ネクスグループ---1Q減収なるも、GameFiプラットフォームの開発を開始
ネクスグループ<6634>は14日、2023年11月期第2四半期(22年12月-23年5月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比81.6%減の3.96億円、営業損失が0.87億円(前年同期は4.74億円の利益)、経常損失が0.48億円(同5.45億円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が同72.9%減の0.87億円となった。前年同期比で売上及び各利益額が減少している理由は、前期の第1四半期において、「事業構造改革」の不採算事業の譲渡を行うにあたり、子会社の借入金の精算を行うため、保有する暗号資産の一部を売却してキャッシュ化を行い、その際の暗号資産売却益を計上したことによる。通期の連結業績予想の進捗は、売上計画が下期偏重していることもあり、概ね予定通りの進捗となっている。
メタバース・デジタルコンテンツ事業の売上高は前年同期比377.9%増の0.69億円、営業損失は0.04億円(前年同期は0.14億円の損失)となった。持分法適用関連会社のワイルドマンでは、VR上のアバターを操作するためのメタバースユーザー向けワイヤレス・モーション・トラッキング装置の開発案件が進捗している。実業之日本デジタル(以下「実日デジタル」)は、實業之日本社の刊行するコンテンツをデジタル化して配信する事業を行っている。実日デジタルでは、小学校のICT教育のためにパソコンやタブレット導入が推進された背景を受け、朝読書や調べ学習などに活用されているポプラ社の「Yomokka!」に作品提供を開始しており、同じく、小学校向けサブスクリプションサービスとしてベネッセコーポレーションの「まなびライブラリー」にも4月より作品提供を開始した。
IoT関連事業の売上高は同4.9%減の2.43億円、営業利益は0.09億円(同0.19億円の損失)となった。ネクスは、様々な分野に対するIoT技術をベースに「IoT×ブロックチェーン技術」、「IoT×AI技術」など、「IoT×新技術」を活用した新たなサービスの提供を目指している。NCXX AI BOX「AIX-01NX」は、AIプラットフォームのエッジ端末認定やAI開発ベンダーとのAIソフトウェア搭載検証、分析やシミュレーションによる効率的なモノ作りから都市レベルの課題解決まで、用途も拡大が期待されるデジタルツインへの活用、および各通信事業者の動作確認済端末認定を進めている。データ通信端末は、第5世代移動通信システムである5Gに対応し、Wi-Fi、Ethernetを搭載したバッテリーレスのルーター・モデムとなる、5Gデータ端末「UNX-05G」の出荷を2023年3月から開始した。2023年4月には、富士通<6702>が提供するローカル5GスタンドアロンシステムFujitsu Network PW300との接続性を検証する「接続検証プログラム」を通過し、接続検証済製品として認定された。テレマティクスについては、クラウド型車両管理・動態管理システムにおいて、OBDII型データ収集ユニット「GX700NC」が市場を確保している。農業ICT事業(NCXXFARM)の「6次産業化事業」では、スーパーフードとして人気の高いGOLDEN BERRY(食用ほおずき)の生産、販売を行っており、青果と加工品のGOLDEN BERRYアイス、GOLDEN BERRYフレッシュリキュールを販売している。「フランチャイズ事業」では、自社独自の特許農法(多段式ポット)とICTシステムの提供に加えて、顧客の要望に沿った多種多様な農法・システム・農業関連製品の提供を行う農業総合コンサルティングサービスを展開している。
暗号資産・ブロックチェーン事業の売上高は同9.2%減の0.60億円、営業利益は同95.3%減の0.36億円となった。暗号資産「ネクスコイン(以下「NCXC」)」を利用したサービスの向上、NCXCの流通促進、NCXC保有者の拡大を通じたNCXC経済圏の拡大を目指し、価値向上に向けた取り組みを行っている。NCXC GameFiプラットフォームの開発を行い、ゲーム会社とのアライアンスにより、世の中で既に実績を上げている他社ゲームタイトルを中心に、これらを簡単にPlay to Earnのゲームに転換することのできるプラットフォームサービスの提供を目指している。また、当期は暗号資産の一部売却を行ったことで、営業利益を計上している。
2023年11月期通期の連結業績予想については、売上高は前期比46.8%減の14.67億円、営業利益は同65.7%減の1.46億円、経常利益は同68.8%減の1.65億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同82.3%減の1.42億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》