来週の株式相場に向けて=34年ぶり史上最高値更新の瞬間はくるか
16日の東京市場で日経平均株価は一時700円を超える上昇となり、1989年12月29日につけた歴史的な史上最高値(3万8915円87銭)まであと50円程度まで肉薄する場面があった。
言うまでもなく、急伸の背景にあるのは前日のアプライド・マテリアルズ<AMAT>の好決算に後押しされた半導体関連株の急伸だ。ただ、日経平均株価の3万7000円台をたった2日間で駆け抜けたことが象徴するように、上昇ピッチの速さは否定できない。実際、この日は買い一巡後はレーザーテック<6920>やアドバンテスト<6857>などが利益確定売りに押され、値を下げて取引を終えた。SCREENホールディングス<7735>の場合、年初から今日まで30日間の立ち会いで値を下げたのは7日のみと一本調子の上昇を演じていた。この日の半導体株の下落に関しては、日銀の植田総裁の発言が予定されていたことから「海外の短期筋などがいったん売りを出したのかもしれない」(市場関係者)ともいう。
とは言え、半導体株は下落したが売買代金が膨らむなか全体の8割超の銘柄が上昇。物色の裾野が広がる気配も出始めている。堅調な決算を背景に株価は上昇しており、連結PERは16倍前後に過ぎない。「日経平均株価の最高値更新は時間の問題で、4万円まで一気に突き進むかどうかが焦点」(市場関係者)とみる声は少なくない。いずれにせよ、日経平均株価は来週にも史上最高値更新もあり得る状況にあり、34年ぶりの歴史的瞬間は近づいている。
そんななか、来週は21日に予定されている半導体中核銘柄のエヌビディア<NVDA>の決算が注視される。エヌビディアに関しては昨年11月決算時には純利益が前年同期比で14倍となる大幅増益を発表しながらも、株価は下落した。同社の決算発表で半導体株相場に一段の弾みがつくのか、それともいったん材料出尽くしとなるか、その動向は全体相場を左右しそうだ。また、同日には1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。
上記以外のスケジュールでは、19日は米国がプレジデント・デーで休場。20日にウォルマート<WMT>、21日にシノプシス<SNPS>、22日にニューモント<NEM>などの決算がある。国内では19日に12月機械受注、21日に1月訪日外客数が発表される。23日は天皇誕生日で休場となる。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7900~3万9100円前後。(岡里英幸)