話題株ピックアップ【夕刊】(2):特殊陶、ウエルシア、ソシオネクス
■日本特殊陶業 <5334> 2,912.5円 +3 円 (+0.1%) 本日終値
日本特殊陶業<5334>が4日ぶりに反発。10日の取引終了後、デンソー<6902>のスパークプラグ事業及び排ガス用酸素センサーに係る事業の譲受に向けた協議・検討を開始すると発表しており、好材料視された。事業譲受を協議・検討する2事業はいずれもセラミック製品であり、内燃機関製品の生産体制が最適化することによる安定的な供給やスケールメリットを図るのが狙い。譲受価格及びスキームなどは、今後両社で協議・検討するとしている。
■ウエルシア <3141> 2,772円 -330 円 (-10.6%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
ウエルシアホールディングス<3141>が急反落。10日の取引終了後に3~5月期(第1四半期)決算を発表し、純利益は前年同期比18.9%減の51億2600万円だった。通期で増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点での減益がネガティブサプライズとなって売りが先行した。燃料価格高騰による水道光熱費の大幅な増加が響いた。また、補助金収入があった前年同期の反動も影響した。外出需要の増加を背景に既存店売り上げは堅調に推移し、売上高は同11.4%増の2982億6700万円と好調だった。なお、通期の増収増益見通しは据え置いている。
■進和 <7607> 2,178円 -213 円 (-8.9%) 本日終値 東証プライム 下落率4位
進和<7607>は急反落した。10日の取引終了後に発表した23年8月期第3四半期累計(22年9月~23年5月)の連結決算は、売上高が前年同期比5.9%増の584億9900万円、最終利益は同11.0%減の28億4100万円となった。直近3カ月間(3~5月)では53%の最終減益となっており、業績のモメンタム鈍化を嫌気した売りを促した。第3四半期累計では、自動車業界向けの生産設備・材料などが堅調に推移したものの、国内と中国では減益となった。
■ソシオネクスト <6526> 15,280円 -1,190 円 (-7.2%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
ソシオネクスト<6526>は強弱観対立、信用取引の追い証を回避する売りと押し目買いが交錯してもみ合う展開。日本政策投資銀行を含む大株主3社による株式売り出し(全株売却)が発表されたことで、前週6日にストップ安に売り込まれたが、その後も不安定な値動きが続いている。前日の米国株市場では大型ハイテク株は売られたものの、半導体セクターは総じて高い銘柄が多く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2%高と続伸した。これは東京市場でも半導体関連株に追い風となるが、同社株の値動きは全体にも影響を及ぼしやすい。同社株については、きょうから13日までのいずれかの日に売り出し価格が決定することもあって思惑が錯綜している。テクニカル的には前週のマドを開けての急落も75日移動平均線上で下げ止まっており、リバウンドが期待されるタイミングにある。
■ザッパラス <3770> 423円 +80 円 (+23.3%) ストップ高 本日終値
ザッパラス<3770>がストップ高。11日、KADOKAWA<9468>との業務提携の検討に関する基本合意書を締結したと発表し、材料視されたようだ。占いカテゴリーにおける両社の既存事業の強化・拡大に向け、ザッパラスが占い師を紹介し、カドカワは書籍などの出版に協力する。ザッパラスはカドカワで書籍を出版した占い師に関するデジタルコンテンツの企画、制作、運営などを展開する。更に、カドカワ子会社のドワンゴが運営する動画配信サービス「ニコニコチャンネル」において、占いカテゴリーの強化も図る。
■ジャパニアス <9558> 3,325円 +501 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値
ジャパニアス<9558>が3連騰で戻り足鮮明、25日移動平均線とのマイナスカイ離解消に向け上値指向を強めている。AI・IoT分野やクラウドサービスを軸とした先端エンジニアリング事業を展開、IT人材の派遣が収益の主力を担っている。業績はシステムインテグレーション業界や自動車業界の旺盛なIT人材需要を背景に商機を捉えている。同社が10日取引終了後に発表した、23年11月期第2四半期(22年12月~23年5月)決算は、営業利益が前年同期比56%増の3億9000万円と大幅な伸びを達成、これを評価する買いが流入した。
■ラバブルMG <9254> 1,948円 +290 円 (+17.5%) 本日終値
ラバブルマーケティンググループ<9254>が大幅に3日続伸。同社は10日、子会社のコムニコがデジタル広告品質認証機構(JICDAQ)の定める認証基準に基づき、広告購入者(広告会社)として「ブランドセーフティ」と「無効トラフィック対策」の2分野で認証を取得したと発表しており、これが新たな買い手掛かりとなったもよう。また、同日に子会社のDTK AD(タイ)が東南アジア地域での支援領域を拡大し、マレーシアでマーケティング支援を開始すると発表したことも材料視されたようだ。
■アステリア <3853> 873円 +81 円 (+10.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
アステリア<3853>が後場上げ幅を拡大。午前11時30分ごろ、企業データ連携(EAI/ESB)製品「ASTERIA Warp」(以下「Warp」)が、日本郵船<9101>に採用されたと発表しており、好材料視された。「Warp」は、EAI/ESB製品の国内市場で16年連続シェアトップを誇る。今回の採用は、100種類以上のサービスとの連携に対応する多彩なアダプターが、各種クラウドサービスや基幹システムとの連携に加えさまざまなデータの統合を実現することや、システム連携に必要なファイルフォーマットやコード変換などのデータ加工にも柔軟に対応できることが評価されたという。
■タキヒヨー <9982> 1,197円 +107 円 (+9.8%) 一時ストップ高 本日終値
タキヒヨー<9982>が急騰。同社は10日取引終了後、24年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表。営業損益は4億1500万円の黒字(前年同期は8700万円の赤字)となり、通期計画の4億円を超過したことが好感されたようだ。売上高は前年同期比0.1%減の146億6000万円で着地。採算性の低い受注を抑制する一方、付加価値を高めつつ適正な利益を確保する営業スタンスの徹底に努めた。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■浜木綿 <7682> 6,400円 +510 円 (+8.7%) 本日終値
浜木綿<7682>が急反発し年初来高値を更新。10日の取引終了後、7月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位の水準を引き下げることで、株式の流動性の向上及び投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。効力発生日は8月1日。
株探ニュース