiM 電子帳簿保存」は、改正電子帳簿保存法の電子取引の電子保存要件に対応し、月額9980円から利用できるAIを活用した電子帳簿保存サービス。取引書類をAIで解析し、自動で台帳を作成することで、手動入力による台帳作成の負担を軽減するほか、電子帳簿保存法・インボイス制度の電子保存要件に対応しているのが特徴。NECは、同サービスの提供により、顧客の電子帳簿保存法に対応した効率的な書類管理を実現するとしている。

■蝶理 <8014>  2,339円  +32 円 (+1.4%)  本日終値

蝶理<8014>が続伸。前週末27日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を3300億円から3400億円(前期比19.7%増)へ、営業利益を115億円から125億円(同34.0%増)へ、純利益を82億円から86億円(同26.3%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を50円から55円へ引き上げたことが好感された。繊維事業及び化学品事業の両セグメントが計画を上回る水準で好調に推移したことで第3四半期累計(22年4~12月)決算が大幅な増収増益となったことが要因としている。なお、年間配当予想は105円(前期84円)になる予定だ。同時に発表した第3四半期累計決算は、売上高2553億7900万円(前年同期比24.1%増)、営業利益109億2700万円(同48.1%増)、純利益75億4800万円(同29.0%増)だった。

■キーエンス <6861>  60,030円  +640 円 (+1.1%)  本日終値

キーエンス<6861>が商いを伴い続伸。年初から5日移動平均線をサポートラインとする急勾配の戻り足を継続している。FAセンサーなどを主力とするが、時価総額は14兆5000億円を上回り、設備投資関連セクターの代表的な銘柄としてマーケットの注目度が高い。今週2月1日に22年4~12月期の決算発表を控えている。そうしたなか、同社と同じ設備投資関連の代表株に位置付けられるファナック<6954>が、前週末に23年3月期業績見通しの上方修正を発表し、これを好感され物色人気化しており、その流れを受けて同社株にも好決算先取りの買いが流入した。

■エービーシー・マート <2670>  6,980円  +50 円 (+0.7%)  本日終値

エービーシー・マート<2670>が反発。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断「B+」を継続するとともに目標株価を7000円から7500円に引き上げた。第3四半期累計(22年3~11月)の連結営業利益は前年同期比46.1%増の289億9100万円と堅調だった。国内では、主要都市や観光地を中心に人手が増加したほか、インバウンド消費の増加も加わった。23年2月期の同利益は前期比25.7%増の345億円で据え置かれたが、第3四半期時点での進捗率は84.0%に達しており、同証券では375億円への増額修正を予想。24年2月期の同利益は410億円への増益を見込んでいる。

■ISID <4812>  4,270円  +20 円 (+0.5%)  本日終値

ISID<4812>が4日続伸。午前11時ごろ、米スノーフレーク社が開発・提供するデータクラウド「Snowflake(スノーフレーク)」の短期導入支援サービス「SnowBase(スノーベース)」の提供を開始すると発表しており、好材料視された。「Snowflake」は、クラウドで提供されるデータウェアハウスサービスで、企業内に蓄積された多種多様かつ大量のデータマネジメントと、社内外とのセキュアなデータ共有を実現する。ISIDは21年にスノーフレーク社と販売代理店契約を締結し、「Snowflake」の日本市場における販売を開始したが、今回提供を開始する「SnowBase」は独自に開発したツールとテンプレート群を活用することにより、最低限の構成であれば最短2カ月で「Snowflake」導入が可能になるとしている。

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