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米国株
2023年3月18日 8時00分
市況

【村瀬智一が斬る!深層マーケット】銀行株が本格リバウンドみせるまで個別材料株物色へ

「銀行株が本格リバウンドみせるまで個別材料株物色へ」

●世界的な金融システム不安が高まる

米SVBファイナンシャルグループ<SIVB>傘下のシリコンバレーバンクの破綻に続き、スイス金融大手クレディ・スイス・グループ<CS>の信用不安が浮上し、金融システム不安の世界への波及が警戒されている。

3月に入り日経平均株価は2万8700円台まで急伸したが、金融システム不安により一転して金融セクターを中心に幅広い銘柄が売られ、16日には2万6600円台まで下落。3月の上昇分を一気に帳消しにし、約2カ月ぶりの水準まで売られた。その後、財務状態を巡る懸念により急落していた米ファースト・リパブリック・バンク<FRC>に対し、米銀大手11行が総額300億ドル(約4兆円)を預け入れる支援策を発表したことで、週末17日の日経平均株価は反発し、節目の2万7000円を回復した。

もっとも、金融システム不安が払拭されたわけではなく、メガバンクの戻りの鈍さを見ても、自律反発の域は脱していない。ヘッジファンドは銀行株に対するポジションをショートに変更したとされている。銀行株が本格的なリバウンドをみせてくるまでは、センチメントの改善は期待しづらく、個別の材料などを手掛かりとした個人投資家主体の短期値幅取りの物色が中心になりそうだ。

なお、欧州中央銀行(ECB)理事会は16日、予想通り0.5%の利上げを決めた。来週は21~22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、その結果次第では再び波乱含みの相場展開となる可能性もあろう。

●今後、活躍が期待される「注目5銘柄」

◆良品計画 <7453> [東証P]

3月10日に発表した2月度の海外売上高情報で、中国大陸における既存店売上高は前年同月比17.4%増と2カ月連続で前年実績を上回った。中国事業は営業収益の2割程度を占めるだけに、その回復傾向は好材料として注目される。また、中国政府は3年前から停止していた観光ビザの申請を3月15日から再開し、外国人観光客の受け入れを開始する一方、中国人の海外への団体旅行も徐々に解禁している。中国経済の活性化とともに、国内のインバウンド関連への好影響も意識されそうだ。株価は1月半ばの急落以降は、およそ1300円~1460円のレンジで推移。足もとでは13週移動平均線突破からレンジ上限を捉える場面も見られており、1月高値1591円を目先のターゲットとしたリバウンドに期待したい。

◆Sansan <4443> [東証P]

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2月22日にリリースした、国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」に同社が選定された。「改善度の高い統合報告書」では2年連続となる。これを受けて年金などの運用資金の流入といった需給面での思惑が高まりやすいだろう。また、3月15日にはバンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]が営業DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス「Sansan」をグループ43社、約8000名に導入したと発表。業務の自動化・効率化ニーズが高まるなか、同サービスの導入企業の増加が期待される。株価は1800円近辺で上値を抑えられているものの、下値は13週、26週線が支持線として機能している。レンジからの上放れに期待したい。

◆ウシオ電機 <6925> [東証P]

2月3日に2023年3月期連結営業利益を従来予想の170億円→150億円に下方修正した。ナトリウムランプの販売低迷に加え、半導体市況の悪化により露光用UVランプの販売が想定を下回ることなどが響く。なお、第4四半期以降の為替レートは、130円/ドル、140円/ユーロを前提としており、現在の為替水準から下振れリスクは低いだろう。株価は下方修正が嫌気されて窓を空けて急落したが、その後は緩やかなリバウンドを見せており、窓埋めの動きも意識されてこよう。

◆日本空港ビルデング <9706> [東証P]

全国旅行支援や入国制限の大幅な緩和を背景に旅客数が回復に向かうなか、羽田空港第3ターミナルに直結した複合施設「羽田エアポートガーデン」が1月末に開業したことで集客効果が見込まれる。2月8日に発表した2023年第3四半期累計(4-12月)の連結営業損益は93億円の赤字だったが、前年同期(308億円の赤字)から赤字幅が縮小した。日韓関係の正常化や中国インバウンドの再開などにより、業績の改善傾向は強まろう。株価は1月30日の高値6960円と3月2日の戻り高値6900円でダブルトップを形成したが、切り上がる26週線までの調整を経て、今後のリバウンドに期待。

◆サムコ <6387> [東証P]

3月10日に発表した2023年7月期第2四半期累計(22年8月-23年1月)の営業利益(非連結)は前年同期比84.3%増の9億6400万円だった。電子部品分野やMEMS(微小電気機械素子)など先端分野での投資拡大を背景に、半導体レーザーや高周波デバイス向けなどを中心に電子部品製造装置が好調。株価は決算が評価されて強いリバウンドを継続し、昨年11月28日に付けた昨年来高値4145円を上回った。ダブルトップ形成の可能性もあるものの、これを完全にクリアしてくると、21年1月の上場来高値4260円を通過点に変えてくることが期待される。

(2023年3月17日 記)

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