話題株ピックアップ【夕刊】(1):カプコン、TOWA、シャープ
■カプコン <9697> 6,520円 +856 円 (+15.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
カプコン<9697>が急騰。26日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、売上高が前年同期比73.8%増の438億5800万円、最終利益が同2.0倍の181億6300万円と大幅な増収増益となった。通期計画に対する最終利益の進捗率は約45%と順調な滑り出しとなっており、業績の上振れを期待した買いが集まったようだ。6月に発売したシリーズ最新作「ストリートファイター6」の販売が好調で業績拡大に大きく貢献した。3月発売の「バイオハザードRE:4」なども収益を押し上げる要因となったほか、アミューズメント施設事業も増収増益となった。同社はあわせて、ゲーム開発における3DCG制作などを手掛けるソードケインズスタジオ(東京都千代田区)の株式を取得し、完全子会社化したと開示している。
■TOWA <6315> 2,657円 +268 円 (+11.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
TOWA<6315>が続急騰した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が26日、TOWAについてレーティング「バイ」で新規にカバレッジを開始した。目標株価は3600円に設定した。半導体封止及びパッケージ切断工程を主戦場とする同社は、中長期的な半導体及び製造装置市場、先端パッケージ市場の成長の恩恵を享受しうる事業構造にあると指摘。パワー半導体用途を中心に業績は底堅く推移しており、今後の需要回復局面では業績向上が期待できるとした。同証券はTOWAの25年3月期営業利益が100億円になると予想する。
■シーユーシー <9158> 3,050円 +301 円 (+11.0%) 一時ストップ高 本日終値
シーユーシー<9158>が一時ストップ高となる前営業日比501円高の3250円に買われる場面があった。26日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、売上収益が前年同期比24.4%減の76億6300万円、最終利益が同47.3%減の4億8200万円となった。減収減益となったものの、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種支援サービスの縮小の影響を除き、医療機関支援やホスピス、居宅訪問介護などの既存サービスの売上成長率は28%となった。ホスピス施設数を今後更に拡大する計画なども示されており、中期的な収益拡大を期待した買いを呼び込んだようだ。
■JFEシステムズ <4832> 2,805円 +242 円 (+9.4%) 本日終値
JFEシステムズ<4832>は急反発。26日の取引終了後に発表した4~6月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比12.1%増の151億6900万円、営業利益が同46.0%増の17億8500万円だった。あわせて、記念配当の実施を発表しており、これを好感した買いが膨らんでいる。鉄鋼部門の製鉄所システムリフレッシュの進展をはじめ、各部門での事業が堅調に推移したことが業績を押し上げた。記念配当については中間期末に10円を実施する。これにより、年間配当は102円(前期97円)となる見通し。
■東邦ガス <9533> 2,673.5円 +190.5 円 (+7.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
東邦ガス<9533>が後場に入って上げ幅を拡大させた。この日前引け後に4~6月期(第1四半期)決算を発表。純利益が前年同期比80.2%増の185億9700万円と大幅増益で着地しており、これを好感した買いが集まっている。原料費調整制度による原材料費と売上高の期ずれ差益の影響などが寄与。売上高は同7.4%増の1552億7500万円だった。ガス・LPG・電気の合計の顧客数は前年同期末比5万5000件増の294万2000件となった。なお、通期の減収減益見通しは据え置いた。
■弁護士ドットコム <6027> 3,960円 +270 円 (+7.3%) 本日終値
弁護士ドットコム<6027>が大幅高で4連騰。26日の取引終了後、「マイナンバーカード署名」サービスの開始を発表した。また、弁護士向け実務サービスにおいて、生成AIを活用したリサーチ支援サービスを今年秋から提供開始するとも公表し、これらのサービス拡大を期待した買いを集めたようだ。マイナンバーカードに搭載された電子証明書を用いて、文書へ電子署名を付与することができる機能を、同社の契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」で提供する。電子契約サービスでのこうした機能の提供は日本初という。高額商品の売買契約や賃貸借契約、金銭消費貸借契約など、実印を利用する契約での利用を見込む。提供開始にあたり、同社は6月21日に総務省から公的個人認証サービスを利用するために必要な一定の基準を満たす事業者としての認定を受けた。弁護士向けの生成AI活用のサービスでは、特に時間と手間のかかるリサーチ業務の効率化につながるサービスを第1弾として開始するとともに、更なる事業拡大に向け検討を進める方針。同時に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の単体決算は、売上高が前年同期比22.1%増の23億9200万円、経常利益が同78.1%増の2億4600万円だった。なお、同社は27日、相続の相談・トラブル解消に特化した弁護士検索サイトの公開も発表している。
■未来工業 <7931> 2,967円 +194 円 (+7.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
未来工業<7931>が急伸。26日の取引終了後に24年3月期第1四半期(3月21日~6月20日)の連結決算を発表。最終利益は前年同期比99.2%増の10億4200万円と大幅な増益となった。中間期の計画に対する進捗率は56%と順調な滑り出しとなったほか、プライム市場における全ての上場維持基準に適合する見込みとなったと同時に開示しており、これらを評価した買いが入ったようだ。売上高は同14.6%増の110億6400万円だった。電材及び管材部門では、建築工事現場での作業の省力化につながる商品など多種多様な製品展開を推進。電線管類及び付属品が好調に推移し、大幅な増収増益となった。半面、配線器具部門では高付加価値製品の売上比率が上昇したものの、原材料高や人件費の増加が響き、増収減益となった。同社はこれまでプライム市場の上場維持基準のうち、「1日平均の売買代金」に関する基準に適合していなかったが、6月末時点で適合した。
■日本ゼオン <4205> 1,447円 +90.5 円 (+6.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
日本ゼオン<4205>が後場に急伸した。この日、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。営業利益の見通しはこれまでの240億円から275億円(前期比1.2%増)に上方修正した。営業利益は減益予想から一転、増益を計画する形となり、好感されたようだ。売上高の見通しは3990億円から3940億円(同1.4%増)に引き下げた。市況回復の動きを依然として弱いとしながらも、エラストマー素材事業部門での利益重視の販売を実施した効果やコスト低減の取り組み、円安の影響などを業績予想に反映した。第1四半期の売上高は前年同期比5.8%減の919億2700万円、営業利益は同43.0%減の61億1400万円だった。
■シャープ <6753> 852円 +46.1 円 (+5.7%) 本日終値
シャープ<6753>が大幅に4日続伸した。日本経済新聞電子版が26日、「台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が傘下のシャープに対し、改善計画の策定を要請したことが26日、分かった」と報じた。経営トップの劉揚偉・董事長が18~21日に東京都内や千葉市のシャープの事業所を訪問。幹部らに3カ月以内の提出を求めたという。同社は23年3月期に2608億4000万円の最終赤字を計上している。報道を受け、早期の業績改善を期待した買いが集まったようだ。
■ジャムコ <7408> 1,627円 +84 円 (+5.4%) 本日終値
ジャムコ<7408>が3日ぶりに急反発した。米ボーイング<BA>が26日に第2四半期(4~6月)の決算を発表した。1株損益は赤字となったが、商用機部門は持ち直しが続いた。フリーキャッシュフロー(純現金収支、FCF)が黒字化したことに投資家の注目が集まったほか、737型機の生産ペースを引き上げる方針を示したとあって、同日の米国市場でボーイングの株価は急伸。ボーイングの旅客機に厨房設備などを供給するジャムコに対しては、今後の受注拡大への思惑を広げる格好となり、買いが集まったようだ。航空機向けチタンを手掛ける大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>や東邦チタニウム<5727>も堅調に推移している。
株探ニュース