話題株ピックアップ【夕刊】(2):チャームケア、大王紙、センコーHD
■チャームケア <6062> 1,354円 +22 円 (+1.7%) 本日終値
チャーム・ケア・コーポレーション<6062>が反発した。21日の取引終了後、23年6月期第4四半期(4~6月)において、特別利益を計上する見込みとなったと発表し、手掛かり視されたようだ。有料老人ホーム「チャームスイート京都桂坂」の土地建物の売却に伴い、固定資産売却益約5億1700万円を特別利益に計上する。経営資源の有効活用と財務体質の向上を図る。
■大王製紙 <3880> 1,103.5円 +16 円 (+1.5%) 本日終値
大王製紙<3880>が3日ぶりに反発した。21日、セルロースナノファイバー(CNF)の新たな用途開発として、東北大学や東京大学、産業技術総合研究所(産総研)と共同で半導体材料の開発を開始すると発表。新たな収益源の確立を期待した買いを集めた。半導体特性を示す植物由来のCNFの研究成果をもとに、実用化を目指す。今回の開発テーマは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に採択され、4者で共同研究を進める計画という。
■センコーHD <9069> 985円 +14 円 (+1.4%) 本日終値
センコーグループホールディングス<9069>が3日ぶり反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は21日、同社株のレーティングの「オーバーウエート」と目標株価1450円を継続した。同証券では、第1四半期(4~6月)は前年同期比3.9%の営業減益を予想。ただ、24年3月期~28年3月期の平均で10%以上の増益率が見込めると指摘。過去10年平均の下限に近い水準にある現状のPBRや予想PERは割安とみている。
■三菱商事 <8058> 7,322円 +102 円 (+1.4%) 本日終値
三菱商事<8058>、三井物産<8031>、丸紅<8002>など総合商社株への買いが止まらない状況となっている。揃って上場来高値圏をまい進しているが、6月に入ってから驚異的な上げ足を示しており、三菱商、三井物、丸紅はいずれもきょうまで11連騰を記録している。著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが、引き続き日本の総合商社への積極投資を行う構えにあることが買いの根拠となっている。ここにきて原油市況が上昇傾向を示しているほか、穀物市況が再び高騰していることで、これも総合商社の株価を刺激する背景となっている。
■シチズン時計 <7762> 881円 +12 円 (+1.4%) 本日終値
シチズン時計<7762>がしっかり。21日の取引終了後、発行済み株式総数の16.33%に相当する4800万株について、6月30日に消却すると発表した。株式市場への放出による潜在的な需給悪化懸念が和らいだと受け止められた。更に、同日に日本政府観光局が発表した5月の訪日外客統計で、訪日外客数の回復基調が確認されたとあって、買い安心感が広がったようだ。
■KDDI <9433> 4,457円 +54 円 (+1.2%) 本日終値
KDDI<9433>が続伸。21日の取引終了後、データセンター事業の拡大に向けてカナダにおいて子会社を設立すると発表した。中期的な収益貢献を期待した買いが株価の支えとなったようだ。26日に子会社を設立する。出資額は11億カナダドル(約1178億円)。これまで同社はTELEHOUSEブランドでデータセンター事業のグローバル展開に努めてきたが、今回の新会社の設立により、カナダにおけるデータセンター事業に参入する。24年3月期の業績に及ぼす影響は軽微としながらも、中長期的には収益の向上に寄与すると見込む。
■岩谷産業 <8088> 7,492円 +86 円 (+1.2%) 本日終値
岩谷産業<8088>が4日ぶりに反発。同社は21日取引終了後、5年間の中期経営計画「PLAN27」を策定したと発表。最終年度となる28年3月期の連結営業利益目標を650億円(23年3月期実績は400億3500万円)としていることが好感されたようだ。PLAN27のテーマは「水素エネルギー社会の実現に向けて」とし、基本方針は「社会課題解決」と「持続的成長」に向けた事業拡大。5年間累計の投資額は4700億円を計画し、CO2フリー水素のサプライチェーン構築や低・脱炭素ビジネスの推進などに注力するとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,240.5円 +22 円 (+1.0%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が5日ぶりに反発。岩井コスモ証券は21日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を2300円から2600円に引き上げた。4月のトヨタ・レクサスのグローバル生産実績は該当月での過去最高を3月に続いて更新した。半導体の調達環境が改善していることも寄与している。為替の円安進行も業績面の追い風となる。また、全固体電池を搭載した電気自動車(EV)を早ければ2027年にも投入する見通しを明らかにするなど、他社に押され気味の電動化戦略でも期待が持てる内容が公表された点を評価。同証券では、24年3月期の連結営業利益は3兆4000億円(会社計画3兆円)、25年3月期の同利益を3兆6000億円と予想している。
■神戸物産 <3038> 3,742円 +36 円 (+1.0%) 本日終値
神戸物産<3038>が反発した。21日の取引終了後、5月度の単体業績を発表。売上高は前年同月比17.7%増の401億7500万円、経常利益は同32.2%増の29億1300万円だった。3カ月ぶりの経常増益となったことを評価した買いが集まったようだ。引き続き利便性の高い冷凍野菜のほか、冷凍の鶏肉商品の販売が好調だった。5月度は新規出店が3店舗、退店が1店舗あった。
■HSホールディングス <8699> 1,061円 +9 円 (+0.9%) 本日終値
HSホールディングス<8699>は朝高後に軟化。午前11時ごろ、この日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で実施することを予定していた自社株取得について、売却株主との認識の相違により不成立になったと発表。需給改善や株主価値向上への期待がしぼんだようだ。同社は200万株(自己株式を除く発行済み株数の6.4%)、または21億400万円を上限にToSTNeT-3で自社株を取得することを21日取引終了後に発表していた。
株探ニュース