【杉村富生の短期相場観測】 ─売買益圧縮の"標的"にされた銘柄を狙う!

市況
2023年12月24日 9時15分

「売買益圧縮の“標的”にされた銘柄を狙う!」

●利食いの先送りは新春の波乱要因に!

師走相場特有の荒っぽい展開となっている。ボラティリティ(株価変動率)が極端に高い。乱高下だ。インデックス、先物主導の動きである。NY市場ではウィンドウ・ドレッシング(利食いの玉は売らず、年末の基準価格を上昇させるために買う)、タックスロス・セリング(値下がりしている銘柄は課税額を減らすために売る)が行われている。

これは東京市場も同じだろう。日経平均株価は1月4日の2万5661円(ザラバベース)を安値に、11月20日には3万3853円の高値まで急騰した。上昇幅は8192円、上昇率は31.9%となる。それだけに、多くの投資家が売買益を稼いだと思う。当然、利食いは先送りし、損出しを優先して課税額を圧縮する。

いつもの行動ではないか。いまや、年末の恒例行事のようになっている。しかし、これが激しすぎると、年明けに逆のパターンが出現する。すなわち、機関投資家、個人ともに一斉に売りを出すのだ。これが1月第2週~3週まで続くことになる。急落だ。2023年の新春相場が基本的にそうだったじゃないか。

しかし、そこは突っ込み買いのチャンスとなる。それと、現状ではタックスロス・セリングのターゲットになっている銘柄を静かに拾う戦術は有効だ。なにしろ、理不尽に売り叩かれている。ファンダメンタルズは悪くない。売買損を得る目的での売りだ。容赦がない。だが、2024年には大きな戻りが期待できる。

●やはり、主役はハイテク系セクター!

具体的にはゲームカード・ジョイコホールディングス <6249> [東証S]、スマサポ <9342> [東証G]、オプティマスグループ <9268> [東証S]などが好例だろう。ゲームカード・ジョイコホールディングスは8月8日の高値5450円が12月14日には1844円の安値まで売り込まれた。下落率は66.2%となる。

スマサポは1月4日の高値3195円が12月15日には1018円の安値を付けた。下落率は何と、68.1%だ。暴落である。もちろん、急落には理由があった。意図的な売り仕掛けもみられた。しかし、11~12月の下げは「値下がりしているから売る」という単純な要因だ。いわゆる、タックスロス・セリングのターゲットである。

問題は株価が下げた要因の解析、および今後の展望だろう。これは両社とも解決済みだし、2024年は劇的に改善する。したがって、株価は戻りに転じる。だからこそ、筆者はタックスロス・セリングのターゲットになった「あわれな子羊を救え」と主張している。究極の逆張り戦法である。辰年相場での“大吉”は間違いないだろう。

さて、外部環境面ではSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が上昇、円高傾向が続いている。自動車業界はトヨタ自動車 <7203> [東証P]グループ、ホンダ <7267> [東証P]など品質に関するゴタゴタが相次いでいる。これは手を出せない。当面、買い見送りだ。半面、ハイテク系セクターは面白い展開となろう。

ドル建ての日経平均株価は2021年2月16日の高値(288.79ドル)をいまだに抜いていないが、円高はその出遅れを修正する。外国人の投資意欲は高まるはずだ。アップル<AAPL>サプライヤーのデクセリアルズ <4980> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]などに妙味がある。

2023年12月22日 記

★元日~4日に、2024年「新春特集」を一挙、"27本"配信します。ご期待ください。

→→ 「新春特集」の記事一覧をみる

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.