話題株ピックアップ【夕刊】(2):任天堂、純金信託、さくらネット

注目
2024年3月11日 15時17分

■任天堂 <7974>  8,312円  +81 円 (+1.0%)  本日終値

任天堂<7974>が堅調推移。アニメ制作の米イルミネーションと任天堂は10日、「スーパーマリオ」の新たなアニメ映画を2026年4月に公開すると発表。有力IP(知的財産)をもとにした中期的な収益押し上げ効果を期待した買いが入り、全体相場が調整色を強めるなかで頑強な動きをみせている。新作アニメ映画は米国を含む多くの国と地域において26年4月3日の公開を予定。その他の国と地域についても同月中の劇場公開を目指す。イルミネーション創業者で代表のクリス・メレダンドリ氏と、マリオの生みの親とされる任天堂の宮本茂フェローが共同でプロデューサーを務める。映画の制作には米ユニバーサル・ピクチャーズと任天堂が出資。全世界での配給はユニバーサル・ピクチャーズが行う。

■純金信託 <1540>  9,781円  +26 円 (+0.3%)  本日終値

純金上場信託(現物国内保管型)<1540>が新値街道をまい進。前週末8日のニューヨーク市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が広がるなか、金先物相場が連日で過去最高値を更新した。週明け11日の東京市場でも金先物相場には上昇圧力が掛かっている。これらを背景に、金価格連動型のETF(上場投資信託)への買いが入ったようだ。SPDRゴールド・シェア<1326>やNEXT FUNDS 金価格連動型上場投信<1328>も堅調に推移。

■さくらインターネット <3778>  6,620円  -1,500 円 (-18.5%) ストップ安   本日終値  東証プライム 下落率2位

さくらインターネット<3778>はストップ安。世界的な生成AIブームのなか、株式市場ではAIの普及によって需要増が見込まれるデータセンターを手掛ける同社に熱視線が集中。昨年11月に政府や自治体のシステム基盤「政府クラウド」の提供事業者に認定されたことも手掛かりに物色人気化した。同11月に1200円近辺で推移していた株価は、今年3月7日に1万980円の高値まで一気に駆け上がった。急ピッチな上昇の反動で前週末8日に大きく下げたが、きょうも売りが膨らみ連日の急落となっている。

■シーイーシー <9692>  1,551円  -328 円 (-17.5%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

シーイーシー<9692>が急反落。前週末8日取引終了後に25年1月期連結業績予想を発表。売上高は前期比6.4%増の565億円としたが、営業利益を同1.3%減の62億8000万円と一転減益の見通しを示しており、これを嫌気した売りが出た。配当予想は前期比同額の55円とした。同時に発表した24年1月期決算は、売上高が前の期比10.2%増の531億2400万円、営業利益が同45.4%増の63億6100万円だった。受託開発をはじめとする主力事業が伸長した。前の期に投資有価証券売却益を計上した影響で、純利益段階では減益で着地した。

■チェンジHD <3962>  1,152円  -225 円 (-16.3%)  本日終値  東証プライム 下落率4位

チェンジホールディングス<3962>が急落。朝日新聞電子版は11日、「ネット通販大手のアマゾンが来年春にも、ふるさと納税の仲介事業へ参入することを調整していることがわかった」と報じた。チェンジHDはふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクを傘下に持つ。アマゾン・ドット・コム<AMZN>の参入に伴う競争環境の変化と、収益面での悪影響を懸念した売りを促したようだ。「ふるなび」を運営するアイモバイル<6535>や、ふるさと納税サービス「ポケマルふるさと納税」を展開する雨風太陽<5616>も大きく水準を切り下げている。

■クミアイ化学工業 <4996>  787円  -46 円 (-5.5%)  本日終値

クミアイ化学工業<4996>が大幅安。前週末8日の取引終了後に発表した第1四半期(23年11月~24年1月)連結決算が、売上高392億9800万円(前年同期比8.1%減)、営業利益29億4200万円(同49.3%減)、純利益24億8800万円(同27.8%減)と大幅減益となったことが嫌気された。半導体需要の回復によりビスマレイミド類の出荷が大きく増加した一方、畑作用除草剤「アクシーブ剤」が、オーストラリアでの在庫調整による出荷減やジェネリック対策としての値下げ対応に加えて、アルゼンチン向けの出荷時期の変更により減少した。また、原価コストや販管費の増加も利益を圧迫した。24年10月期通期業績予想は、売上高1670億円(前期比3.7%増)、営業利益120億円(同14.8%減)、純利益110億円(同39.0%減)の従来見通しを据え置いている。

■日経レバ <1570>  28,220円  -1,280 円 (-4.3%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>がマドを開けて急落、2万7700円近辺に位置する25日移動平均線との上方カイ離を急速に修正する動きをみせている。日経平均株価に連動する仕組みで組成されたETFで価格変動率が日経平均の2倍に設定されているのが最大の特徴。前週前半まで日経平均が史上最高値圏を進むなか、日経レバの上げ足も加速しフシ目の3万円大台で推移していた。しかし、足もとで先物主導の売り仕掛けで日経平均が大きく下値を試す展開を強いられており、それに追随し一気に2万8000円大台攻防の様相を呈している。直近信用取組は信用倍率が0.94倍と1倍近辺で拮抗、日証金では貸株が急増し貸借倍率0.28倍と大幅に売り長となっている。

■東京エレクトロン <8035>  37,150円  -1,210 円 (-3.2%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置大手が総じて売られる展開を余儀なくされた。前週末の米国株市場ではハイテク系グロース株への売りが広がり、エヌビディア<NVDA>やアプライド・マテリアルズ<AMAT>などをはじめ半導体関連株の下げが目立った。特に悪材料が出たわけではないが、ここ最近の株価上昇の反動で利益確定売りが顕在化し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4%あまりの大幅な下げを余儀なくされた。これを受けて東京市場でも同関連株への売りを誘発している。特に東エレクやアドテストは日経平均寄与度の高い銘柄でもあり、先物主導のインデックス買いの影響も受けて下げ圧力が強い。

■オハラ <5218>  1,255円  -14 円 (-1.1%)  本日終値

オハラ<5218>が3日続落。前週末8日の取引終了後、24年2月期第2四半期(23年11月~24年4月)連結業績予想について、売上高を136億円から131億円(前年同期比10.0%減)へ、営業利益を10億円から8億円(同49.3%減)へ下方修正したことが嫌気された。光事業でサプライチェーン内の在庫調整の影響により光学ガラスの生産調整が続いていることや、エレクトロニクス事業で一部の製品出荷が後ろ倒しになったことなどが要因としている。なお、下期に向けて生産調整が解消する見込みであることや、半導体露光装置向け製品の需要が堅調に推移する見込みであることなどから、通期予想は売上高285億円(前期比1.3%増)、営業利益27億円(同20.9%増)の従来見通しを据え置いている。同時に発表した第1四半期(23年11月~24年1月)決算は、売上高63億4500万円(前年同期比9.9%減)、営業利益3億6600万円(同60.9%減)だった。

■日本駐車場開発 <2353>  191円  -2 円 (-1.0%)  本日終値

日本駐車場開発<2353>が反落。前週末8日の取引終了後に発表した第2四半期累計(23年8月~24年1月)連結決算が、売上高159億5500万円(前年同期比4.4%減)、営業利益32億7600万円(同7.8%減)、純利益23億700万円(同9.7%減)と減収減益となったことが嫌気された。駐車場事業やスキー場事業で売上高・営業利益ともに上期として過去最高を記録したものの、その他事業で前期にロクヨン社の保有不動産売却による一過性の売上高・営業利益があった反動があり、全体として減収減益を余儀なくされた。なお、24年7月期通期業績予想は、売上高330億円(前期比3.6%増)、営業利益70億円(同12.9%増)、純利益48億円(同8.9%増)の従来見通しを据え置いている。

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