【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 日本の行く手を阻む人手不足、救世主となるか「人材関連」 (訂正)

市況
2023年11月19日 9時30分

「日本の行く手を阻む人手不足、救世主となるか『人材関連』」

●人気圏外に忘れられた重要テーマ

私は思いがけないことを目にした時、独り言を言うことがある。最近、「えっ、うそだろ?」と思わず口にしたのは、「株探」トップページの「人気テーマ(3日間のランキング)」を見ていた時だ。

「半導体」「半導体製造装置」が1、2位を争う人気テーマであるのは予想通りで、「まあ、そうだよな」といったところだったのだが、上位入りを予想していた「人材派遣」がベスト10位 に入っていなかったのだ。

さらに10位より下位のテーマを「人気テーマ【ベスト30】」で確かめたところ、なんと30位にも入っていなかった。そこで、前述の「えっ、うそだろ」という独り言が飛び出したわけである。しかし、世の人手不足は深刻であり、人材確保に必死な企業や商店などが急増しているはずなのに、人材の需給に関わるビジネスが市場の関心外にあることは、意外を通り越して正直驚きだった。

足もとの市場では「半導体」「人工知能(AI)」「インバウンド」「外食」などが強力に市場の関心を吸い上げており、「人材派遣」など雇用に関わるテーマは半ば忘れられた格好となっているのだろうが、それらの重要性は敢えて強調するまでもないだろう。

大阪万博の工事が順調に進まないのも、ライドシェア導入の是非が問われ始めているのも人手不足が背景にあるし、物流がスムーズに機能しなくなっていることも運転手の不足によるものである。福祉の現場も人手不足への対応で苦慮している。

●成長セクターながら勝ち組の選別が難しい人材関連

こうした現実を踏まえると、人材派遣や雇用関連のプラットホームを運営する企業は少なくとも数年は多忙で、収益も増加基調で推移する可能性が高い。ただ、業界内での競争は激化し、しかもそれはさらに加速していくと見るべきであり、勝ち組となり得る企業を選別するのはかなり困難である。

以上を踏まえて、私が選んだのはまずはビジョナル <4194> [東証G]になる。会員制転職サイト「ビズリーチ」を運営。コロナ禍でも売上、営業利益が落ちなかっただけに、コロナ禍を乗り切ったいま絶好調である。株価は私にいわせると、まだ評価不足だ。

人材派遣業界は競争が激化する一方であることは前述した通りだが、そこで生き残るには特定分野に特化した方が有利だ。この点で優位性が高いのが、メイテックグループホールディングス <9744> [東証P]だ。半導体などの設計、開発などに強い技術者派遣で知られ、収益も好調。株価は高値圏ながら一服する場面はあるので、それを見逃さないようにすればよい。

IT関連業界向け技術者派遣で国内首位のテクノプロ・ホールディングス <6028> [東証P]も、今期最高益が見込めるほど収益力が高まっており、株価の値動きは決して早い方ではないものの、二進一退高が見込める。

小売業や飲食向けのアルバイト人材の採用代行に強いツナググループ・ホールディングス <6551> [東証S]も、顧客企業の人材不足が深刻なだけに頼りにされる企業だ。当然、今後の成長拡大が楽しみな企業の一つになる。

最後は人材関連ビジネスから離れて、アダストリア <2685> [東証P]を。ショッピングセンターを中心にカジュアル衣料店「グローバルワーク」を手掛ける。グループで国内外1400店舗以上を展開し、積極経営を続けており、株価はまだ上昇余地ありといえる。

2023年11月17日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.