話題株ピックアップ【夕刊】(2):三井住友建設、くら寿司、アダストリア

注目
2023年4月5日 15時14分

■三井住友建設 <1821>  392円  +2 円 (+0.5%)  本日終値

三井住友建設<1821>が3日続伸。旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が4日の取引終了後に財務省に提出した変更報告書で、シティインデックスイレブンスと共同保有者の三井住友建設株式の保有割合が9.73%から10.74%に増加したことが判明。これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこと」としている。

■くら寿司 <2695>  3,335円  +10 円 (+0.3%)  本日終値

くら寿司<2695>が底堅い。米ニューヨーク市場に上場するくら寿司USA<KRUS>が現地時間4日に発表した第2四半期(22年12月~23年2月期)の決算は、既存店売上高が前年同期比17.4%増となった。営業赤字幅も縮小しており、くら寿司USAの株価は時間外取引で急伸した。米国事業の拡大による中期的な成長を期待した買いが、東京市場でのくら寿司株の下支え要因になったとみられている。

■アダストリア <2685>  2,294円  -153 円 (-6.3%)  本日終値  東証プライム 下落率5位

アダストリア<2685>が大幅反落。4日の取引終了後に24年2月期の連結業績予想を発表。売上高2600億円(前期比7.2%増)、営業利益140億円(同21.6%増)、純利益94億円(同24.7%増)と増収増益を見込み、年間配当予想を前期比5円増の65円としたが、目先の材料出尽くし感から売られたようだ。ファッション需要の回復が継続する見込みであることに加えて、新業態・新ブランドの展開や出店の継続、海外事業の回復などが増収に寄与する見通し。また、商品単価の見直しやASEAN生産の拡大、値引きの抑制により粗利率の改善を図る。23年2月期決算は、売上高2425億5200万円(前の期比20.3%増)、営業利益115億1500万円(同75.4%増)、純利益75億4000万円(同53.3%増)だった。また、3月度の月次売上高を発表しており、既存店売上高は前年同月比11.1%増と13カ月連続で前年実績を上回った。月を通して平年よりも気温が高く推移したことで春夏商品の販売が好調。入園・入学向けオケージョン商品の需要が続いたことに加え、春らしいカラーのカーディガンなどのトレンド品も売り上げを伸ばした。また、3月29日から実施している20%ポイント還元セールも売り上げに寄与した。なお、全店売上高は同12.6%増だった。

■ユナイテッドアローズ <7606>  1,856円  -89 円 (-4.6%)  本日終値

ユナイテッドアローズ<7606>は反落。4日の取引終了後に発表した3月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高は前年同月比18.3%増と4カ月連続で前年実績を上回ったものの、株価は2月下旬から上昇基調にあったことから利益確定売りが優勢となった。気候条件が良かったことから、スーツ、ジャケット、パンツ、シャツ、ブラウスなどのビジネスアイテムに加えて、カットソー、スニーカーなどのカジュアル衣料の需要も強かった。特にネット通販では、サイトリニューアル後1年を迎えた自社ECサイトの伸びが牽引した。なお、全社売上高は同14.6%増だった。

■コマツ <6301>  3,208円  -137 円 (-4.1%)  本日終値

コマツ<6301>や日立建機<6305>といった建機株が安い。前日のニューヨーク市場で建機大手のキャタピラー<CAT>の株価が大幅安となっており、日本の大手建機株にも警戒感からの売りが膨らんでいる。3日に発表された米3月ISM製造業景況指数は46.3と2年10カ月ぶりの低水準となったほか、4日発表の米2月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数も市場予想を下回った。これを受け、米国には景気後退懸念が浮上し景気敏感株のキャタピラーなどが下落した。この流れが東京市場にも波及している。

■日経レバ <1570>  14,680円  -495 円 (-3.3%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大幅安で1万5000円台を割り込んだ。きょうの東京市場は朝方から売り優勢の展開だったが、日経平均株価は先物主導で漸次下値を切り下げる展開でフシ目の2万8000円台をあっさり割り込む展開となっており、短期筋が追随して売りを出している。米国では景気減速を示す経済指標が相次ぐ一方、原油市況や金市況の上昇が顕著となっており、スタグフレーション懸念が高まっている。「今週末の3月の米雇用統計発表を控え、売り仕掛け的な動きも観測される」(中堅証券ストラテジスト)という。日経レバは日経平均に連動する仕組みで組成されたETFで、価格変動率が日経平均の2倍に基本設定されていることから、全体相場のボラティリティが高まると個人投資家の商いが活発化する傾向があるが、直近では高値警戒感から空売りの動きが目立っていた。

■エービーシー・マート <2670>  7,060円  -230 円 (-3.2%)  本日終値

エービーシー・マート<2670>は3日続落。4日の取引終了後に発表した3月度概況で、既存店売上高は前年同月比23.2%増と13カ月連続で前年実績を上回ったものの、サプライズ感に薄く利益確定売りが優勢となった。3月度は気温が高く、天候にも恵まれた日が続いたことで人出が多く、売り上げは順調に推移した。特に集客が多いショッピングセンターや都心部の商業ビルの店舗が好調だった。商品別では学需用品のローファーや春の新作スニーカー、アパレルが人気だった。なお、全店売上高は同25.0%増だった。

■日産化学 <4021>  5,850円  -190 円 (-3.2%)  本日終値

日産化学<4021>が続落。SMBC日興証券は4日、同社株の目標株価を8900円から8200円に引き下げた。投資評価の「1」は継続した。23年3月期の連結営業利益の予想は575億円から540億円に、24年3月期の同利益は620億円から580億円にそれぞれ下方修正した。外部環境の悪化を受け、半導体材料、ディスプレイ材料の出荷数量の想定を引き下げたほか、為替の前提を変更したことが主な要因。ただ、今3月期は国内農薬の値上げ効果の寄与や農薬及び動物薬原体の出荷増などで12期連続での営業増益は可能と予想している。足もとのバリュエーションは過度に低位にあるとみており、半導体材料のなかでの出遅れ銘柄として魅力的とも指摘している。

■マクセル <6810>  1,506円  -44 円 (-2.8%)  本日終値

マクセル<6810>が続落。SMBC日興証券は4日、同社の投資評価を「1」から「2」に引き下げた。目標株価は1700円から1500円に減額している。24年3月期の増益期待や全固体電池の量産開始を巡る期待を株価は一定程度織り込んだと指摘。再上場以降、複数のM&Aの実行もあり、コアとなる成長ドライバーが見えにくいことが課題だとの見方も示す。同証券はマクセルの24年3月期における営業利益の予想を103億円から75億円に修正した。

■三菱UFJ <8306>  841円  -22.6 円 (-2.6%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが軟調な値動き。米銀の相次ぐ破綻を契機とした金融システム不安が和らぎ、前日まで全体指数が戻り足を強めるなかにあって、メガバンクの戻り足の鈍さが目立つが、きょうは再び下値を試す展開となっている。メガバンクはいずれも3月中旬以降の信用買い残が個人投資家の逆張りの動きを反映して急増したが、直近週は減少に転じている。そうしたなか、前日の米国株市場では、米景気の急減速を背景にゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン<JPM>など大手銀行株が軒並み軟調な値動きを示していたことで、東京市場でもこの地合いを引き継ぐ格好となっている。

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