話題株ピックアップ【夕刊】(1):菱洋エレク、TOWA、ソフトバンクG
■ウィズメタク <9260> 5,370円 +610 円 (+12.8%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
西本Wismettacホールディングス<9260>がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は16日取引終了後、3カ年の中期経営計画を策定したと発表。最終年度となる26年12月期通期の連結営業利益目標を250億円(22年12月期実績は104億9800万円)としていることが評価されたようだ。売上高目標は5000億円(同2752億900万円)に設定。アジア食グローバル事業での拡大が続く既存販路での売り上げ増加、プライベートブランド生産の拡充に加え、商品原価の低減、デジタル化と物流省力化投資による販管費率の引き下げなどで、既存事業を成長させるとしている。
■テラプローブ <6627> 4,930円 +410 円 (+9.1%) 本日終値
テラプローブ<6627>が大幅反発。16日の取引終了後に発表した9月度の月次連結売上高(速報)が前年同月比5.2%増となり、増収基調が続いていることが好感された。1月からの累計では前年同期比6.2%増となり、会社側の23年12月期通期予想である前期比4.4%増を上回って推移している。
■菱洋エレクトロ <8068> 3,550円 +255 円 (+7.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
菱洋エレクトロ<8068>が急反発。16日の取引終了後、リョーサン<8140>と協議を進めていた経営統合について、2024年4月に共同株式移転の方法により持ち株会社「リョーサン菱洋ホールディングス」を設立すると発表。これに伴い示された株式移転比率を意識した値動きとなっている。株式移転比率は菱洋エレク株1株に対し共同持ち株会社株1株、リョーサン株1株に対し共同持ち株会社株1.32株とする。12月19日に開く臨時株主総会で決議する。菱洋エレク、リョーサンともに来年3月28日に上場廃止となり、同4月1日にリョーサン菱洋HDが上場する予定。あわせて、経営統合に伴い決算期を1月から3月に変更し、配当予想と株主優待制度を見直すことを明らかにした。今期は23年2月~24年3月の14カ月決算となる。今期配当は180円とし、12カ月決算として計画していた前回予想の160円から修正した。優待については基準日を1月末から3月末に変更し、これまで設定していた継続保有期間の条件を外した。
■TOWA <6315> 5,450円 +350 円 (+6.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
TOWA<6315>が続急騰。前日は日経平均株価が650円あまりの急落となり、半導体関連株も軒並み大きく売られるなかにあって、同社株は205円高の5100円でほぼ高値引けとなる異色の上げ足をみせていた。きょうも上値追いを加速させ一時380円高の5480円まで駆け上がり、上場来高値を更新した。モールディング装置(樹脂封止装置)を主力とする後工程担当の半導体製造装置メーカーだが、生成AIの市場拡大に伴う高性能半導体の需要創出によって同社の収益機会が高まっている。高性能半導体は後工程の技術開発が重要な役割を示すが、前工程の製造装置メーカーが多いなか、後工程を手掛ける技術競争力の高いメーカーにファンド筋とみられる実需買いが観測されている。同社はその一角を占める存在で、モールディング装置ではAIチップモジュール向けの需要開拓に動いている。業績面でも25年3月期は営業利益ベースで急回復が見込まれ、それを先取りする形で投資資金が攻勢をかけている。
■東エレデバ <2760> 4,025円 +240 円 (+6.3%) 本日終値
東京エレクトロン デバイス<2760>がマドを開けて急伸。分割後修正値で未踏の4000円台乗せを果たし、連日で上場来高値を更新した。半導体製造装置の国内トップメーカーである東京エレクトロン<8035>の子会社で半導体を主力に取り扱うエレクトロニクス商社。生成AI市場の拡大で、今後需要急増が見込まれるAI用半導体で同社の活躍余地が広がっている。株価は今期小幅減益予想ながら最高値圏を走っている背景に、来期以降の成長期待が反映されているとの見方が強い。生成AIを安全に利用するための法人向け有償トレーニングサービスなどにも展開し、ハード・ソフト両面から同分野を深耕する構えを示している。
■極東証券 <8706> 991円 +50 円 (+5.3%) 本日終値
極東証券<8706>が急反発。午前11時30分ごろ、4~9月期連結業績の速報値を発表。売上高が前年同期比81.5%増の40億1200万円、純利益が同16倍の23億8500万円の見通しとしており、これが好感された。トレーディング損益が大きく増加したことが寄与する。4~9月期決算は27日に正式発表する予定。
■ゴールドクレスト <8871> 2,326円 +75 円 (+3.3%) 本日終値
ゴールドクレスト<8871>が3日ぶりに反発。16日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、投資会社のストラテジックキャピタルのゴールドクレ株式の保有割合が7.29%から8.35%に上昇したことが判明しており、需給思惑的な買いが入ったようだ。なお、保有目的は純投資及び状況に応じて重要提案行為などを行うこととしている。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,544円 +169 円 (+2.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が切り返し急、前日は日経平均の先物を絡めたインデックス売りで下値を探る展開を余儀なくされたが、きょうはそのアンワインドで株価に浮揚力が働いている。米ハイテク株への積極投資で知られ、ナスダック市場との株価連動性が高いが、前日はナスダック総合株価指数が1%を超える上昇で前々日の下げ分を取り戻しており、同社株にも追い風となっている。また、セカンダリーで苦戦していた同社傘下の英半導体設計大手アーム<ARM>の株価が前日は4日ぶりに反発に転じていることもプラス材料。ソフトバンクGは「AI革命」を主導する立場で経営戦略を進める構えで、その中核企業にアームを位置付けており、アームの今後の株価動向にも注目が集まっている。
■ツガミ <6101> 1,167円 +29 円 (+2.6%) 本日終値
ツガミ<6101>が後場上げ幅を拡大。午後1時ごろ、24年3月期の連結業績予想について、売上高を910億円から820億円(前期比13.7%減)へ、営業利益を150億円から134億円(同20.0%減)へ下方修正したが、株価は年初来安値圏で推移していたことから、アク抜け感から買われたようだ。中国市場をはじめとして、全体的に調整局面が続いていることや直近の受注環境を考慮したという。
■マクニカHD <3132> 7,500円 +180 円 (+2.5%) 本日終値
マクニカホールディングス<3132>が切り返し急、7500円台を回復し、今月13日につけた上場来高値7810円への再チャレンジを意識させる展開となっている。売り上げ規模が1兆円台を超える国内トップクラスの半導体商社だが、技術開発力の高さを特長とし、世界的な生成AI市場の急拡大を背景にAI関連事業に経営資源を注ぐ戦略を明示している。米画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>とは代理店契約を締結しており、国内でも数少ないリアル・エヌビディア関連として存在感を示す。
株探ニュース