話題株ピックアップ【夕刊】(2):ダイキン、共立メンテ、レーザーテク
■エレコム <6750> 1,504円 +42 円 (+2.9%) 本日終値
エレコム<6750>が高い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は5月31日、同社株のレーティングを「ホールド」から「バイ」に引き上げ、目標株価を1400円から2000円に見直した。2期連続で期初計画を下方修正するなど不安定な経営状態に陥っていたが、創業者の葉田会長が経営の最前線に復帰したことで業況悪化に歯止めがかかる、とみている。また、直近で2件のM&Aを実施するなど大型買収実現とその後の統合作業を通じて、今後は利益拡大局面を迎えると予想している。
■ダイキン工業 <6367> 27,320円 +760 円 (+2.9%) 本日終値
ダイキン工業<6367>は8営業日ぶりに反発。同社は5月31日、3カ年の戦略経営計画「FUSION25」を策定したと発表。最終年度となる26年3月期の連結営業利益目標を5000億円(23年3月期実績は3770億3200万円)としていることが買い手掛かりとなったようだ。26年3月期の連結売上高目標は4兆5500億円(同3兆9815億7800万円)に設定した。重点戦略テーマとして「カーボンニュートラルへの挑戦」や「顧客とつながるソリューションの強化」、「空気価値の創造」「北米での空調事業拡大」など当初から掲げる9テーマに、「インドの一大拠点化」など新たに2テーマを追加。今後3年間で研究開発投資に3900億円、設備投資に8000億円、デジタル投資に1800億円を投じるとしている。
■共立メンテナンス <9616> 5,040円 +130 円 (+2.7%) 本日終値
共立メンテナンス<9616>が4日ぶりに反発した。31日の取引終了後、4月の売上状況について発表。グループの売上高は前年同月比23%増の173億9600万円となった。堅調な業況と受け止めた投資家の買いが入ったようだ。ホテル事業は同35%増の88億500万円だった。ビジネスや国内レジャーの需要回復に加え、訪日外国人数の増加も追い風となったという。
■レーザーテック <6920> 22,150円 +500 円 (+2.3%) 本日終値
レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置の主力株は売り買いが交錯し高安まちまち、ルネサスエレクトロニクス<6723>、SUMCO<3436>なども前日終値近辺で一進一退の展開となっている。前日の米国株市場では主要株価指数が揃って下落したが、エヌビディア<NVDA>が5.7%安と急落するなど半導体セクターへの売りが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2.7%安と大きく水準を切り下げ4日ぶりに反落となった。東京市場でも、ここ全体相場を牽引してきた半導体関連に買い疲れ感がみられる状況で、ポジション調整の売り圧力が意識されている。
■ツルハホールディングス <3391> 9,860円 +220 円 (+2.3%) 本日終値
ツルハホールディングス<3391>は堅調。31日の取引終了後に発表した5月度営業速報(15日締め)によると、既存店売上高は前年同月比3.6%増となった。3カ月連続で前年同月を上回っており、増収基調の継続を好感した買いを集めたようだ。既存店の客数は同0.7%増、客単価は同2.8%増となった。全店ベースの売上高は同7.0%増。開店数は7店舗に対し、閉店数は2店舗だった。
■日清紡ホールディングス <3105> 1,049円 +22 円 (+2.1%) 本日終値
日清紡ホールディングス<3105>がしっかり。31日の取引終了後、日立国際電気(東京都港区)の株式を取得し、連結子会社化すると発表した。日清紡HDグループで、防災システムなど社会インフラや船舶・自動車分野の通信機器を手掛ける日本無線などとの事業の相乗効果を期待した買いが集まったようだ。投資ファンドから株式を取得する。取得額は370億円程度を予定し、日立国際電気の保有株比率は日清紡HDグループが80%、日立製作所<6501>が20%となる見込み。日立国際電気が持つ高速大容量通信技術や映像技術は、産業向けソリューション分野を中心に市場・技術領域の拡大が期待されるとし、同社をグループに加えることで、日清紡HDは収益基盤の強化につなげる。
■トヨタ自動車 <7203> 1,943円 +34.5 円 (+1.8%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が高い。外国為替市場で一時1ドル=139円ちょうど近辺までドル安・円高が進んでおり、同社株をはじめ自動車株は逆風材料となっているが、それをこなして買いが優勢となった。同社は1日、2025年に米国で稼働させる予定の電気自動車(EV)向け電池工場に21億ドル、日本円にして約2940億円を追加投資しインフラ整備を進めることを発表した。総投資額は59億ドルに達する見通し。これを材料視する海外機関投資家と見られる大口の買いを呼び込んだ。株価指標面ではPBRが1倍を下回った状況にあり、水準訂正に期待した買いも入っている。
■Genky <9267> 4,185円 -35 円 (-0.8%) 本日終値
Genky DrugStores<9267>が冴えない。31日の取引終了後、5月度の月次営業速報を発表した。既存店売上高は前年同月比7.9%増となった。堅調な業況が継続していることが示されて買い向かう姿勢もみられたが、株価は5月中旬以降、上昇基調を続けて年初来高値に迫っていたこともあり、利益確定売りに押される展開となった。既存店の客数は同3.6%増、客単価は同4.2%増となった。全社ベースの売上高は同12.6%増となった。
■アマナ <2402> 337円 +80 円 (+31.1%) ストップ高 本日終値
アマナ<2402>が急伸。31日取引終了後、22年12月期の決算を開示した。また、有価証券報告書の提出が確認されたとして、東京証券取引所はアマナ株式について監理銘柄(確認中)の指定解除を発表した。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。同社は従業員による不適切な取引の疑いが判明したとして、昨年12月に特別調査委員会の設置を発表。調査結果を踏まえた決算手続きの完了に時間を要したことから、前期の決算発表が期末日後50日を超えることとなった。前期の売上高は前の期比19.2%減の141億6500万円、最終損益は25億100万円の赤字(前の期は2200万円の赤字)だった。一部クライアントからの受注の停滞と、一部案件の売り上げの計上が今期に変更になったことが響いたほか、営業外費用や事業供与資産に関する減損損失の計上もあって、計画を下振れて着地した。23年12月期の売上高は前期比7.2%減の131億5000万円、最終損益は10億6000万円の赤字を見込む。
■メディアシーク <4824> 372円 +75 円 (+25.3%) 一時ストップ高 本日終値
メディアシーク<4824>が急騰。31日の取引終了後、ソフトバンク<9434>のグループ会社であるSBペイメントサービスとキャッチボール(東京都品川区)とともに、継続課金(サブスク)のクレジットカード決済に関する新たなサービスを開始したと発表しており、材料視されたようだ。サブスクの利用が拡大するなか、事業者は代金未回収のリスクへの対応や、催促業務の効率化に迫られており、新サービスの提供で課題解決につなげる。新サービス「エスコレ」は、不動産や介護、冠婚葬祭関連やスポーツジムといった幅広い事業者での活用が見込まれるという。継続課金サービスの管理に必要な顧客情報の更新や請求・売上管理を管理サイトで一元化する。クレジットカードの決済ができなくなった場合は、自動で後払い契約に移行させる機能も実装する予定。サブスク代金の回収漏れの防止につなげる。
株探ニュース