話題株ピックアップ【夕刊】(2):日立建機、デンソー、良品計画

注目
2023年4月27日 15時18分

■日立建機 <6305>  3,245円  +115 円 (+3.7%)  本日終値

日立建機<6305>が高い。26日の取引終了後に24年3月期業績予想を発表し、売上高を前期比1.6%増の1兆3000億円、純利益を同16.9%増の820億円とした。売上高、純利益とも過去最高を更新する見通しとなり、これを好感した買いが集まっている。一部地域や製品で需要減を想定するものの、市場環境は全体として概ね前期と同等の高水準を維持すると見込む。原価低減や価格転嫁を継続し、更なる収益改善を図る方針。配当予想は未定とした。同時に発表した23年3月期決算は、売上高が前の期比24.8%増の1兆2794億円、純利益は同7.5%減の701億7500万円だった。中国やロシアを除く地域での需要を追い風に売り上げは好調だったが、企業年金制度の改定に伴う一時的な損失計上などが利益面で響いた。年間配当は前の期比据え置きの110円だった。

■デンソー <6902>  7,783円  +259 円 (+3.4%)  本日終値

デンソー<6902>が後場に入り一段高となった。この日、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。最終利益の見通しは前期比21.7%増の3830億円を計画。6期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったほか、増配予想も示した。前日にトヨタ自動車<7203>の中堅サプライヤーによる決算発表が相次いでおり、デンソー株も業績への期待感からこの日の決算発表前に買いが入っていた。発表後は目先の利益を確定する目的の売りが出たものの、後場に入り持ち直した。今期の売上収益は前期比1.6%減の6兆3000億円を見込む。前期の年間配当予想を5円増額したうえで、今期の年間配当は前期比5円増配の190円を計画する。想定為替レートは1ドル=125円、1ユーロ=135円に設定した。外部環境の不透明感を踏まえ、10%程度の車両減産リスクを業績予想に織り込んだ。一方で、固定費の抑制や合理化に向けた取り組みなどが利益を押し上げる要因となる。

■良品計画 <7453>  1,407円  +29 円 (+2.1%)  本日終値

良品計画<7453>が5日ぶりに反発した。26日の取引終了後、株主優待制度の導入を発表しており、材料視されたようだ。同社は毎年2月末または8月末時点の株主名簿に記載または記録された100株以上保有の株主を対象に、買い物時に5%割引が適用される優待カードを進呈する。2024年1月に新たな少額投資非課税制度(NISA)が始まることを踏まえ、株主との中長期的な関係を強化していくとしている。

■アイシン <7259>  3,755円  +75 円 (+2.0%)  本日終値

アイシン<7259>が後場に上げ幅を拡大し、年初来高値を更新した。この日、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示し、最終利益が前期比3.3倍の1250億円となる見通しを示した。大幅増益の計画をポジティブ視した買いが集まったようだ。売上収益は同4.5%増の4兆6000億円を見込む。想定為替レートは1ドル=130円に設定した。パワートレイン関連や走行安全関連、車体関連で増収を見込む。23年3月期の連結決算は、売上収益が前の期比12.4%増の4兆4028億2300万円、最終利益は同73.5%減の376億7000万円だった。半導体不足や中国のロックダウンによる車両減産の影響が出たほか、事業ポートフォリオの再構築に伴う構造改革費用を計上した。

■イチネンHD <9619>  1,355円  +24 円 (+1.8%)  本日終値

イチネンホールディングス<9619>は反発した。26日の取引終了後、23年3月期の連結業績に関し、売上高が計画の1220億円から1278億2200万円(前の期比5.9%増)、最終利益が48億8000万円から59億2300万円(同4.9%増)に上振れて着地したようだと発表した。最終利益は減益予想から一転して増益で着地した見込みとあって、発表を好感した買いが入ったようだ。主力の自動車リース関連事業で、リース契約台数が順調に増加した。リース満了車の売却利益が大幅に増加したほか、燃料販売においても仕入れ価格が安定し、利益が拡大したという。

■豊田自動織機 <6201>  7,710円  +130 円 (+1.7%)  本日終値

豊田自動織機<6201>が反発。この日、23年3月期の連結決算の発表とともに24年3月期の業績予想を開示した。売上高は前期比3.6%増の3兆5000億円、最終利益は同1.1%増の1950億円を見込む。年間配当予想は同10円増配の200円とした。フォークリフト用エンジンの排出ガス性能試験の不正問題など業績を巡る懸念材料があったなかで、最終増益の見通しが示されたことが買い戻しを誘う要因となったようだ。今期の想定為替レートは1ドル=130円、1ユーロ=135円。自動車と産業用部門で増収を計画する。23年3月期の売上高は前の期比24.9%増の3兆3798億9100万円、最終利益は同7.0%増の1928億6100万円だった。自動車部門ではエンジンやカーエアコン用コンプレッサーなどが好調だった。

■ファナック <6954>  4,566円  +73 円 (+1.6%)  本日終値

ファナック<6954>が5日ぶりに反発した。26日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。売上高は前期比3.8%減の8195億円、最終利益は同19.6%減の1371億円を見込む。また、23年1~3月期の受注高は2070億円と前年同期比で約8%減だったが、前四半期(22年10~12月)比では約3%増となった。今後の受注回復への期待に加え、株価は直近で下げが続いていたこともあって、買い戻しが入ったようだ。今期の業績予想には、在庫調整による生産の影響などを織り込んだ。想定為替レートは平均で1ドル=125円、1ユーロ=135円とした。23年3月期の売上高は前の期比16.2%増の8519億5600万円、最終利益が同9.9%増の1705億8700万円だった。FA(ファクトリーオートメーション)とロボット部門が増収となった。

■三重交HD <3232>  579円  +1 円 (+0.2%)  本日終値

三重交通グループホールディングス<3232>は全般軟調相場に抗して買い優勢、5日移動平均線を足場に上値指向を強めている。同社は三重県に路線網を有するバス大手で、ホテル事業などにも展開。経済再開に伴う人流回復や訪日外国人観光客の急増を背景としたインバウンド需要を追い風に収益環境に吹く追い風が強まっている。26日取引終了後、23年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の48億円から63億7000万円(前の期比2.1倍)に増額した。会社側の想定を大きく上回り、前の期実績から一気に倍増となり、これは過去最高を記録した19年3月期以来の水準となる。業績大幅上方修正を好感する形で買いを呼び込んでいる。

■アドバンテスト <6857>  10,550円  -1,070 円 (-9.2%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

アドバンテスト<6857>は売り優勢。26日の取引終了後に24年3月期業績予想を発表。売上高を前期比14.3%減の4800億円、営業利益を同37.4%減の1050億円とし、好調だった前期から一転減収減益となる見通しを示したことが嫌気された。景気後退懸念が深まるなかで半導体メーカーの在庫調整や生産調整が当面継続すると予想。米国や同盟国による半導体製造装置の対中輸出規制強化については、現時点で業績への直接的な影響は限定的という。配当予想は未定とした。同時に発表した23年3月期決算は、売上高が前の期比34.4%増の5601億9100万円、営業利益が同46.2%増の1676億8700万円。年間配当は前の期比15円増の135円だった。

■トーメンデバイス <2737>  5,780円  -580 円 (-9.1%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

トーメンデバイス<2737>が急落。同社はきょう午後1時ごろ、24年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比42.8%減の70億円としていることや、年間配当計画を前期比60円減配の240円としていることが嫌気されたようだ。売上高は同11.4%減の3700億円となる見通し。価格下落の影響やスマートフォンなどのコンシューマ市場の低迷が続き、車載向け半導体製品を除き、すべての品目が苦戦するとみている。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.