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明日の株式相場に向けて=AI革命と二極化相場の危険な馨り

市況
2026年5月27日 17時30分

きょう(27日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比3円高の6万4999円と小反発。きょうは寄り天でこそなかったものの、壮大なる尻すぼみ相場であった。日経平均は寄り後早々に1400円超上昇し、6万6400円台まで駆け上がった。今週明けにつけた史上最高値が6万5158円であるから、終値でも最高値更新はさすがに濃厚とみられたが、そこから下値を掘り続けて安値引け、マイナス圏に踏み込む寸前で取引を終了した。前日の米国株市場で半導体関連が大きく買われ追い風が意識されたが、ソフトバンクグループ<9984>が怒涛の利確を浴びて急落、日経平均を450円あまり押し下げた。もっともアドバンテスト<6857>の奮闘で、何とか帳尻を合わせた格好である。

あすからは、いよいよ実質6月相場に突入する。4月、5月と日経平均は破竹の勢いで上値を追い、フシ目の6万円大台は通過点と言わんばかりの上昇パフォーマンスを演じた。3月末の日経平均は5万1000円近辺に位置していたことを考えると、そこからきょうの高値までたった2カ月で1万6000円程度も水準を切り上げたことになる。強気筋であっても、ここまで買われるとは誰しも想定していなかったはずである。折に触れて“不合理が加速する”のが相場の特性とはいえるのだが、ここまでくると何が「合理」のベースとなっているのかも曖昧となってくる。

途中バランスを崩す場面がなかったわけではない。例えば直近では今月中旬、14~20日まで土日を挟んで5営業日続落し計3500円弱の急落をみせた。世界的な長期金利上昇に対する警戒感が改めて喧伝されたことが背景にある。金利上昇局面では、ハイテクセクターなどのグロース銘柄が逆風に晒されるというのは、株式市場において世界共通のセオリーといえるが、これも例によって例の如し、AI・半導体関連株の次の跳躍に向けた屈伸運動に過ぎなかった。売り方が暗躍した形跡はあったものの、結局は踏み上げ相場の肥やしとなってしまった。弱気とみせかけてのドテン強気傾斜で、AIトレードに翻弄されているといえばその通りだが、背景は見えても生半可な人間の相場観では太刀打ちできない。正直、肌感としてはバブルの只中というイメージは払拭できないが、今更それを言うのは憚(はばか)られるような地合いである。懐疑の中で相場は育ち続ける。今のAI相場が終焉を迎えるとすれば、それは皆が皆、株高に対するネガティブワードを噤(つぐ)んだ時といえるかもしれない。

ただし、日経平均あるいはTOPIXの強さは相場全体の強さではない。踏み込んだ言い方をすれば歪んだ経済の中で株高が進んでいる。AI・半導体関連に属する銘柄群は収益面での裏打ちもあって、株価水準を切り上げていくことは概念的に否定されない。しかし、負け組が増勢一途にあるという二極化の影の部分、全体指数に反映されない部分にも目を向ける必要がある。リターンリバーサルが中期的なタームで起こり得るかどうか、これが今後に横たわる大きな課題といってもよい。

具体的にどういうことかといえば、例えば急激な上昇相場形成と同じ時価軸での新高値銘柄と新安値銘柄の割合。プライム市場に上場する1560銘柄で、4月下旬以降の新高値と新安値の数を日々追っていくと、圧倒的に新安値の方が多い。日経平均はもとより、プライム市場の全銘柄を対象として算出されるTOPIXも週明け25日に史上最高値を更新した。しかし、そのプロセスで新安値をつけた銘柄の数が新高値をはるかに上回るというのは意外な事実である。直近までおよそ1カ月半で、新高値銘柄が100を超えたのは5、6回にとどまるが、新安値銘柄はざっくり数えても16回程度あり、しかも200を上回った日も6回を数える。また、今月に入ってから前日までの日々の新高値・新安値銘柄を合計した1カ月弱の延べ数でみると、新高値が1495、対して新安値は1990と約500銘柄、率にして33%も多くなっている。これは二極化と称するのは簡単だが、相場全体のトレンドとしては下降トレンドにほかならない。

きょうも業種別にみると、ソフトバンクGのマイナス寄与度にスポットが当たるなか、その陰で金融、不動産、建設、倉庫と言った内需のバリュー株の下げが目立っていた。AI・半導体関連株を離れて、こうしたセクターにリターンリバーサルの観点から投資マネーが食指を動かすのかどうか。皮肉な言い方になるが、歪んだ経済空間を日経平均が最高値で突き進む構図はどこまで続くか、ということにも目を向けておきたい。

あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示される。また、29日までの日程で「ワイヤレスジャパン × WTP 2026」が東京ビッグサイトで開催される。海外では韓国金融通貨委員会が行われ政策金利を決定するほか、南アフリカ中銀も政策金利を発表する。また、米国では重要指標の開示が相次ぎ、この日は4月の米個人所得・個人消費支出(PCEデフレーター)に耳目が集まるほか、4月の米耐久財受注、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米新築住宅販売件数、1~3月の米国内総生産(GDP)改定値などが発表される。米7年物国債の入札も行われる。これ以外に、ウィリアムズNY連銀総裁が講演を行う予定で、その発言内容に市場の関心が向かう。なお、あすはインド、インドネシア市場が休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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