「半導体製造装置」が23位、政治的・構造的に担保された中長期成長トレンド<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「半導体製造装置」が23位となっている。
半導体はパソコンやスマートフォンの売り上げ急減速を背景に在庫が積み上がり市況が軟化したが、これは一時的なサイクルであって中長期的にみれば今後長きにわたり構造的な需要拡大が見込まれる。自動運転分野など次世代市場が立ち上がるなか、車載向け半導体需要が加速するほか、人工知能(AI)の普及を後押しするビッグデータの市場拡大で、データセンター向けなどに高水準の半導体需要が創出される。
東京エレクトロン<8035>は今月9日の決算で、23年3月期の通期業績予想について売上高、利益ともに従来計画を上方修正したが、その際に同社の河合利樹社長が、今が市況の底であり今年後半からメモリー向けは回復歩調に入るとの見方を示したことで、マーケットにも大きな影響を与えた。一方でレーザーテック<6920>は1月末に受注計画の下方修正を発表するなど、半導体製造装置メーカーの業績見通しについてはまだら模様ではあるが、株価的には既に下値を探る状況ではなく、上値慕いの動きが目立っている。
他方、政治的要因からも半導体製造装置関連セクターには追い風が吹いている。米中の覇権争いが先鋭化するなか、自動車をはじめ幅広い産業において、サプライチェーンリスクにつながる半導体不足への対応が喫緊の課題となっている。経済安全保障の面で半導体を滞りなく確保することは重要テーマにほかならない。米国の半導体設備能力増強に向けた国策支援は、自国内に半導体製造設備を確立しておく必要性を浮き彫りとしたもので、日本も米国と同じレールに乗っている。
日本国内でも21年に、TSMC<TSM>が熊本県に日本で初となる半導体生産工場を建設することを発表し話題を集めたが、こうした動きの背景には米国の存在があり、今後は日本国内での半導体工場建設の動きが政治的な後押しで一段と活発化する可能性がある。株式市場でも、半導体設備投資で潤う企業は改めて投資対象として存在感を高めそうだ。
半導体製造装置関連では、国内トップメーカーの東エレクやマスクブランクス検査装置を世界に独占供給するレーザーテクなどを筆頭に、有力銘柄が目白押し。半導体検査装置世界大手のアドバンテスト<6857>、半導体切断装置で世界シェア首位を誇るディスコ<6146>、半導体ウエハー洗浄装置で群を抜く存在のSCREENホールディングス<7735>、半導体露光装置で高い競争力を有するニコン<7731>などが代表的だ。