話題株ピックアップ【夕刊】(3):ヤマハ、ケーズHD、オリックス
■ヤマハ <7951> 3,730円 -350 円 (-8.6%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
ヤマハ<7951>が急落し年初来安値を更新した。1日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正し、売上収益の見通しを4700億円から4650億円(前期比3.0%増)、最終利益の見通しを385億円から345億円(同9.6%減)に引き下げた。ピアノの販売が中国で低調に推移していることに加え、減産による工場損益の悪化による影響を織り込んだ。9月中間期の売上収益は前年同期比0.7%増の2196億2800万円、最終利益は同28.2%減の149億4500万円だった。
■ケーズホールディングス <8282> 1,321円 -90 円 (-6.4%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
ケーズホールディングス<8282>が安い。1日の取引終了後に24年3月期業績予想の下方修正を発表。売上高を7660億円から7450億円(前期比1.0%増)へ、営業利益を305億円から255億円(同15.4%減)へ引き下げており、これが嫌気された。記録的な猛暑により夏商戦はエアコンが好調だった。ただ、電気代や物価上昇による生活防衛意識の高まりに起因する消費マインドの低下や買い替えサイクルの長期化などにより、当初予想を下回る見込みとなった。
■オリックス <8591> 2,629.5円 -176.5 円 (-6.3%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
オリックス<8591>が3日ぶりに反落した。1日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業収益は前年同期比0.4%減の1兆3597億3500万円、純利益は同4.7%増の1281億円となった。最終利益は増益となったものの、通期の計画(3300億円)に対し、進捗率は約39%にとどまっており、ネガティブ視されたようだ。9月中間期は金融収益や生命保険料収入および運用益、サービス収入が増加した。一方、商品および不動産売上高は減少した。下期以降はベース利益を更に積み上げ、一部資産の売却によるキャピタルゲインで利益を伸ばす方針を示している。
■アステラス製薬 <4503> 1,851円 -93 円 (-4.8%) 本日終値 東証プライム 下落率10位
アステラス製薬<4503>は急反落。3月安値の1823円50銭を下回り、約8カ月ぶりに年初来安値を更新した。1日の取引終了後に24年3月期業績予想の修正を発表。売上高を1兆5200億円から1兆6080億円(前期比5.9%増)へ引き上げた一方、純利益を2040億円から850億円(同13.9%減)へ引き下げており、これを嫌気した売りが出ている。好調ながん領域の3製品(イクスタンジ、パドセブ、ゾスパタ)の状況や為替の円安動向を踏まえ売上高は増加を見込むものの、利益面では米バイオ医薬品企業Iveric Bio社の買収による各種費用の増加が響く見通し。同時に発表した4~9月期決算は売上高が7671億3800万円(前年同期比0.6%増)、純利益が316億7000万円(同67.2%減)だった。
■三菱商事 <8058> 6,891円 -304 円 (-4.2%) 本日終値
三菱商事<8058>は後場に売られ、一時フシ目の7000円を割り込んだ。この日、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直し、最終利益の見通しを9200億円から9500億円(前期比19.5%減)に引き上げた。もっとも9800億円前後の市場コンセンサスに修正後の最終利益は届いておらず、業況に対する投資家側の慎重な見方を強めたようだ。天然ガスや自動車・モビリティー、総合素材及びコンシューマー産業セグメントなどが順調に推移しており、業績予想に織り込んだ。同時に三菱商は12月31日を基準日とし、24年1月1日付で1株を3株に分割すると発表。また年間配当予想について、株式分割前の水準で200円から210円(前期比30円増配)に見直した。
■日本製鉄 <5401> 3,202円 -116 円 (-3.5%) 本日終値
日本製鉄<5401>は逆行安となった。1日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、最終利益の見通しを4000億円から4200億円(前期比39.5%減)に引き上げた。もっとも会社側は下期の経営環境について「未曽有の厳しさとなる」と表現。中国経済の先行き不透明感がくすぶるなか、世界的な粗鋼生産の低迷と原料市況の上昇によるスプレッドの悪化による収益下振れリスクが意識され、買い持ち高を圧縮する目的の売りを促したようだ。同社は今期の売上収益予想を据え置く一方、事業利益予想を6900億円から7400億円(同19.3%減)に増額した。在庫評価差による影響や、コスト改善などの効果が事業利益の計画上振れに寄与する。4~9月期の売上収益は前年同期比13.9%増の4兆4124億2100万円、事業利益は同8.8%減の4942億4900万円、最終利益は同19.4%減の3002億3500万円だった。売上収益は計画に対し未達となったが、マージンの改善やグループ会社の増益、在庫評価損の縮小などにより、事業利益と最終利益は計画を上振れして着地した。
■ヒロセ電機 <6806> 16,585円 -580 円 (-3.4%) 本日終値
ヒロセ電機<6806>が反落した。1日の取引終了後、年間配当予想を60円減額し、440円(前期比60円減配)とすると発表し、嫌気されたようだ。24年3月期第2四半期累計(4~9月)の売上収益は前年同期比12.5%減の829億1000万円、最終利益は同39.0%減の125億9700万円だった。自動車用機器市場向けは堅調だった半面、産業用機器市場や民生市場向けが低迷した。同社はあわせて、取得総数70万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.03%)、取得総額100億円を上限とする自社株買いを11月2日から24年2月29日の間、実施すると公表した。
■アイシン <7259> 5,364円 -123 円 (-2.2%) 本日終値
アイシン<7259>に強気評価が出ている。岩井コスモ証券は1日、同社株の投資判断を「B+」から「A」に引き上げた。目標株価は6300円で据え置いた。第2四半期(4~9月)の連結営業利益は前年同期比3.4倍の908億5000万円で着地。車両メーカーの生産回復や円安が寄与した。同時に24年3月期の同利益は1900億円から2100億円(前期比3.6倍)に見直されたが、同証券では2150億円への再増額修正を予想している。主要取引先のトヨタ自動車<7203>の生産は順調な進捗となっており、依然として円安効果も期待できることから、会社計画を上回る業績達成が期待できるとみている。
■住友化学 <4005> 383.9円 -4.3 円 (-1.1%) 本日終値
住友化学<4005>が3日ぶり反落。1日の取引終了後に24年3月期業績予想の下方修正を発表。売上高を2兆9000億円から2兆7000億円(前期比6.7%減)へ引き下げたほか、営業損益を200億円の黒字から一転1250億円の赤字(前期309億8400万円の赤字)に転落する見通しを示しており、これを嫌気した売りが出ている。合成樹脂やメタアクリルを手掛ける「エッセンシャルケミカルズ」、アルミニウムなどを手掛ける「エネルギー・機能材料」で、世界的な景気減退による需要減少や交易条件の悪化があったことが要因。また、農薬や飼料添加物、医薬品原薬を手掛ける「健康・農業関連事業」で農薬需要の弱含みによる影響が出たことも響く見込み。なお、同時に発表した4~9月期決算は、売上高が1兆1868億円(前年同期比22.4%減)、営業損益が1336億7900万円の赤字(前年同期605億6700万円の黒字)だった。
■ワークマン <7564> 3,940円 -20 円 (-0.5%) 本日終値
ワークマン<7564>は3日ぶりに反落。1日の取引終了後に公表した10月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比12.2%減と2ケタの減収率となったことが嫌気された。前年実績を下回るのは2カ月連続。前年に比べ気温が高く、通年物や秋物が堅調に推移する一方、アウター衣料を中心に冬物全般で大幅に前年を下回った。降雨日が少なく、雨関連商品も伸び悩んだ。なお、全店売上高は同7.8%減だった。
■日本プラスト <7291> 531円 +80 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値
日本プラスト<7291>がストップ高。1日の取引終了後、24年3月期の業績・配当予想の上方修正を発表した。売上高の予想は1212億円から1250億円(前期比20.9%増)、営業損益の黒字額の予想は15億円から29億円(前期は9億6600万円の赤字)に引き上げた。業績の底入れと株価水準の修正への期待が膨らみ、買いが集まった。年間配当予想は2円50銭増額し、15円(前期比5円増配)とした。原材料価格の高騰に伴う販売価格の転嫁が今期は順調に推移する。為替レートが想定よりも円安で推移していることも収益を押し上げる要因となる。
■マイクロアド <9553> 683円 +100 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値
マイクロアド<9553>がストップ高。同社はきょう、人材採用向けサービス「conel(コネル)人材採用パッケージ」の提供を開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。これは、子会社のcoryが提供する企業のLINE公式アカウントを活用したマーケティングサービス「conel」と、マイクロアドのマーケティングプラットフォーム構築サービス「UNIVERSE」が保有するビジネスデータを連携させたもの。LINEアカウントへの友だち集客、チャットボット機能を活用した企業認知向上施策やユーザーのエントリー誘導までを一気通貫でサポートするという。
■あじかん <2907> 1,030円 +150 円 (+17.1%) ストップ高 本日終値
あじかん<2907>はストップ高。1日の取引終了後に24年3月期業績予想の修正を発表。純利益を3億7000万円から9億5000万円(前期比3.6倍)へ引き上げており、これを好感した買いが膨らんだ。価格改定の浸透や生産効率の向上、諸経費の抑制などが寄与。また、想定以上に円安が進行したことで為替予約の時価評価益や決済差益が拡大したことも利益を押し上げる。なお、売上高見通しに変更はない。
●ストップ高銘柄
テーオーHD <9812> 487円 +80 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース