話題株ピックアップ【夕刊】(1):味の素、日立建機、安川電
■カナデン <8081> 1,250円 +113 円 (+9.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
カナデン<8081>が急反発。2月28日の取引終了後、上限を250万株(発行済み株数の9.65%)、または28億4250万円とする自社株を、3月1日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表。あわせて、500万株(同17.48%)を上限に3月8日付で自社株を消却するとしており、これを好感した買いが入った。なお、この日午前11時に自社株248万4000株(同9.58%)をToSTNeT-3で取得したと発表した。
■味の素 <2802> 4,392円 +374 円 (+9.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
味の素<2802>が急伸。28日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想の修正を発表し、最終利益の見通しを830億円から900億円(前期比18.9%増)に上方修正した。あわせて自己株式の消却と、累進配当政策の導入などを盛り込んだ中期の経営ロードマップも発表しており、これらを好感した買いが集まったようだ。川崎市高津区にある遊休資産の売却により、23年1~3月期において約280億円をその他の営業収益に計上する。一方、味の素フーズ・ノースアメリカ社に関するのれんについて、米国の金利・経済状況を背景に減損損失を約120億円計上する影響も業績予想に反映した。また、3月27日に719万8100株(消却前の発行済み株式総数の1.34%)を消却する。このほか、ROE(自己資本利益率)を25年度に18%(22年度予想は11%)、30年度に約20%にする挑戦的目標を掲げた中期の経営ロードマップを発表。23~30年度の設備投資は7500億円程度を見込むほか、新たな株主還元方針として、減配を実施せずに増配または配当を維持する累進配当政策を導入する。
■日立建機 <6305> 3,180円 +135 円 (+4.4%) 本日終値
日立建機<6305>が大幅反発。同社は2月28日、世界市場向けの建設機械の全製品を4月から順次、値上げすると発表しており、好材料視された。世界市場向けの建設機械、鉱山機械の全製品を平均で8%値上げするという。電気・ガスなどのエネルギーコストの上昇、世界的なサプライチェーンの混乱による継続的な原材料価格の高騰や、物流費の上昇の影響に対し、22年にも建設機械の全製品を対象に価格改定を実施したものの、更なるコスト上昇の影響もあり、企業努力で吸収可能な範囲を超えていると判断したという。
■シンプレクス <4373> 2,380円 +99 円 (+4.3%) 本日終値
シンプレクス・ホールディングス<4373>は大幅続伸。2月28日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を337億円から349億円(前期比14.1%増)へ、営業利益を67億7700万円から74億6300万円(同17.3%増)へ、純利益を45億8600万円から50億円(同18.9%増)へ上方修正したことが好感された。生損保一体型基幹ソリューションの大型案件が進行中の保険ソリューションや、創設2年目のXspear Consultingを提供主体とする戦略/DXコンサルティングの業績が順調に推移していることが要因としている。同時にSBIホールディングス<8473>及びその傘下のSBI証券と、合弁会社SBIシンプレクス・ソリューションズを設立したと発表した。新合弁会社では、SBIグループ向けのシステム開発・運用を行うとしている。
■安川電機 <6506> 5,590円 +230 円 (+4.3%) 本日終値
安川電機<6506>が上げ幅を拡大。中国国家統計局がこの日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.6と、前月と比べ2.5ポイント上昇した。市場予想を上回る水準となったほか、好不況の境目とされる50を2カ月連続で上回った。中国景気の先行きに対する前向きな見方が広がるなか、安川電には中国での製品需要の回復を期待した買いが集まったようだ。FA(ファクトリーオートメーション)関連ではSMC<6273>やファナック<6954>が買われ、キーエンス<6861>が朝安後プラスに転じたほか、コマツ<6301>など建設機械株も堅調に推移している。
■サンケン電気 <6707> 9,660円 +390 円 (+4.2%) 本日終値
サンケン電気<6707>が連日で昨年来高値を更新した。香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが同社株を買い増したことが明らかとなり、これを思惑視した買いが入ったようだ。1日受付で財務省に提出された変更報告書によると、オアシスのサンケン株式の保有比率は6.77%から7.81%に上昇した。報告義務発生日は2月24日。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としている。
■ギフティ <4449> 2,430円 +93 円 (+4.0%) 本日終値
ギフティ<4449>は大幅続伸した。SBI証券が28日付で、ギフティの目標株価を2800円から3900円に引き上げた。投資判断は「買い」を継続する。giftee for Businessや子会社の事業をけん引役に、売上高、利益ともに力強い伸びになると想定する。節電プログラム案件など公共系の新事例に加え、eギフトサービスを手掛ける子会社のソウ・エクスペリエンスで人流回復に伴う好調な業績推移が確認できた点などを踏まえ、業績予想を調整した。同証券は23年12月期の営業利益予想について、従来の9億1900万円から9億3300万円に引き上げた。
■FPパートナー <7388> 5,320円 +150 円 (+2.9%) 本日終値
FPパートナー<7388>が大幅続伸。2月28日の取引終了後、23年5月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表したことが好感された。毎年5月31日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、一律でクオカード3000円分を贈呈する。
■JFEホールディングス <5411> 1,734円 +48 円 (+2.9%) 本日終値
JFEホールディングス<5411>が高い。岩井コスモ証券は28日、同社株の投資判断「B+」を継続するとともに、目標株価を1650円から1815円に引き上げた。同社の第3四半期累計(22年4~12月)の連結業績は増収減益で着地。国内需要の先送りや海外市況軟調継続が響いており、23年3月通期の見通しも下方修正した。ただ、24年3月期は鋼材需要の回復や海外市況の改善などを見込んでおり増益転換を予想している。今期年間配当は80円と前期に比べ減配の見込みだが、配当利回りは4%台半ばと魅力的な水準。実績PBRは1倍を大きく割り込んでおり割安感がある、とみている。
■SREホールディングス <2980> 3,560円 +85 円 (+2.5%) 本日終値
SREホールディングス<2980>が続伸。SMBC日興証券は28日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を3600円から4700円に引き上げた。1月31日に決算発表を行い、22年10~12月期が大幅な最終減益となったことなどが嫌気され株価は急落した。ただ、同証券では成長鈍化への懸念に関して「徐々に解消に向かおう」と指摘している。第3四半期のクラウドソリューション事業における「顧客数増加ペースの鈍化」や「顧客単価の低下」が懸念されるが、同証券ではオペレーションを意図的に変えたことによる一時的要因とみており、第4四半期及び来期以降は通常通りの成長トレンドが確認できると指摘。23年3月期の連結営業利益は17億3000万円(会社予想16億5000万円)、24年3月期の同利益は21億7000万円と予想している。
株探ニュース