話題株ピックアップ【夕刊】(1):ACCESS、ソシオネクス、日電子
■ACCESS <4813> 1,022円 +150 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
ACCESS<4813>はストップ高。29日の取引終了後に2~4月期(第1四半期)決算を発表し、営業損益が前年同期の赤字(6億9500万円の赤字)から3億5600万円の黒字に転換して着地。通期計画(5億円)に対する進捗率が7割超に達しており、これを好感した買いが集まっている。売上高は前年同期比42.8%増の39億1600万円だった。ホワイトボックス向け統合NetworkOS「OcNOS」で大型リピート案件の受注があり、これが全体業績を大きく押し上げた。なお、通期見通しは据え置いている。
■ソシオネクスト <6526> 17,080円 +1,530 円 (+9.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
ソシオネクスト<6526>が朝安後に切り返して急伸。連日で上場来高値を更新した。経済産業省が30日、半導体・デジタル産業戦略の改定案を示し、AI向けの半導体の開発などの支援に乗り出すと報じられた。低電力なAIエンジンなどを活用した高性能なカスタムSoC(システム・オン・チップ)の開発を手掛けるソシオネクスに対しては、事業へのポジティブな効果を期待した買いが集まったようだ。報道によると、今回の改正案では生成AIを新たな柱として盛り込み、国内での開発加速に向けて環境の整備を進める方針を示した。都市部に集中するデータセンターを地方に分散させるための方策も掲げた。
■日本電子 <6951> 4,855円 +385 円 (+8.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
日本電子<6951>が大幅続伸。東海東京調査センターが29日、日電子のレーティングを「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に引き上げた。日電子のマルチビームマスク(MBM)描画装置は、米インテル<INTC>の子会社経由で半導体企業に供給しているとしたうえで、競合に対し優位性を持ち、高シェアにあると指摘。3ナノメートル対応で、スループットが約2倍に向上した新機種の納入が24年3月期に始まり、産業機器事業の営業利益率の改善に寄与すると見込む。同調査センターは日電子の営業利益が25年3月期に250億円、26年3月期に290億円になると予想。目標株価は6000円に設定した。
■アドバンスト・メディア <3773> 1,657円 +88 円 (+5.6%) 本日終値
アドバンスト・メディア<3773>が大幅高。この日、政府が訪日外国人の拡大に向けた行動計画を取りまとめたことが伝わった。各報道によると、観光だけでなくビジネス、教育など、さまざまな目的を持った訪日客を呼び込む方針で、国際会議の開催数を2030年までに世界5位以内にするとの目標を掲げたという。これを受け、国際会議の増加で翻訳需要が高まるとの思惑から、関連銘柄を物色する動きが出ている。翻訳機能が付いた文字起こしサービスを提供するAMIのほか、翻訳機「ポケトーク」を手掛けるソースネクスト<4344>、翻訳会社の翻訳センター<2483>などが上昇している。
■熊谷組 <1861> 3,060円 +151 円 (+5.2%) 本日終値
熊谷組<1861>は続急伸で一気に年初来高値を更新。29日の取引終了後、香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントによる同社株の保有割合が、新たに5%を超えたことが明らかとなり、これを思惑視した買いが入ったようだ。財務省に提出された大量保有報告書によると、オアシスの保有比率は7.07%となった。報告義務発生日は5月24日。保有目的は「ポートフォリオ投資及び重要提案行為」としている。
■チェンジHD <3962> 2,084円 +76 円 (+3.8%) 本日終値
チェンジホールディングス<3962>が大幅続伸。29日の取引終了後、鹿児島銀行(鹿児島県鹿児島市)と、DX人材育成の推進を目的に協業を開始すると発表したことが好感された。チェンジHD子会社ディジタルグロースアカデミアが展開するDX人材育成に必要となる豊富なコンテンツを提供するデジタル人材育成プラットフォーム「みんなデ」を鹿児島銀行に提供するとしている。
■エレコム <6750> 1,467円 +52 円 (+3.7%) 本日終値
エレコム<6750>が高い。29日の取引終了後、理美容家電製品や調理家電製品の企画・開発を手掛けるテスコム電機グループを傘下に持つティーエスシー(東京都品川区)の全株式を7月26日をメドに取得し、子会社化すると発表したことが好感された。今回の買収は、グループの家電事業の成長を加速させるのが狙い。取得価額は99億2000万円。これに伴いエレコムは24年3月期連結業績予想について、売上高のみ1115億円から1165億円(前期比12.3%増)へ上方修正した。
■古河機械金属 <5715> 1,435円 +47 円 (+3.4%) 本日終値
古河機械金属<5715>が大幅続伸し年初来高値を更新した。29日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、純利益を60億円から153億円(前期比2.5倍)へ上方修正したことが好感された。大阪市北区の古河大阪ビルの跡地その他の土地について、その一部を共有持ち分として譲渡するのに伴い、固定資産売却益約130億円を特別利益として計上することが要因。売上高1845億円(同13.9%減)、営業利益92億円(同1.9%増)は従来見通しを据え置いている。
■鳥居薬品 <4551> 3,455円 +110 円 (+3.3%) 本日終値
鳥居薬品<4551>が反発。政府が花粉症に関する関係閣僚会議を開き、30年後の花粉発生量の半減などを目指した対策を取りまとめたことが、この日複数のメディアで報じられている。スギ人工林の伐採をはじめ、AI(人工知能)を活用した花粉飛散情報の提供や舌下免疫療法の治療薬増産などが盛り込まれたという。鳥居薬はスギ花粉症治療薬「シダキュア」を手掛けていることから、報道を受けて今後の業績拡大を期待した思惑的な買いが向かったようだ。
■アドバンテスト <6857> 18,090円 +420 円 (+2.4%) 本日終値
アドバンテスト<6857>は4連騰で連日人気。足もとで半導体関連株が軒並み人気に沸いているが、特にアドテストに対しては代表的な生成AIである「チャットGPT」関連銘柄の筆頭と評価する声が出ている。生成AI絡みの需要を背景に業績が急拡大し注目の的となった米半導体大手エヌビディア<NVDA>が、新たに量産を始めた新型GPU「H100」は、前世代の「A100」に比べトランジスタ数やコア数が飛躍的に増加している。アドテストが手掛けるSoCテスターの必要台数はトランジスタ数に比例するため、今後テスター需要は急拡大することが予想されている。アナリストからは、「株価は短期的には過熱感があるが、相場は始まったばかり」との見方が出ており、当面の目標株価を2万2000円前後に設定する動きが出ている。
株探ニュース