ログイン
米国株

株探からのお知らせ

✖閉じる

明日の株式相場に向けて=上昇気流に乗る「AI」と「半導体」関連

市況
2023年3月23日 17時00分

きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比47円安の2万7419円と反落。米国株急落を受け朝方は下値リスクに身構えたが、思いのほか底堅かった。市場では巨額の配当再投資を見込んだ先回り買いの動きなどが指摘されたが、であるにせよ前日に日経平均が大幅高に買われていたことを考えると、驚くほどの底堅さであった。

前日の米国株市場ではビッグイベントであったFOMC通過後、取引の最終盤にNYダウが大きくバランスを崩し、500ドルを超える下げとなった。下落率では1.6%に過ぎず波乱とまではいかないが、意外なタイミングで揺さぶりが入った。FOMCの0.25%利上げは概ね織り込んでいたはずで、パウエルFRB議長の記者会見もタカ派的とは言えない内容だったのだが、マーケットは依然として神経質な状況下に置かれているということを再認識させられた。イエレン財務長官が「預金保険の保護対象の拡大を検討していない」と発言したことが悪役視されているが、「現時点ではまだ」というニュアンスがあったとすれば、この発言で金融不安が再燃したとするのは乱暴な解釈といえる。マーケットは、まだ「見えない魔物に怯えている」というのが本当のところではないか。

東京市場では個別株勝負の地合いが続いているが、AI 関連株の物色人気に衰えがみられない。チャットGPTを起爆剤とした今回のテーマ買いのステージで先駆して大相場を演じ、シンボルストック的な輝きを放っていたのがインフォネット<4444>。目先は信用規制の強化もあって、さすがに上値追い態勢にブレーキがかかった。しかし3月相場ではMVP級の上げ足を披露したことに変わりはない。今月1日の終値821円から前日(22日)のザラ場高値2054円までちょうど2.5倍化の大変貌を果たした。モメンタム相場ゆえその反動も大きくなるのは仕方のないところだが、東京市場では次のインフォネットを探す動きが活発で、それらしき銘柄候補が間欠泉のようにあちらこちらで噴き上げている。

そのなか一気に頭角を現したのがTDSE<7046>ビッグデータ やAI技術を活用したソリューションを提供する。AI関連の看板を掲げる銘柄はシステムや人材への先行投資などで足もとの業績が悪い銘柄も多いが、同社については収益成長トレンドが明確で、特にトップラインの伸びが顕著である。目先の高値に買いつくのは躊躇するものの、長期波動で見れば底値離脱の初動であり、押し目買いで対処して楽しみの多い銘柄といえそうだ。

また、穴株では共同ピーアール<2436>にも注目してみたい。独立系で企業パブリシティ活動支援やコンサルティングなどを展開するが、次世代VRシステム開発企業と連携するなどメタバースへの布石も着々。更にAI領域への挑戦にも意欲的だ。昨年5月末に連結子会社化したAI・ビッグデータを手掛けるキーウォーカーの上場計画も俎上に載っている。これ以外では、株価的に今はまだノーマーク状態ながら、クラウド型映像プラットフォームの開発・運営を行い、AI搭載の監視カメラを手掛けるセーフィー<4375>もチェックしておきたい。防犯分野でもAIの活躍余地は大きく広がっており、同社はその急先鋒だ。

一方、ソフト代表がAIならば、そのインフラ基盤を担うハード代表は半導体 にほかならない。きょうは半導体セクターの銘柄が強さを発揮し、全体相場を支えた。東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など大手製造装置メーカーが買い優勢の展開となったことで、市場センチメント改善に一役買った。半導体市況を取り巻く環境は、辺りを見回せばまだ暗闇には違いないが、夜明けが近い闇と考えてよい。関連株には買い場が訪れているとの見方が、市場関係者の間にも広がっている。この時間軸を意識してマークしておきたい銘柄としては、半導体向けプラズマ用高周波電源装置の専業メーカーであるアドテック プラズマ テクノロジー<6668>や、半導体製造用インクジェット装置で高い競争力を誇るAIメカテック<6227>などが面白い存在となる。また、穴株では大口径シリコンウエハーの超精密平面研削盤で高度な技術力を有する和井田製作所<6158>に着目。受注増勢のなか、株価的にも出番到来が待たれるタイミングにある。

あすのスケジュールでは、2月の全国消費者物価指数(CPI)、3カ月物国庫短期証券の入札など。また海外では、2月の英小売売上高、3月の仏製造業PMI速報値、3月の独製造業PMI速報値、3月のユーロ圏PMI速報値などが注目される。米国では2月の耐久財受注額、3月の製造業PMI速報値などにマーケットの関心が高い。(銀)

出所:MINKABU PRESS

株探からのお知らせ

関連記事・情報

  1. 来週の株式相場に向けて=新年度相場占う局面、内需グロース株に突破口探る (03/24)
  2. 10万円以下で買える、連続増益&低PER 29社【プライム】編 <割安株特集> (03/24)
  3. 徹底リサーチ NEXTエクセレント(1) 日経CNBC×株探 コラボ (03/23)
  4. 利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第4弾 36社選出 <成長株特集> (03/23)
  5. ★本日の【サプライズ決算】速報 (03月24日)
  6. 明日の決算発表予定 大光 (3月24日)
  7. レーティング日報【最上位を継続+目標株価を増額】 (3月24日)
  8. 解禁前夜「デジタル給与」、キャッシュレス加速で急浮上する銘柄群 <株探トッ.. (03/23)
  9. ビジネス環境の変化に迅速対応、IT新時代担う「DX支援」関連に脚光 <株探.. (03/22)
  10. 話題株ピックアップ【夕刊】(1):ユニバーサル、コスモHD、フジHD (03/24)

人気ニュース (直近8時間)

  1. 1
    【明日の好悪材料】を開示情報でチェック! (5月26日発表分) 注目
  2. 2
    【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (5月26日現在) 特集
  3. 3
    今期活躍期待の【連続最高益】銘柄リスト〔第3弾〕33社選出 <成長株特集> 特集
  4. 4
    【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─上昇相場に乗り遅れた人にもチャンス!インバウンド関連の再浮上を狙う! 市況
  5. 5
    【杉村富生の短期相場観測】 ─半導体関連セクターにマトを絞る! 市況
人気ニュースベスト30を見る
ログイン プレミアム会員登録
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.