話題株ピックアップ【夕刊】(2):山パン、小田急、レーザーテク

注目
2023年12月22日 15時15分

■山崎製パン <2212>  3,227円  +84 円 (+2.7%)  本日終値

山崎製パン<2212>が急動意。脱コロナに伴う外出機会の増加で消費者のコンビニエンスストアなどでの商品購入機会が増えていることに加え、食パンや洋菓子など製品値上げ効果も発現し、業績は会社側の想定を上回って好調な推移を示している。21日取引終了後、23年12月期業績の上方修正を発表、営業利益は340億円から395億円(前期比79%増)に大幅増額しており、これを評価する形で投資資金が流入した。7期ぶり大幅ピーク利益更新となる見通し。

■小田急電鉄 <9007>  2,229.5円  +51 円 (+2.3%)  本日終値

小田急電鉄<9007>が続伸。21日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を600万株(発行済み株数の1.64%)、または150億円としており、取得期間は12月25日から31日まで。株主還元の充実及び資本効率の向上を図るためとしており、立会外買付取引を含む市場買い付けにより取得するとしている。同時に、住宅や商業施設、ホテルなどの企画・設計・運営を行う100%子会社UDSの全株式を、24年4月1日をメドに野村不動産ホールディングス<3231>に譲渡すると発表した。譲渡価額は非開示で、売却益約180億円は25年3月期第1四半期に特別利益として計上される予定。なお、24年3月期業績への影響はないとしている。

■レーザーテック <6920>  35,850円  +460 円 (+1.3%)  本日終値

レーザーテック<6920>は売り買い交錯。前日の米国株市場では半導体メモリー大手のマイクロンテクノロジー<MU>が決算を好感され一時9.3%高と値を飛ばし、半導体関連株全体に物色人気が波及した。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2.8%高となり、前々日の下げをほぼ帳消しにする上昇をみせた。これを受け東京市場でも半導体製造装置の主力どころは総じてリスクを取る動きが優勢となっている。そのなか、レーザーテクは前日に日経平均が500円を超える大幅安となったにもかかわらず、逆行高を演じ一時1000円近い上昇で約2年ぶりに上場来高値を更新するという異彩の上げ足をみせた。個人投資家の短期資金の参戦が観測される一方、「AIアルゴリズムによる高速取引の対象にもなっている」(ネット証券マーケットアナリスト)もようで、前日の売買代金は同社1銘柄のみで4400億円を上回る高水準をこなした。一方、値動きが不安定で「短期トレーダーの思惑とは逆に行く」(同)パターンが多いとされ、きょうも値幅こそ小さいものの上下に荒い動きで方向感が見えにくい展開となっている。

■小糸製作所 <7276>  2,264円  +14 円 (+0.6%)  本日終値

小糸製作所<7276>が反発。この日、米セプトン<CPTN>の子会社化に向けて、同社と株式取得に関する交渉を開始すると発表しており、好材料視された。同社とセプトンは、18年に車載用LiDARの共同開発を開始し、中距離用LiDARの開発・量産準備が完了し、現在、長距離用に加え、短距離用LiDARの開発に取り組み、乗用車から産機・建機・農機など車載向けすべてのニーズへの対応を図っているという。小糸製ではセプトンを子会社化することで、セプトンの優れた技術力と小糸製の自動車照明器や交通システム事業などで培った技術・ノウハウのシナジーを追求するほか、LiDAR事業におけるQCDD(品質・価格・供給・開発)など、市場競争力の更なる強化を図るとしている。なお、同件による24年3月期業績への影響は軽微としている。

■ネクソン <3659>  2,609円  -353.5 円 (-11.9%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

ネクソン<3659>が急落。米ブルームバーグ通信がこの日、「中国の国家新聞出版署は22日、オンラインゲームへの過度な支出のほか、ゲーム利用を促すリワードを制限する方針を示した」と報じた。ネクソンに対しては、中国当局によるオンラインゲームの管理強化が収益を押し下げる要因となるとの見方が広がり、売りを促したようだ。中国でモバイルオンラインゲームの企画・開発を行う子会社を持つKLab<3656>も大幅安。コーエーテクモホールディングス<3635>が軟調に推移している。

■サイボウズ <4776>  1,936円  -234 円 (-10.8%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

サイボウズ<4776>が大幅安。21日取引終了後に来24年12月期の業績予想を発表し、売上高を今期予想比13%増の287億3000万円、純利益を同4.9%増の20億2800万円と増収増益の見通しを示した。ただ、今期の業績急拡大と比べ物足りないとの見方が優勢となり、目先利益確定売りを誘発したようだ。クラウド事業が引き続き伸びるほか、将来の収益力を高めるための積極的な投資も見込む。配当予想は今期予想比1円増の15円とした。

■西松屋チェーン <7545>  2,089円  -31 円 (-1.5%)  本日終値

西松屋チェーン<7545>は冴えない。21日の取引終了後に発表した12月度(11月21日~12月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比2.9%減と2カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。育児・服飾雑貨の売り上げは好調に推移したものの、月度後半の気温が前年と比較して高めに推移したことで、冬物衣料の売り上げが前年を下回った。なお、全店売上高は同1.0%増だった。

■コラボス <3908>  393円  +80 円 (+25.6%) ストップ高   本日終値

コラボス<3908>がストップ高。同社は21日取引終了後、独自の人工知能(AI)マーケティングシステム「UZ(ウズ)」の提供を開始したと発表しており、これが材料視されたようだ。このシステムは、コールセンターの通話録音データとして蓄積されるVOC(顧客の声)から顧客ニーズを可視化するとともに、顧客の興味・関心をAIで解析し、高い訴求効果が見込める「興味関心キーワード」を抽出。チャットGPTと連携させることで、抽出した「興味関心キーワード」をもとに、簡単にさまざまな例文が作成可能になり、効果的なVOC分析やマーケティング施策が実施できるという。

■アクモス <6888>  459円  +80 円 (+21.1%) ストップ高   本日終値

アクモス<6888>は急騰。システム開発やネットワーク構築及び保守などITソリューション事業を主力展開する。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を取り込み業績は好調に推移している。24年6月期は営業利益段階で前期比9%増の7億1000万円と増益が続く見通しだが、株主還元にも積極的。21日取引終了後、今期の年間配当を従来計画の14円から10円の大幅増額となる24円(前期は13円)とすることを発表した。これがサプライズ材料となった。配当利回りは前日終値換算で6.3%に達する。また、システム受託開発などを手掛けるプライムシステムデザイン(東京都中野区)の株式を取得し子会社化することも同日に発表、これも株価を刺激する材料となっている。

■Welby <4438>  603円  +100 円 (+19.9%) ストップ高   本日終値

Welby<4438>はストップ高。21日の取引終了後、子会社Welbyヘルスケアソリューションズとともに、日本生命保険(大阪市中央区)との間で業務提携に関する基本合意書を締結すると発表。あわせて、Welbyヘルスケアソリューションズが日本生命に対して第三者割当増資を実施し、資本提携を行う。パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)を用いた地域医療機関連携やネットワーク構築を発展させ、未病・予防から医療現場に至る生活習慣病領域での事業展開を目指す。

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