利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 32社選出 <成長株特集>
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
「第1弾」(9月18日)、「第2弾」(9月21日)に続き、今回は18日時点の時価総額200億円以上600億円未満の中から、23年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している32社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、ビジネスブレイン太田昭和 <9658> [東証P]。23年4-6月期(第1四半期)の税引き前利益は182億円とこれまでの過去最高益を17.4倍も上回って着地。グローバルセキュリティエキスパート <4417> [東証G]が連結子会社から持ち分法適用関連会社に移行したことに伴い、Gセキュリ株式の時価洗替に伴う株式評価益161億円を計上したことなどが利益を大きく押し上げた。
3位に入ったフジ日本精糖 <2114> [東証S]の4-6月期(第1四半期)は、海外原糖相場やエネルギー価格などコスト上昇に販売価格が追い付いてきたことで精糖事業の採算が改善した一方、競争激化の影響などで機能性素材事業の利益は落ち込み営業減益となった。ただ、国内の投資先から配当金6.6億円を受領したことで、経常利益は12.5億円と前年同期比2.1倍に膨らんだ。
4位にリスト入りした清涼飲料メーカーのライフドリンク カンパニー <2585> [東証P]は、既存工場の生産能力増強で生産数量が増加したことに加え、値上げ効果や1月に買収したニットービバレッジの業績上積みも寄与し、4-6月期(第1四半期)は3四半期ぶりに過去最高益を更新した。原材料費や水道光熱費、人件費の増加が重荷となったものの、生産性向上やコスト削減で補った。
続く5位にはケミカルポンプ大手のイワキ <6237> [東証P]が入った。4-6月期(第1四半期)は水処理市場向けが米国を中心に好調を維持したほか、半導体・液晶市場向けも新たに連結対象となった中国子会社の業績寄与で大きく伸びた。また、医療機器市場向けポンプなども拡大し、経常利益は前年同期比53.9%増の17.8億円と2四半期ぶりに過去最高を達成した。上期計画の19.5億円に対する進捗率は91.3%と高水準で業績上振れが期待される。決算発表を受けて株価は急騰し、12日に上場来高値2030円まで上値を伸ばしている。
8位の長野計器 <7715> [東証P]は半導体、産業機械業界向け圧力計や圧力センサーの販売が伸びたほか、自動車搭載用圧力センサーも増勢だった。また、円安による収益押し上げ効果も寄与し、4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比2.3倍の19.7億円と3四半期連続の最高益更新を遂げた。株価は約16年2ヵ月ぶりの高値圏で推移している。
11位のIDホールディングス <4709> [東証P]は大手ITベンダーの新規案件獲得や既存取引の拡大でシステムマネジメント領域が伸びたほか、サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育領域の受注が好調だった。また、利益率の高いDX関連ビジネスも拡大し、4-6月期(第1四半期)は2四半期ぶりに過去最高益を更新した。好決算を背景に、株価は青空圏を舞う展開となっている。
選出リストには、DX関連などの底堅いIT投資ニーズを背景に業績を伸ばした企業が目立つ。IDHDのほか、クラウドセキュリティーサービスを提供するHENNGE <4475> [東証G]、製造業・建設業向けシステム開発や人材調達支援を主力とするコアコンセプト・テクノロジー <4371> [東証G]、ITインフラ構築大手のJBCCホールディングス <9889> [東証P]、ERP(基幹業務パッケージ)に強みを持つシステム開発会社のビジネスエンジニアリング <4828> [東証P]などがリスト入りを果たした。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<9658> ビジ太田昭 1636 18282 1053 533 20525 3241 1.7 *
<6062> チャームケア 166 2857 1075 7.9 5000 4633 10.0
<2114> フジ日本 71.6 1251 729 17.7 2500 2124 16.8
<2585> Lドリンク 45.6 1364 937 16.4 3550 3050 20.3
<6237> イワキポンプ 43.8 1782 1239 9.4 4302 3933 13.4
<7326> SBIIG 39.5 3906 2801 26.8 8000 6308 22.6
<8704> トレイダーズ 39.0 1582 1138 7.2 4000 3730 7.0
<7715> 長野計器 32.9 1976 1487 17.1 5800 4954 12.6
<4298> プロト 31.2 2755 2100 11.0 7730 6963 9.0
<3661> エムアップ 26.8 786 620 20.9 2500 2068 28.7
<4709> IDHD 21.9 884 725 5.8 2650 2504 15.4
<4475> HENNGE 21.2 303 250 4.9 561 535 91.5
<6338> タカトリ 21.1 780 644 57.3 2300 1462 18.9
<6249> GCジョイコ 18.9 3507 2949 1.5 5000 4925 20.9
<4107> 伊勢化 14.4 1459 1275 18.9 4350 3657 13.9
<7191> イントラスト 13.5 496 437 29.2 2100 1625 15.7
<3150> グリムス 12.9 1886 1670 18.0 4350 3687 18.3
<2932> STIFHD 12.2 580 517 3.2 1800 1745 22.4
<6571> QBNHD 11.5 815 731 13.8 2264 1990 12.8 *
<7466> SPK 8.2 1034 956 1.4 2950 2910 9.4
<4371> CCT 8.1 465 430 42.8 1626 1139 44.3
<6918> アバール 8.1 746 690 8.6 2710 2495 14.1
<9889> JBCCHD 7.7 1231 1143 6.6 4100 3847 15.5
<1780> ヤマウラ 5.8 993 939 44.9 2960 2043 12.1
<6718> アイホン 5.3 1830 1738 4.5 6200 5931 10.8
<1429> 日本アクア 3.0 759 737 16.6 2750 2359 17.7
<8715> アニコムHD 2.0 1201 1177 8.5 4000 3685 20.0
<6564> ミダックHD 1.8 812 798 6.8 2875 2692 28.6
<4828> ビーエンジ 1.3 1011 998 6.2 3450 3250 17.8
<3496> アズーム 1.3 321 317 42.2 1240 872 61.6
<8772> アサックス 0.6 1215 1208 7.2 4607 4297 7.5
<9268> オプティマス 0.3 906 903 35.1 4150 3072 9.0
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業、4-6月期の経常利益額が1億円未満の企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース