話題株ピックアップ【夕刊】(2):東北電、横河ブHD、特殊陶
■太陽ホールディングス <4626> 2,873円 +216 円 (+8.1%) 本日終値
太陽ホールディングス<4626>が後場に急伸し、年初来高値を更新した。この日、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比7.4%減の238億6100万円、経常利益は同36.8%減の32億3500万円と減収減益となった。ただ前期の第4四半期(1~3月)との比較では売上高と営業利益は増加しており、業績の底入れを期待した買いを集めたようだ。エレクトロニクス事業ではリジッド基板用部材や半導体パッケージ基板用部材の販売数量が前年同期から減少した一方、車載関連部材は堅調に推移し、円安進行が収益を下支えした。前期の第4四半期との比較では、中国を中心に最終需要回復の兆しもみられたという。医療用医薬品の製造販売事業では、「レミニール」の資産譲受や、他社の同効薬などの供給不足に伴う需要増加が寄与。医療用医薬品の製造受託事業での価格改定やプロダクトミックスの変化も奏功し、医療・医薬品事業は増収増益となった。
■東北電力 <9506> 1,020.5円 +74 円 (+7.8%) 本日終値
東北電力<9506>が大幅続伸。1000円の大台に乗せ、2021年4月以来、およそ2年3カ月ぶりの高値をつけた。31日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、未定としていた通期業績予想について最終損益が1400億円の黒字(前期は1275億6200万円の赤字)になる見通しを示した。同じく未定としていた年間配当は15円(前期は無配)と2期ぶりの復配の計画とし、買いを誘う要因となったようだ。通期の売上高は3兆200億円(前期比0.4%増)と、小売規制料金の値上げの認可などを背景に増収を見込む。また、燃料価格の下落に伴って燃料費調整制度のタイムラグ影響が差益に転じる見込みとなり、業績予想に織り込んだ。第1四半期の売上高は前年同期比13.5%増の6335億7600万円、最終損益は791億6800万円の黒字(前年同期は312億4200万円の赤字)となった。
■横河ブHD <5911> 2,738円 +182 円 (+7.1%) 本日終値
横河ブリッジホールディングス<5911>が続急伸し18年2月以来約5年6カ月ぶりの高値となっている。7月31日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算で、売上高400億2700万円(前年同期比13.7%増)、営業利益35億6500万円(同2.8倍)、純利益28億4600万円(同70.4%増)と大幅増益となったことが好感された。橋梁事業で豊富な手持ち工事が順調に進捗したことに加えて、システム建築事業で鋼材などの価格上昇が反映された案件の生産が伸長した。また、前年同期に計上した建築・機械鉄構事業における大型工事の一時的な損益悪化の影響がなくなったことも貢献した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高1758億円(前期比6.6%増)、営業利益155億円(同1.9%増)、純利益106億円(同5.7%減)の従来見通しを据え置いている。同時に上限を60万株(発行済み株数の1.47%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は8月1日から10月31日までで、株主還元の拡充及び資本効率性の維持・向上を図るためとしている。
■大崎電気工業 <6644> 613円 +40 円 (+7.0%) 本日終値
大崎電気工業<6644>が急伸。午後2時ごろ、24年3月期の連結業績予想について、売上高を880億円から900億円(前期比0.8%増)へ、営業利益を28億円から36億円(同61.7%増)へ、純利益を10億円から16億円(同21.2%増)へ上方修正したことが好感された。国内計測制御事業でスマートメーター事業の売り上げが期初予想を上回る見込みであることに加えて、製品構成の変動、製造原価低減の継続が見込まれることなどが要因。また、海外計測制御事業で円安による換算レートの見直しを行うことも寄与する。同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高213億6700万円(前年同期比10.3%増)、営業利益11億6900万円(同2.2倍)、純利益7億6800万円(同63.7%減)だった。
■日本特殊陶業 <5334> 3,198円 +196 円 (+6.5%) 本日終値
日本特殊陶業<5334>が続急伸し、2018年10月以来、およそ4年9カ月ぶりの高値をつけた。31日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算とともに、取得総数950万株(自己株式を除く発行済み株式総数の4.7%)、取得総額200億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。株主還元姿勢を評価した買いが集まったようだ。自社株の取得期間は8月1日から24年7月31日。取得した全株式を同年8月23日に消却する予定。第1四半期決算は、売上収益が前年同期比7.9%増の1479億5000万円、最終利益が同1.6%増の240億7900万円だった。自動車向けの回復や円安進行が寄与した。
■日本ハム <2282> 4,355円 +251 円 (+6.1%) 本日終値
日本ハム<2282>が後場急上昇。午後1時30分ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高3221億7500万円(前年同期比6.5%増)、純利益117億4900万円(同15.4%増)と2ケタ最終増益となり、上期計画に対する純利益の進捗率が90%と高進捗率だったことが好感された。加工事業のハム・ソーセージのコンシューマ商品及びデリ商品の業務用商品で価格改定を進めたことに加えて、ボールパーク事業が好調だったことが牽引した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高1兆2600億円(前期比横ばい)、純利益230億円(同38.2%増)の従来見通しを据え置いている。
■eBASE <3835> 765円 +42 円 (+5.8%) 本日終値
31日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は52%増益で着地」が好感された。
eBASE <3835> [東証P] が7月31日大引け後(16:00)に決算を発表。24年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比52.3%増の2.3億円に拡大し、4-9月期(上期)計画の5.1億円に対する進捗率は5年平均の29.8%を上回る45.1%に達した。
■マックス <6454> 2,807円 +147 円 (+5.5%) 本日終値
マックス<6454>が4連騰し年初来高値を更新。7月31日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、営業利益を107億円から120億円(前期比20.9%増)へ、純利益を77億円から85億円(同11.6%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は878億円(同4.1%増)の従来見通しを据え置いているものの、足もとの業績の推移や想定為替レートの見直しなどにより、主にインダストリアル機器部門の利益が上振れるとしている。同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高212億円(前年同期比4.2%増)、営業利益35億1000万円(同60.2%増)、純利益29億1800万円(同31.4%増)だった。国内や北米向けに鉄筋結束機「ツインタイア」関連の販売が堅調に推移した。
■フクダ電子 <6960> 4,750円 +240 円 (+5.3%) 本日終値
31日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は18%増益で着地」が好感された。
フクダ電子 <6960> [東証S] が7月31日大引け後(15:00)に決算を発表。24年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比18.4%増の52.2億円に伸び、通期計画の200億円に対する進捗率は26.1%に達し、5年平均の17.6%も上回った。
■村田製作所 <6981> 8,689円 +364 円 (+4.4%) 本日終値
村田製作所<6981>が大幅高で3日続伸し、年初来高値を更新した。31日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、売上収益が前年同期比15.8%減の3676億9400万円、最終利益が同34.1%減の500億9800万円だった。大幅な減収減益となったが、最終利益の中間期計画に対する進捗率は約80%と健闘した。会社側はスマートフォン市場の在庫調整は7月時点では解消し、原材料建値の下落に伴い材料コスト負担も和らいでいるとの認識を示している。期初の時点からドル高・円安が進行したのも相まって、業績の持ち直しを期待した買いが集まったようだ。
株探ニュース