業績と株価の急変貌相次ぐ、ホットマネーが狙う「ゲーム関連」5銘柄 <株探トップ特集>

特集
2024年3月6日 19時30分

―「ポケカアプリ」でディーエヌエS高、次なる物色候補にターゲットを定めよ―

ゲーム関連株は株式市場で常に注目の的となっている。ゲームタイトルのヒットの度合いによって業績を一変させ、株価の居どころを大きく変える可能性を秘めているためだ。一度流れが形成されたゲーム株物色の強さは目を見張るものがあり、時価総額1兆円を超えるような超大型株を短期間で倍化させる威力を持つ。中小型株であれば更なる好パフォーマンスを叩き出すこともある。AI・半導体株が主導する足もとの相場環境下、ゲームに絡んだ材料でディー・エヌ・エー <2432> [東証P]がストップ高となり直近話題を呼んだ。

●ゲーム株相場はダイナミック、過去には100倍株も

任天堂 <7974> [東証P]の持ち分法適用会社のポケモンは2月27日、トレーディングカードゲーム「ポケモンカードゲーム」のスマートフォンアプリ「Pokemon Trading Card Game Pocket」を発表した。年内のリリースを予定しており、開発はポケモン関連商品の企画開発を行うクリーチャーズ(東京都千代田区)とディーエヌエの2社が担当する。この発表を受けディーエヌエは翌28日に制限値幅いっぱいまで上昇し、その後約半年ぶりの高値をつける場面があった。

ゲームは近年パソコンやスマホの普及とともにますます身近な存在となり、子どもから大人まであらゆる世代に広く浸透している。また、アニメや漫画と並び日本のお家芸として海外からの人気も高く、株式市場では潜在的なビジネスチャンスの大きい分野と目される。1本のヒット作が業績を変貌させることも決して珍しくはない。関連銘柄には投資家の視線が継続的に注がれ、ひとたび好材料が出現すると一斉に投資資金が群がり人気化する――。こうしたダイナミックな物色が過去、幾度となく目撃されてきた。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> [東証P]の大相場は今でも多くの投資家の記憶に強く残っていることだろう。人気ゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の大ヒットを受け、2012~13年にかけて株価を100倍に大化けさせた。16年の「ポケモンGO」相場では短期間で超大型株の任天堂が2倍強に株価水準を切り上げたほか、関連銘柄に位置づけられたサノヤスホールディングス <7022> [東証S]が約5倍、IMAGICA GROUP <6879> [東証P]やエスケイジャパン <7608> [東証S]が3倍近くに急上昇。昨年はゲームアプリ開発の東京通信グループ <7359> [東証G]の上げ足が鮮烈だった。個別材料を手掛かりに買いを集め、2カ月足らずで株価を3倍化させた。

●株価変貌期待の中小型株

数々の銘柄を急騰させ、直近では時価総額1000億円台のディーエヌエをストップ高に導いたゲーム株物色の流れは次にどの銘柄に向かうだろうか。ゲームセクターの範疇にある銘柄は実に数多く存在する。今回、その候補となり得る中小型株を5銘柄取り上げてみた。

バンク・オブ・イノベーション <4393> [東証G]はスマホゲームの開発会社。同社も急騰相場を演じたことがあり、22年配信の大型RPG「メメントモリ」がヒットし半月ほどで株価を5倍化させた。23年9月期の売上高は前の期比8.8倍、営業損益は赤字から脱却し一気に最高益更新と業績変貌を遂げた。続く今期は反動減が予想されるが、安定的に黒字が見込める収益体質になってきた点はポジティブ。足もとの株価は急騰前の水準まで低下しており、底打ちが意識される頃合いに。メメントモリに続く第2、第3の大型RPGを開発中だ。

マイネット <3928> [東証S]はゲーム運営に特化した事業を展開。他社からゲームタイトルの売却や運営委託を受け、独自のノウハウを用いて収益化を図っている。運営タイトル数は累計80以上と業界トップクラスの実績を持つ。このほか新規事業としてスポーツ分野に注力し、実在するスポーツ選手を使ったシミュレーションゲームなども手掛ける。売り上げの多様化やコスト最適化が奏功し、23年12月期は2期ぶり営業黒字に転換。今期は3割増益を見込んだ。株価はAIソリューション企業との業務提携を材料に先月急動意した。

ケイブ <3760> [東証S]は数多くのスマホゲームを手掛け、「モンスターストライク」の開発で知られる同業でらゲーを22年に子会社化し業績を飛躍させている。連結効果で23年5月期の売上高は前の期比4.9倍、営業損益は7期ぶりに黒字に浮上した。今期見通しは非開示だが、上期時点で前年同期比9.4倍増収・黒字転換と高成長トレンドをまい進。会社側では昨年11月に配信した「東方幻想エクリプス」が収益に大きく貢献する予定としており、来月の決算発表に向けて期待が膨らむ。年内に新作4本のリリースを目指す。

KLab <3656> [東証P]はアニメや漫画などのIP(知的財産)を用いたモバイルオンラインゲームを企画開発。巷(ちまた)で話題のモンスター育成ゲーム「パルワールド」を運営するインディーゲーム会社ポケットペア(東京都品川区)とゲームを共同開発すると1月に発表。これを手掛かりに物色人気化し、直近マーケットの耳目を集めた。年内に米エレクトロニック・アーツ<EA>と共同開発中のサッカーゲームをリリースする予定で、大きな収益寄与を見込んでいる。ここ数年苦戦が続く業績の反転材料となるか注目したい。

エクストリーム <6033> [東証G]はゲーム会社を含む法人向けにエンジニアを派遣する「デジタル人材事業」が主力。ゲーム・各種システム開発などを請け負う「受託開発事業」、保有するゲーム・キャラクターのIPを活用して事業を行う「コンテンツプロパティ事業」も展開する。企業のデジタル人材に対する旺盛な需要を捉え、23年3月期は営業7割増益と急拡大。今期は当初減益を見込んでいたが、2月に上方修正し一転増益の見通しに。業績修正とあわせ配当も増額した。同社は配当性向20%を目安として掲げている。

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