話題株ピックアップ【夕刊】(3):岡三、野村、ユアテック

注目
2023年4月27日 15時22分

■岡三証券グループ <8609>  423円  -41 円 (-8.8%)  本日終値  東証プライム 下落率4位

岡三証券グループ<8609>が後場に急落した。この日発表した23年3月期の連結決算は、最終利益が前の期比94.7%減の5億2900万円だった。23年1~3月期では最終赤字となっており、嫌気されたようだ。23年3月期の営業収益は前の期比10.0%減の665億5100万円だった。不安定な市況を背景に、個人投資家による国内外の株式売買が減少し、委託手数料やトレーディング損益が減少した。23年1~3月期は、委託手数料と株券と国内債券などのトレーディング損益は回復したものの、法人税等調整額が増加した。

■野村ホールディングス <8604>  485.4円  -37.9 円 (-7.2%)  本日終値  東証プライム 下落率8位

野村ホールディングス<8604>が急落した。26日取引終了後に発表した23年3月期の連結決算は、収益合計が前の期比56.0%増の2兆4867億2600万円、最終利益は同35.1%減の927億8600万円となった。大幅減益となったことに加え、同日夕に同社のフランクフルトオフィスがドイツの検察当局による捜索を受けているとも伝わり、これらが売りを促す要因となったようだ。前期は不透明な市場環境を受け営業部門では上半期を中心にフロー収入が低調となったほか、インベストメント部門では投資損益が減少した。加えて、ホールセール部門では円安を背景とした費用増加と、ファイナンス収益が上半期に低調となったことが業績を圧迫した。ドイツの検察当局による捜索は、1回しか支払われていない配当に対し複数回の税還付を受けられるようにする手口である「CUM─EX」と呼ばれる金融不祥事についての捜査の一環と報じられている。野村は決算発表とともに、取得総数3500万株(発行済み株式総数の1.1%)、取得総額200億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。取得期間は5月16日~2024年3月29日。23年6月1日には7000万株(同2%)の消却を実施する予定。更に、24年3月期以降の配当方針について、半期ごとの連結業績を基準として連結配当性向を40%以上とすることを重要な指標とすると公表した。自社株買いによる株主還元分を含めた総還元性向は50%以上を目標とする。

■ユアテック <1934>  794円  -58 円 (-6.8%)  本日終値  東証プライム 下落率10位

26日に決算を発表。「今期経常は9%減益へ」が嫌気された。

ユアテック <1934> [東証P] が4月26日大引け後(15:30)に決算を発表。23年3月期の連結経常利益は前の期比4.6%増の105億円に伸びたが、24年3月期は前期比8.6%減の96億円に減る見通しとなった。

⇒⇒ユアテックの詳しい業績推移表を見る

■FDK <6955>  898円  -63 円 (-6.6%)  本日終値

26日に決算を発表。「今期経常は53%減益へ」が嫌気された。

FDK <6955> [東証S] が4月26日大引け後(15:00)に決算を発表。23年3月期の連結経常利益は前の期比56.8%減の8億5100万円になり、24年3月期も前期比53.0%減の4億円に大きく落ち込む見通しとなった。

⇒⇒FDKの詳しい業績推移表を見る

■フューチャー <4722>  1,699円  -116 円 (-6.4%)  本日終値

フューチャー<4722>はマドを開けて売られた。26日の取引終了後に1~3月期(第1四半期)決算を発表し、営業利益は前年同期比5.0%減の31億7200万円だった。通期で増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点での減益が嫌気され売られている。売上高は同10.8%増の139億6500万円で着地。多種多様な顧客から案件を獲得したことに加え、大型プロジェクトも進み売り上げは堅調だった。一方、一部の大型プロジェクトでコストが計画より多く生じたため利益は減少した。なお、通期の増収増益見通しは据え置いている。

■レーザーテック <6920>  19,000円  -495 円 (-2.5%)  本日終値

レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>はいずれも前日終値をやや下回る水準で売り買いを交錯させた。半導体関連はここ日米ともに売り圧力が強く、冴えない株価が続いている。そうしたなか、前日の米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が小幅ながら6日ぶりに反発し下げ止まる動きをみせた。ただ、きょうは前日引け後に決算を発表したアドバンテスト<6857>が24年3月期の業績見通しを嫌気されて急落しており、その影響が他の半導体主力株にも波及している。レーザーテクはあす28日に23年6月期の第3四半期決算を控えており、この結果を見極めたいとの思惑も働くところ。レーザーテクは直近で外資系証券経由の貸株調達による空売り残高が大幅に増加している。一方、個人投資家は最近の下げ局面で信用取引を活用して買い向かう動きが観測されており、それが逆に上値を重くし下げを助長しているとの見方も出ている。

■日野自動車 <7205>  537円  -14 円 (-2.5%)  本日終値

日野自動車<7205>が軟調。26日の取引終了後、ドイツのトラック・バスメーカーのTRATON(旧フォルクスワーゲントラック&バス)と2018年に締結した「戦略的協力関係構築の枠組みに関する合意書」について、両社がそれぞれ抱える経営課題への対応を優先するため、同合意書を解消することで合意したと発表した。アライアンス解消による事業への影響を懸念した売りが出たようだ。日野自は同時に23年3月期の連結決算と24年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比12.8%増の1兆7000億円、最終損益は100億円の黒字(前期は1176億6400万円の赤字)を見込む。国内トラック・バスの販売台数は4万3000台、海外トラック・バスの販売台数は11万6000台、トヨタ自動車<7203>向け車両台数は12万9100台を計画する。23年3月期は部品供給不足に加え、排ガスなどの検査不正問題を背景に、最終損益は大幅な赤字となった。

■アマノ <6436>  2,694円  -28 円 (-1.0%)  本日終値

アマノ<6436>は朝高後下げに転じた。26日の取引終了後、23年3月期の連結決算とともに、取得総数80万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.09%)、取得総額24億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。あわせて24年3月期の業績と配当予想も開示。今期の売上高は前期比5.4%増の1400億円、最終利益は同10.7%増の125億円、年間配当は同5円増配の115円とする計画を示した。売上高と最終利益はともに過去最高を更新する見込みとなったが、株価は直近で急ピッチに上昇していたとあって、買い一巡後は目先の利益を確定する目的の売りが出たようだ。同社は第9次中期経営計画も公表し、26年3月期の売上高を1600億円、営業利益を210億円(24年3月期見通しは177億円)などとする目標を掲げた。情報システムのソフト・クラウド事業とデータセンターを核としたパーキングのシステム提案・運営受託事業、クリーンシステム関連事業を成長ドライバーとして業績拡大を目指す。

■jig.jp <5244>  340円  +80 円 (+30.8%) ストップ高   本日終値

jig.jp<5244>は切り返し急。80円高はストップ高となる340円をつけた。26日の取引終了後に23年3月期業績予想の上方修正を発表。売上高を101億9800万円から105億300万円(前の期比16.9%増)へ、純利益を8億4400万円から9億7800万円(前の期2億1500万円の赤字)へ引き上げており、これを好感した買いが入った。主力のライブ配信事業「ふわっち」が想定よりも順調に推移したことが業績を押し上げる。また、繰延税金資産の計上も寄与する見通し。

■ポプラ <7601>  213円  +50 円 (+30.7%) ストップ高   本日終値

ポプラ<7601>がストップ高の水準となる前日比50円高の213円に買われた。26日取引終了後、ひろぎんホールディングス<7337>系列の投資ファンドなどからの資金調達を発表した。債務超過の解消につなげる構えで、発表を好感した買いが集まったようだ。ひろぎんHD系列のひろぎんキャピタルパートナーズが運営するファンドと、MIT Corporate Advisory Services(東京都港区)が運営する投資ファンドに、議決権のない優先株を発行して割り当てる。ポプラの調達額は7億円。同社は23年2月末時点で6億9400万円の債務超過となっていた。

■サイバートラスト <4498>  2,158円  +400 円 (+22.8%) ストップ高   本日終値 サイバートラスト<4498>がストップ高。同社は26日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比32.9%増の14億円としていることが好感されたようだ。売上高は同21.6%増の75億円を見込む。デジタルトランスフォーメーション(DX)市場の拡大によるニーズを捉え、認証・セキュリティーサービスでは特に電子認証サービス「iTrust」の成長加速に注力。本人確認のサービスでは銀行・証券・クレジットカードやスマート決済など金融サービス利用開始時の本人確認のデジタル完結に取り組むパートナーとの協業、電子署名のサービスでは電子契約システムなどに取り組むパートナーとの協業を進めるとしている。

■ニューラルポケット <4056>  1,115円  +150 円 (+15.5%) ストップ高   本日終値

ニューラルポケット<4056>はストップ高。独自人工知能(AI)技術を活用した画像解析に強みを持ち、AI利用の電子広告が収益の主柱を担う。26日取引終了後、ソニーグループ<6758>傘下のソニーとサイネージ関連事業やAIを利用した人体の態度検知関連事業で業務提携することを発表した。更に、ソニーを割当先とする69万株の第三者割当増資(発行価格は971円)を実施する。これがビッグサプライズとなり買いが一気に流れ込む格好となった。

●ストップ高銘柄

ファンデリー <3137>  502円  +80 円 (+19.0%) ストップ高   本日終値

Welby <4438>  639円  +100 円 (+18.6%) ストップ高   本日終値

など、6銘柄

●ストップ安銘柄

ispace <9348>  1,190円  -400 円 (-25.2%) ストップ安   本日終値

ティムス <4891>  314円  -80 円 (-20.3%) ストップ安   本日終値

アジア開発キャピタル <9318>  1円  0 円 (0.0%) ストップ安   本日終値

など、3銘柄

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