話題株ピックアップ【夕刊】(1):富士通、コクサイエレ、JFEシステ

注目
2023年10月27日 15時13分

■富士通 <6702>  18,770円  +2,010 円 (+12.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

富士通<6702>が急反発した。26日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想の修正を発表した。営業利益の見通しは3400億円から3200億円(前期比4.7%減)に引き下げたものの、3000億円前後とする市場のコンセンサスを上回った。サービスソリューション事業は国内市場でのDX(デジタルトランスフォーメーション)の需要拡大などを背景に売上収益が力強く伸長しており、買い安心感をもたらしたようだ。今期の売上収益予想は3兆8600億円から3兆8100億円(同2.6%増)に見直した。デバイスソリューション事業での収益見通しのみ下方修正し、それ以外は据え置いた。想定為替レートは1ドル=130円、1ユーロ=140円とした。

■コクサイエレ <6525>  2,664円  +246 円 (+10.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

KOKUSAI ELECTRIC<6525>が続伸。同社は25日に東証プライム市場に新規上場し、公開価格1840円を15.0%上回る2116円で初値をつけた。上場初日は2350円で取引を終え、翌26日、そして今日27日と値を上げている。同社は日立国際電気の半導体製造装置部門が分社し発足しており、バッチ式ALD成膜装置で世界首位、熱処理(膜質改善)装置で同2位のシェアを誇る。岩井コスモ証券は26日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は2730円に設定した。同社が得意とするバッチ式ALD成膜装置は高難度加工と高生産性の両立が可能で今後、需要が高まることを予想。AI投資の加速も追い風になるとみている。24年3月期の連結営業利益は、メモリ投資の落ち込みで前期比48.1%減の291億900万円(同証券予想は300億円)と減益予想だが、25年3月期の同利益は372億円と急回復を見込んでいる。

■JFEシステムズ <4832>  3,385円  +290 円 (+9.4%)  本日終値

JFEシステムズ<4832>が4連騰し年初来高値を更新。26日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を570億円から613億円(前期比8.5%増)へ、営業利益を60億5000万円から69億5500万円(同11.3%増)へ、純利益を41億5000万円から47億3000万円(同9.4%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間50円・期末52円の年102円から中間64円・期末54円の年118円(前期97円)へ引き上げたことが好感された。JFEスチール向け製鉄所システムリフレッシュプロジェクトの更なる進展や一般顧客部門の堅調な事業環境を踏まえて売上高が上振れる見通しであることに加えて、開発生産性の向上などが寄与する見通し。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高307億9900万円(前年同期比13.5%増)、営業利益40億4600万円(同45.6%増)、純利益27億400万円(同46.9%増)だった。

■カンロ <2216>  2,156円  +182 円 (+9.2%)  本日終値

カンロ<2216>が後場一段高。午後1時30分ごろ、23年12月期の単独業績予想について、売上高を277億円から285億円(前期比13.5%増)へ、営業利益を24億5000万円から29億4000万円(同52.1%増)へ、純利益を16億8000万円から20億5000万円(同52.3%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を22円から30円へ引き上げ年50円としたことが好感された。同社では、市場拡大が継続するグミとオミクロン株の感染拡大や花粉飛散量増加による影響を受けたのど飴需要の急激な増加を受けて、安定供給の観点から3月以降一部製品につき休売などの対応策を実施し、人員増強を含む生産体制の整備を推進。この結果、下期において主力ブランドを中心にグミ・飴ともに更なる需要取り込みが可能となることが要因としている。同時に発表した第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高206億900万円(前年同期比15.0%増)、営業利益22億3500万円(同72.6%増)、純利益15億5100万円(同65.7%増)だった。

■東邦チタニウム <5727>  1,875円  +141 円 (+8.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

東邦チタニウム<5727>が急伸。26日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績と年間配当予想の修正を発表した。最終利益の見通しは29億円から41億円(前期比45.4%減)に引き上げたほか、年間配当予想は8円増額して記念配当3円を含めて20円(前期比10円減配)に見直しており、好感されたようだ。想定為替レートを1ドル=130円から1ドル=140円へ円安方向に見直した。一方、今期の売上高見通しは832億円から807億円(同0.4%増)に下方修正した。中国経済の停滞の影響により、THC触媒や超微粉ニッケルの販売数量が減少すると見込む。9月中間期の売上高は前年同期比5.8%減の366億4900万円、最終利益が同46.3%減の24億3600万円だった。

■信越ポリマー <7970>  1,357円  +98 円 (+7.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

26日に発表した「0.74%を上限に自社株買いを実施」が買い材料。

発行済み株式数(自社株を除く)の0.74%にあたる60万株(金額で9億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は10月27日から12月31日まで。

■弁護士ドットコム <6027>  4,220円  +280 円 (+7.1%)  本日終値

26日に発表した「クラウドサインLGWAN対応機能を提供」が買い材料。

電子契約サービス「クラウドサイン」で総合行政ネットワーク(LGWAN)環境におけるファイルダウンロード機能を提供開始。

■三菱鉛筆 <7976>  1,950円  +127 円 (+7.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位

三菱鉛筆<7976>が大幅高で3日続伸した。26日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想の修正を発表し、最終利益の見通しを71億円から89億円(前期比28.0%増)に引き上げた。更に、32年12月期まで10期にわたり、年間で特別配当2円を実施する方針を示し、今期の年間配当予想についても、特別配当2円を加えて38円(前期比3円増配)に見直した。これらをポジティブ視した買いが集まったようだ。横浜市内にある土地の売却に伴う特別利益を23年12月期に約15億円、24年12月期に約36億円計上する予定。これらの利益は長期の保有によってもたらされたものだとして、特別利益を原資に長期にわたり特別配当として株主に還元する。今期の売上高予想は705億円から730億円(同5.8%増)に上方修正した。海外市場での販売が想定よりも堅調に推移したほか、円安効果も出た。

■FPG <7148>  1,377円  +86 円 (+6.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位

FPG<7148>がマドを開けて急反発した。26日の取引終了後、23年9月期の連結業績について、最終利益がこれまでの予想の112億円から124億6600万円(前の期比47.1%増)に上振れして着地したようだと発表した。期末配当予想は7円40銭増額して73円(前の期の期末配当比23円増配)に見直しており、評価された。前期の売上高は585億円から711億4900万円(前の期比20.2%増)と計画を上回る形となったようだ。不動産小口化商品の販売額が想定を上回って推移したほか、不動産ファンド事業でも海外不動産の販売額が四半期ベースで過去最高となった。航空機リース関連の投資家向け商品に関する評価損を計上しながらも、最終利益はこれまでの過去最高予想を上乗せする格好となった。

■JCRファーマ <4552>  1,146円  +70.5 円 (+6.6%)  本日終値

JCRファーマ<4552>は切り返し急。27日、ムコ多糖症3A型(サンフィリッポ症候群A型)治療酵素製剤「JR-441(血液脳関門通過型ヘパランN-スルファターゼ)」のグローバル臨床第1相・第2相試験において、第1例目となる被験者に治験薬が投与されたと発表した。新薬の実用化への前向きな動きと評価した買いが集まったようだ。ムコ多糖症3A型は、重度の中枢神経障害などを呈する疾患で、標準治療は確立されていないという。JR-441は欧州委員会により2022年1月にオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けている。治験はドイツで行い、1歳から18最までの被験者合計12例を登録する予定としている。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.