話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソフトバンク、オリックス、キヤノン
■ソフトバンク <9434> 1,510.5円 +17.5 円 (+1.2%) 本日終値
ソフトバンク<9434>は後場に強含みの展開。この日、米エヌビディア<NVDA>と同社が生成AIと5G/6G(第5世代/第6世代移動通信システム)に向けた次世代プラットフォームの構築に向けて協業すると発表。これが株価の支援材料となったようだ。ソフトバンクはエヌビディアと協力し、コスト削減が可能で、エネルギー効率の高い共通サーバープラットフォームで、生成AIとワイヤレス通信向けのアプリケーションを提供するデータセンターを構築する。
■オリックス <8591> 2,390円 +25 円 (+1.1%) 本日終値
オリックス<8591>が4日ぶりに反発。岩井コスモ証券は26日、同社株の投資判断「A」と目標株価2800円を継続した。23年3月期の連結純利益は前の期比12.5%減の2730億7500万円だったが、前の期に計上した会計ソフト大手「弥生」売却益の影響を除けば増益を確保した。経済活動の正常化進展で、関西エアポートや航空機リース、旅館・ホテルの利益が回復し、24年3月期の同利益は前期比20.8%増の3300億円を見込んでいるが、同証券では3400億円への上振れを予想。グローバルに展開する再生可能エネルギー事業は、来期以降に収益貢献が本格化して成長を牽引すると指摘。
■キヤノン <7751> 3,508円 +35 円 (+1.0%) 本日終値
キヤノン<7751>が反発し、18年10月以来約4年7カ月ぶりの高値をつけた。27日付の日本経済新聞朝刊で、「レアメタル(希少金属)を使わない有機ELパネル素材を開発した」と報じられており、好材料視された。記事によると、都市鉱山のリサイクル原料から調達しやすい鉛を使った「量子ドット(QD)」と呼ばれるナノ(ナノは10億分の1)メートルサイズの小さな半導体微粒子という。20年代半ばに量産技術を確立するとしており、将来的な業績への貢献が期待されている。
■アルコニックス <3036> 1,341円 +12 円 (+0.9%) 本日終値
アルコニックス<3036>が反発。前週末26日の取引終了後に発表した中期経営計画で、最終年度の26年3月期に営業利益122億円以上(23年3月期83億9300万円)を目指すとしたことが好材料視された。既存事業の営業収益力の強化や投資案件の再構築、インフラ整備及び内部統制の充実・強化を図るとしている。
■テラスカイ <3915> 2,419円 +18 円 (+0.8%) 本日終値
テラスカイ<3915>が5日ぶりに反発。前週末26日の取引終了後、子会社でAIプラットフォーム「ENOKI」開発を行うエノキが、ChatGPTを活用した「FAQ自動生成機能」の提供を6月1日に開始すると発表したことが好感された。同機能は、テキストデータや社内の各種ドキュメントファイル(PDF、Wordなど)を読み込ませるだけでQ&Aの生成を可能とするもの。これにより、作業時間の大幅な削減に加え、バリエーション豊富かつ正確なQ&Aを生成することができ、チャットボットの回答精度の向上にもつながるとしており、同社の試験運用では、約150件ものQ&Aを所用時間30分で生成したという。
■フィナHD <4419> 625円 +4 円 (+0.6%) 本日終値
Finatextホールディングス<4419>が続伸。午前9時ごろ、子会社Finatextが、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>の三井住友海上プライマリー生命保険の資産形成・運用型の生命保険商品「AHARA(アハラ)」のサービス・システム開発を支援したと発表しており、好材料視された。同サービスは、三井住友海上プライマリー生命が販売を開始したスマートフォンで全ての手続きが完結できる資産形成・運用型の生命保険商品で、開発にはみんなの銀行(福岡市中央区)が提供するBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)機能とも接続。なお、資産形成・運用型の生命保険商品のオンライン完結化は国内初であるとしている。
■DyDo <2590> 4,900円 -95 円 (-1.9%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>は朝高後、下げに転じた。前週末26日の取引終了後に発表した24年1月期第1四半期(1月21日~4月20日)の連結決算は、売上高が前年同期比34.9%増の471億200万円、営業損益は5億3900万円の赤字(前年同期は9億8600万円の赤字)となった。前年同期から赤字幅は縮小したものの、営業赤字そのものは継続していることもあって、買いは続かず利益確定売りに押された。連結子会社のダイドードリンコと、アサヒグループホールディングス<2502>のアサヒ飲料が自動販売機事業で包括的な業務提携に乗り出し、アサヒ飲料の100%出資子会社3社が連結子会社となったことで、国内飲料事業の売上高が大幅に増加した。価格改定効果もみられたが、海外飲料事業では「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件に従った会計上の調整により、セグメント損失を計上した。あわせてDyDoは、アサヒ飲料との共同株式移転による自販機事業運営会社の設立に関し、10億3900万円ののれんが発生したと発表。償却方法については10年の均等償却とする。
■フジクラ <5803> 1,090円 -15 円 (-1.4%) 本日終値
フジクラ<5803>が軟調。前週末26日の取引終了後、米国の連結子会社において不適切な不動産取得が判明したと発表した。今後の事業展開へのネガティブな影響を懸念した売りが出たようだ。今年3月3日の内部通報を機に、米国子会社のCEO(最高経営責任者)による不動産の私的流用の疑いを把握し、内部調査を開始した。調査は現在も継続中だが、これまでのところ同子会社が2020年に取得した土地および22年に建設した建物は、不適切に取得されたものだということが分かったという。取得当時の土地・建物の合計額は約650万ドル。現時点での連結財務諸表への影響は限定的としながらも、影響額と会計処理方法が確定次第、速やかに開示するとしている。
■デンカ <4061> 2,618円 -17 円 (-0.7%) 本日終値
デンカ<4061>は後場軟化。午後2時ごろ、同社と持ち分法適用関連会社の東洋スチレンが製造販売する樹脂製品の一部で不適切行為が判明したと発表しており、先行き不透明感が高まっているようだ。デンカについては米国の第三者安全科学機関であるUL(アンダーライターズ・ラボラトリーズ)認証、東洋スチレンではUL認証と電気用品安全法に関連して設けられている部品・材料登録制度(CMJ登録制度)に関し、それぞれ一部で認証未取得や基準不適合などがあったという。これに伴い、外部調査委員会の設置を決定したとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 1,928.5円 -8.5 円 (-0.4%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が冴えない。議決権行使助言会社の米グラスルイスが26日までに、トヨタの豊田章男会長の取締役選任議案に反対するように株主に推奨したと伝わった。グラスルイスが独立しているとみなす取締役の数が少ないことが理由という。更に、米助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、トヨタが反対を表明する気候変動に関する株主提案への賛成を推奨した。株主総会の結果次第で、コーポレート・ガバナンスや気候変動対策に絡めて資産を運用する投資主体の売り需要が想定されると受け止める向きもあり、上値の圧迫要因となったようだ。報道によるとグラスルイスは監査役候補の3人の選任にも反対するよう株主に助言した。また、欧州の年金運用3社が気候変動に関する渉外活動報告書を作るように定款の規定追加を求める株主提案に関し、ISSは活動を評価するための情報開示が不十分だと指摘したという。
株探ニュース