TOKAI Research Memo(1):エネルギー事業の減益を情報通信事業の増益でカバー、業績は順調に進捗

特集
2023年12月7日 15時31分

■要約

TOKAIホールディングス<3167>は、静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を展開する総合生活インフラ企業である。330万件を超える「顧客基盤」と多彩な商品・サービスをワンストップで提供する「総合力」、顧客ニーズに即応する「営業力」を強みに着実な成長を続けている。

1. 2024年3月期第2四半期累計の業績概要

2024年3月期第2四半期累計(2023年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比1.1%増の105,226百万円、営業利益で同0.0%増の4,254百万円となった。売上高はエネルギー事業やCATV事業の顧客件数増加や情報通信事業の法人向けストックビジネスの拡大等により、3期連続で過去最高を更新した。利益面では、高気温等による家庭用ガス販売量の減少や人件費増加の影響があったものの、エネルギー事業における顧客件数増加に伴う月次課金件数の増加やコンシューマー向け情報通信事業、アクア事業における顧客獲得コスト低減により吸収した。会社計画比で見ると、営業利益はエネルギー事業が高気温による家庭用ガス販売量の減少が影響してやや下回ったものの、情報通信事業やCATV事業の上振れでカバーし、ほぼ会社計画どおりの進捗となった。第2四半期末における継続取引顧客件数は3,328千件となり、前年同期比で85千件増、前期末比で28千件増となった。

2. 2024年3月期の業績見通し

2024年3月期の連結業績は売上高で前期比4.3%増の240,000百万円、営業利益で同0.5%増の15,000百万円と期初計画を据え置いた。エネルギー事業は平均気温の上昇による家庭用販売量の減少が懸念されるものの、原料価格が計画を下回る水準で契約できたことで、利益面では計画達成が可能と見ている。また、受注後れで低迷した建築設備不動産事業も下期は挽回できる見通しだ。法人向け情報通信事業では2023年10月にアマゾンウェブサービス(以下、AWS)のパートナー認定制度であるAWSパートナーネットワークにおいて、最上位レベルの「AWSプレミアティアサービスパートナー」に国内14社目として認証されたことを受け、クラウド構築案件のさらなる受注拡大が期待される。継続取引顧客件数は前期末比84千件増の3,384千万件の計画に対して、第2四半期までの進捗がやや遅れ気味だが、下期はLPガスや情報通信サービスを中心に顧客獲得を強化し、計画達成を目指す。

3. 新中期経営計画の進捗状況

2023年5月に発表した「中期経営計画2025」では、人的資本投資を強化しながら顧客基盤の拡大と多様なライフスタイル、脱炭素の実現につながるサービスを提供することで持続的成長を図る。最終年度となる2026年3月期の経営数値目標は売上高で2,600億円、営業利益で175億円(年平均成長率で4.1%増収、5.5%増益)、継続取引顧客件数は357万件とし、堅実な成長を目指す。DX戦略としては、LPガス事業でスマートメーターの設置率を2023年9月末時点の65%から、2026年3月末に100%にすることで生産性向上を図る。また、デジタルマーケティング施策を強化するツールとなる会員アプリの登録件数を現状の36.5万件から100万件に拡大し、会員アプリを通じて最適なタイミングで最適な提案や最新の情報を発信することで顧客LTVの最大化を目指す戦略だ。M&A戦略もLPガスやCATV事業を中心に前向きに検討を続けており、サービス領域及びサービスエリアの拡大により総合生活インフラ企業としてさらなる成長を図る。

■Key Points

・2024年3月期第2四半期累計の売上高は3期連続で過去最高を更新、営業利益も若干ながら増益を確保

・LPガス事業における高気温の影響は仕入価格の低減で吸収、2024年3月期業績は期初計画を達成する見込み

・2026年3月期の業績目標は売上高で2,600億円、営業利益で175億円と堅実な成長を目指す

・配当性向40~50%を目安に配当を実施、株主優待も合わせた総投資利回りは4~7%の水準

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

提供:フィスコ

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