話題株ピックアップ【夕刊】(1):デクセリ、スクエニHD、三菱重
■デクセリアルズ <4980> 5,146円 +700 円 (+15.7%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
デクセリアルズ<4980>が急伸してストップ高の5146円に買われ、上場来高値を更新した。5日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を1000億円から1035億円(前期比2.5%減)へ、営業利益を250億円から320億円(同0.9%減)へ、純利益を180億円から200億円(同3.3%減)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を40円から65円へ引き上げ年間配当予想を100円(前期65円)としたことが好感された。為替が円安に推移したことに加えて、想定していたマクロ経済環境や地政学リスクの顕在化がなく、粒子整列型ACF(異方性導電膜)などの高付加価値製品の販売がスマートフォン向けを中心に拡大し、第3四半期時点で売上高及び利益が計画を上回っていることが要因。また、第4四半期の想定為替レートを1ドル=135円から144円に見直したとしている。なお、同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高807億1700万円(前年同期比7.5%減)、営業利益266億5800万円(同9.0%減)、純利益168億4300万円(同9.7%減)だった。また、180万株(発行済み株数の2.96%)、または60億円を上限として自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は2月6日から3月19日までで、取得した全株式については3月27日付で消却するという。
■MCJ <6670> 1,391円 +147 円 (+11.8%) 本日終値
MCJ<6670>は3連騰し実質上場来高値を更新。5日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、営業利益を143億円から167億円(前期比16.6%増)へ、純利益を101億円から119億円(同23.9%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を34円から57円(普通配当37円、記念配当20円)へ引き上げたことを好感した買いが入った。国内パソコン関連事業は急激な円安傾向などに伴う原材料・部材価格高騰や軟調な国内パソコン需要を受けて低調な事業環境が継続しており、売上高は1946億円から1850億円(同3.2%減)へ下方修正した。ただ、海外パソコン関連事業が想定を上回って好調な推移となっていることが利益を押し上げる。なお、同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高1347億4000万円(前年同期比4.9%減)、営業利益130億8100万円(同23.7%増)、純利益96億3200万円(同32.2%増)だった。
■ワールド <3612> 1,990円 +207 円 (+11.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
ワールド<3612>が急騰。5日取引終了後に23年4~12月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比5.1%増の1654億2000万円、純利益は同24.6%増の81億100万円だった。あわせて株主優待制度の拡充を発表しており、これらを好感した買いが膨らんでいる。外出需要や都市集客の回復が継続し、アパレルが牽引する格好で店舗売り上げが伸長。店舗とECの両販路で残暑や暖冬などの気温変化に対応し、販売掛け率を細かくコントロールしたことも奏功した。23年2月期通期(11カ月の変則決算)の業績予想に変更はない。株主優待の拡充では保有株式数の区分を現行の「100株以上300株未満」「300株以上」の2区分から、「100株以上300株未満」「300株以上500株未満」「500株以上」の3区分に変更した。継続保有期間(半年以上または3年以上)に応じ、年3000円から年4万円分の株主優待券を贈呈する。2月から実施する。
■チャームケア <6062> 1,333円 +116 円 (+9.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
チャーム・ケア・コーポレーション<6062>が続騰し、昨年来高値を更新した。5日の取引終了後、24年6月期第2四半期累計(7~12月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比49.0%増の17億5500万円となり、計画を上回って着地した。直近3カ月間の10~12月期でも経常利益は同68%増と大幅な増益となっており、業況を評価した買いが集まったようだ。12月中間期の売上高は前年同期比25.2%増の185億8700万円だった。介護事業では既存ホームが好入居率を維持し、新設ホームの入居も好調だった。業務効率化の効果もあって、業績の計画上振れにつながった。
■スクエニHD <9684> 6,343円 +434 円 (+7.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>が3連騰。5日の取引終了後に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算は、売上高2576億1200万円(前年同期比0.8%増)、営業利益349億1800万円(同15.5%減)と増収減益となったものの、10~12月期では営業利益は同15.1%増となっており、7~9月期に続く四半期ベースでの増益を好感した買いが入った。デジタルエンタテインメント事業でMMO(多人数参加型オンライン)RPGやスマートフォン・パソコン向けゲームは苦戦したものの、「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」などを発売したことなどが寄与した。また、出版事業で23年10月にテレビアニメ放送を開始した「薬屋のひとりごと」の大ヒットなどにより、紙媒体及びデジタル販売の収益が好転したことも寄与した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高3600億円(前期比4.9%増)、営業利益550億円(同24.1%増)の従来見通しを据え置いている。
■西松建設 <1820> 4,357円 +273 円 (+6.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
西松建設<1820>は大幅高で3日続伸し昨年来高値を更新。午前9時ごろ、24年3月期の連結業績予想について、売上高を3850億円から3875億円(前期比14.1%増)へ、営業利益を150億円から165億円(同30.8%増)へ上方修正したことが好感された。完成工事高及び不動産事業等売上高が想定を上回る見込みであることが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高2948億4300万円(前年同期比20.3%増)、営業利益148億7700万円(同24.5%増)だった。
■三菱重工業 <7011> 10,755円 +650 円 (+6.4%) 本日終値
三菱重工業<7011>は後場プラスに転換。午後1時30分ごろに発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算が、売上高3兆2607億円(前年同期比11.0%増)、純利益1380億5000万円(同2.1倍)と大幅増収増益となったことが好感された。製鉄機械、物流機器、防衛・宇宙の各事業が売り上げを大きく伸ばしたことに加えて、工事採算の改善、サービス事業の拡大、価格の適正化、為替の影響などが寄与した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高を4兆3000億円から4兆4000億円(前期比4.7%増)へ上方修正し、純利益1900億円(同45.6%増)は従来見通しを据え置いている。また、3月31日を基準日として、1株を10株に株式分割すると発表しており、これも好材料視された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、投資家がより投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることが目的としている。
■ENECHANGE <4169> 1,182円 +69 円 (+6.2%) 本日終値
ENECHANGE<4169>が急伸。同社はきょう、プレミアム・アウトレット6施設に「EV充電エネチェンジ」が導入されたと発表。4月以降も追加の受託が決定しており、これが株価を刺激したようだ。なお、このほど設置されたのは佐野(栃木県佐野市)、酒々井(千葉県酒々井町)、土岐(岐阜県土岐市)、神戸三田(兵庫県神戸市)、りんくう(大阪府佐野市)、鳥栖(佐賀県鳥栖市)のプレミアム・アウトレットだとしている。
■コメ兵ホールディングス <2780> 4,955円 +280 円 (+6.0%) 本日終値
コメ兵ホールディングス<2780>が上げ幅を拡大した。6日午前11時に発表した1月度の月次売上高は前年同月比56.4%増の75億8800万円となった。増収基調の継続を好感した買いが入ったようだ。1~8日にセールを開催。小売が引き続き好調だったという。免税売上高比率は11.4%だった。
■日本電気硝子 <5214> 3,604円 +200 円 (+5.9%) 本日終値
日本電気硝子<5214>が3日続伸し連日の昨年来高値更新。5日の取引終了後に発表した24年12月期連結業績予想で、売上高3100億円(前期比10.7%増)、営業利益160億円(前期104億2000万円の赤字)、最終利益270億円(同261億8800万円の赤字)と大幅黒字転換を見込み、年間配当予想を前期比10円増の130円を予定していることが好感された。ディスプレー事業で、得意先の生産調整の影響が残るものの中国市場を中心に回復を見込むことに加えて、電子デバイス事業では半導体用サポートガラスを中心に半導体向け製品の販売拡大を予想する。前期に実施した事業構造改革の効果も寄与し、大幅黒字転換する見通しだ。同時に28年12月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、売上高4000億円、営業利益500億円を目指すとしたことも好材料視された。
株探ニュース