話題株ピックアップ【昼刊】:トーホー、インテージH、丹青社

注目
2023年9月7日 11時38分

■トーホー <8142>  3,780円  +700 円 (+22.7%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率トップ

トーホー<8142>に物色人気集中。6日の取引終了後に24年1月期連結業績予想の上方修正を発表。売上高を2230億円から2390億円(前期比10%増)へ、営業利益を45億円から65億円(同78%増)へ引き上げており、これを好感した買いが入っている。業務用食品卸売事業を中心に業況の改善が想定を上回り、前回6月の上方修正から更に上振れする見込みとなった。現在進めている食品スーパー事業の譲渡について、今回の業績修正では期末時点でも同事業を継続している前提で見通しを立てた。あわせて、年間配当予想を60円から70円(前期35円)に増額した。

■インテージH <4326>  2,298円  +400 円 (+21.1%) ストップ高買い気配   11:30現在  東証プライム 上昇率2位

インテージホールディングス<4326>がカイ気配スタート。日本電信電話<9432>傘下のNTTドコモが6日の取引終了後、インテージHに対し株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。NTTドコモは連結子会社化を目的とする。NTTドコモが持つ顧客基盤とインテージHのデータ収集・分析などの知見やノウハウを活用し、企業のマーケティング課題の解決につなげる。インテージHに対しては、事業へのポジティブな影響を期待した買いが集まったようだ。TOB価格は1株2400円。買付予定数の下限は1538万9700株で、上限は1962万1900株に設定した。TOB成立後もインテージHの上場は維持される。買付期間は9月7日から10月16日まで。インテージHはTOBに賛同の意見を表明した。

■丹青社 <9743>  851円  +70 円 (+9.0%)  11:30現在  東証プライム 上昇率3位

丹青社<9743>は急伸。5月10日と6月13日につけた高値840円を上回り、一気に年初来高値を更新した。6日の取引終了後に2~7月期(上期)連結業績予想の上方修正を発表しており、これを好感した買いが集まっている。売上高を370億円から388億円(前年同期比22.8%増)、営業利益を10億円から13億円(同2.0倍)へそれぞれ引き上げた。新型コロナウイルスの影響による経済活動の制限が緩和されたことにより、商業その他施設事業で需要が回復。売上高の増加に伴い、利益も伸びる見通しだ。なお、通期予想は据え置いた。

■タダノ <6395>  1,337.5円  +103 円 (+8.3%)  11:30現在  東証プライム 上昇率4位

タダノ<6395>は大幅高で9連騰。同社は建設用クレーンで世界首位級を誇る建機メーカー。国内での大型公共工事を中心とした堅調な需要に支えられ、1~6月期決算は売上高が1332億6700万円(前期変則決算、前年同時期との比較では19%増)、営業利益が87億9700万円(同2.3倍)。決算とあわせて23年12月期の上方修正も発表した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が6日付で同社の格付けを引き上げており、きょうはこれを手掛かりに上げ足を強めている。

■スカパーJ <9412>  718円  +33 円 (+4.8%)  11:30現在

スカパーJSATホールディングス<9412>は上げ足強め新値追い。6日の取引終了後、上限1000万株(自己株式を除く発行済み株数の3.4%)または50億円とする自社株買いの実施を発表しており、これが好感されている。期間は9月7日から来年4月30日まで。このうち、150万株(自己株式を除く発行済み株数の0.5%)を上限に7日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると同日あわせて発表した。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、スカパーJは7日に予定通り150万株を買い付けた。

■カルビー <2229>  2,963円  +68.5 円 (+2.4%)  11:30現在

カルビー<2229>が続伸した。日本経済新聞電子版が6日の取引終了後、「カルビーは国内で生産するスナック菓子などの商品数を2025年度までに約2割削減する」と報じた。商品数を絞り込むことで利益率の改善につなげるとしており、好感されたようだ。報道によると、プライベートブランド(PB)商品を含めて約1300点の商品を国内で製造するカルビーは、利益率が基準に満たない商品の販売休止などを検討。25年度までに300点程度を減らすという。

■INPEX <1605>  2,250円  +50.5 円 (+2.3%)  11:30現在

石油関連株が連日人気に沸いている。INPEX<1605>は5日続伸し2008年10月以来、約15年ぶりの水準に上昇。石油資源開発<1662>は続伸し、ENEOSホールディングス<5020>は9日続伸、コスモエネルギーホールディングス<5021>も5日続伸している。6日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月限が前日比0.85ドル高の1バレル=87.54ドルに上昇した。一時88.08ドルと昨年11月中旬以来、10カ月ぶりの高値をつけた。サウジアラビアが5日に日量100万バレルの自主減産を12月末まで3カ月延長すると表明。また、ロシアも原油輸出の削減を年末まで延長することを明らかにしており、原油市場の需給逼迫が続くとの観測が強まっている。また、7日に米エネルギー情報局(EIA)が発表する週間在庫統計で米原油在庫が減少するとの観測も相場の押し上げ要因となった。

■オンワード <8016>  540円  +12 円 (+2.3%)  11:30現在

オンワードホールディングス<8016>は買いに厚みが加わってきた。530円台近辺で売り物をこなし上値を慕う展開となっている。株価は8月23日に急反発して水準を切り上げた後、強含み横ばいの推移だったが、このもみ合いを上放れることができるかが注目される。リオープン(経済再開)を追い風に売り上げ増勢が続いており、6日取引終了後に発表された8月の既存店売上高は前年同月比13.0%増と増収基調を継続、これを受けて買い安心感が広がった。24年2月期業績は期初予想を上方修正し、営業利益段階で前期比9割増の100億円を予想。株価に値ごろ感があるほか、PBR1倍復帰にあと一歩に迫っていることで、ここからの攻防に関心が集まりそうだ。

■ステムリム <4599>  838円  +15 円 (+1.8%)  11:30現在

ステムリム<4599>が急反発。6日の取引終了後、再生誘導医薬開発候補品「レダセムチド」による心筋症に対する新規治療の用途特許に関し、米国で特許が登録されることとなったと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。拡張型心筋症、虚血性心筋症及び高血圧性心筋症を適応症とする。

■NTN <6472>  289.2円  -14 円 (-4.6%)  11:30現在  東証プライム 下落率6位

NTN<6472>が急落。株価は10日ぶりに値を下げ、前日に比べ一時6%超安に売られている。6日の取引終了後、ユーロ円建て転換社債(CB)型新株予約権付社債を発行し約220億円を調達すると発表しており、CBの株式転換による1株当たり利益の希薄化を懸念する売りが出ている。同債は満期償還日が25年12月の2年債。転換価格は前日終値を11.97%上回る339.5円で決まった。潜在株式による希薄化率は12.20%となる。調達資金は、自動車・建機向けや成長分野向けの設備投資などに充てる。

■村田製作所 <6981>  8,310円  -230 円 (-2.7%)  11:30現在

村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>など電子部品大手が売りに押されている。電子部品セクターは、ここ急速な円安進行を背景に戻り足を強めていたが、きょうは利食い急ぎの動きが顕在化している。前日の米国株市場ではスマートフォン大手アップル<AAPL>が3.6%安と同社株としてはかなり目立った下げとなった。中国では政府機関の職員がiPhone使用を禁止されたとの報道が嫌気されている。中国では既に一部政府機関がiPhoneの使用が禁じられているが、その対象が広がっていることに警戒感が強まっている。また欧州連合による巨大IT企業に対する規制方針が明らかとなったことも売りを助長した。東京市場でも、村田製をはじめアップルの有力サプライヤーである電子部品メーカーに連想売りが広がっている。

■オリンパス <7733>  2,023円  -23 円 (-1.1%)  11:30現在

オリンパス<7733>が3日ぶりに反落した。6日の取引終了後、連結子会社の米Veran Medical Technologies(ミズーリ州)が開発・製造する電磁ナビゲーションシステムと関連製品について、製造・販売を終了すると発表した。これに伴う損失等の金額について現時点では約500億円を見込んでいるという。業績の下振れを警戒した売りを促す要因となったようだ。オリンパスは2020年12月にVeran Medical Technologiesを買収した。呼吸器科分野の事業成長を目指したが、同社の技術及び製品がオリンパスの品質基準に適合しないことが判明。23年2月に当該製品の出荷を停止した。品質基準を満たすには多大なコストの発生などが見込まれることから、製造・販売の終了を決定した。

■トラースOP <6696>  455円  +70 円 (+18.2%) 一時ストップ高   11:30現在

トラース・オン・プロダクト<6696>が急反発している。同社は6日取引終了後、NX総合研究所(東京都千代田区)が運営する倉庫作業分析ツール「ろじたん」に、自社が開発したウェアラブル端末「Cygnus2(シグナス2)」の提供を開始したと発表。これが材料視されているようだ。シグナス2は、顧客の利用用途に応じて各種アプリケーションを1つのウェアラブルデバイスに搭載した生産性向上・業務効率化を実現する製品。これまで、ウェアラブル端末ならではの大幅な作業効率(ハンズフリー、ピッキング人材の適正配置、Wifi倉庫内通話など)の向上実績が大手運送会社を中心に積み上がってきており、更に顧客のニーズに応じたカスタマイズも柔軟に対応可能であることから、主に物流施設、工場などから多くの問い合わせ及び商談が進んでいるという。

■クラダシ <5884>  584円  +51 円 (+9.6%)  11:30現在

クラダシ<5884>が大幅反発。6日の取引終了後、同社と愛媛県宇和島市、愛媛銀行<8541>が地域活性化とフードロス削減に向けた連携協定を締結したと発表した。サービス拡大に寄与すると受け止めた投資家の買いを誘ったようだ。連携協定の締結に伴って、社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」を実施。宇和島市の人手不足やフードロスの課題解決に向けた活動を展開する。

■JMC <5704>  1,194円  +80 円 (+7.2%)  11:30現在

JMC<5704>が大幅高、10%を超える上昇で一気に1200円台まで駆け上がった。8月15日、8月24日、9月4日と3回にわたり大きなマドを開け、その後もマド埋めの動きを全く見せることなく上値を強烈に指向している。3Dプリンターを使った樹脂部品や砂型鋳造を使った金属部品の製造を主力事業とするが、ここ電気自動車(EV)用部品案件の引き合いが活発化、今後も増勢が予想される。23年12月期営業利益は前期比20%増の4億2000万円を見込むが、進捗率を考慮して一段の上振れが濃厚だ。

●ストップ高銘柄

タツミ <7268>  348円  +80 円 (+29.9%) ストップ高   11:30現在

ホーブ <1382>  2,732円  +500 円 (+22.4%) ストップ高   11:30現在

など、4銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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