【杉村富生の短期相場観測】 ─ハイテクはエヌビディア次第の展開に!

市況
2024年3月17日 9時15分

「ハイテクはエヌビディア次第の展開に!」

●世界最大級の「GTC」が開催される!

当面はTOPIX主導(中・低位株が物色の柱)の展開となろう。全般カサ上げの動きだ。日経平均株価は高値波乱に陥っている。FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げがCPI(米消費者物価指数)、PPI(米卸売物価指数)の数値(高止まり)を受け、後ズレ(6月以降)しそうなムードである。10年物国債利回りは4.292%に上昇している。

半面、日銀は3月18~19日の金融政策決定会合において、金融政策の修正に踏み切る可能性が濃厚だ。春闘では大企業の「満額回答」が相次いでいる。要求を上回る回答が続出した。いよいよ、デフレ脱却がみえてきた。YCC(イールドカーブ・コントロール→長短金利操作)の撤廃、ゼロ金利政策の解除の条件は整いつつある。

この日米の金融政策の違いはドル安・円高圧力につながる。それに、年初以来の買い手は外国人(特に、オイルマネー)だったが、イスラム圏はラマダン(断食月→3月11日~4月10日頃)に入っている。このため、ハイテクセクターは手掛けづらい。目先はTOPIXの史上最高値(1989年12月18日の2884.8ポイント)挑戦が焦点だろう。

ハイテクセクターは日米市場ともに、エヌビディア<NVDA>の動向に影響を受ける。3月18~21日にAI(人工知能)、GPU(画像処理半導体)の世界最大級のイベント「GPUテクノロジーカンファレンス→GTC」(シリコンバレーのサンノゼ・マッケンナリー・コンベンションセンター)が 開催される。

主催はエヌビディアだ。初日には創業者のジェンスン・フアン氏の基調講演が予定されている。AIの有識者、研究者、エンジニアなどが集い、600を超えるセミナーが開かれる。世界屈指のAIイベントである。自動運転、ロボティクス、エッジAI、生成AI(ジェネレーティブAI)などあらゆる業界を変える最新技術が登場する。

●住友化学、LAホールディングスに妙味!

この成果次第では4月10日を前に、ハイテクセクターが底入れする公算があろう。ただ、AI関連および半導体関連はフィーバーを演じてきただけに、目先は調整が必要だろう。AI関連ではサービスナウ<NOW>(エヌビディアと業務提携)の最高ランクのパートナー称号を持つロココ <5868> [東証S]の上値は残っていると思う。

住友化学 <4005> [東証P]の310~320円は面白い。市場関係者の評価は「苦戦」と散々だが、1925年6月設立の老舗だ。優秀な人材に加え、土地の含み、大量の株式を保有、子会社も多い。東証改革のターゲットになりそうだが、その点は絞りがいがある(濡れぞうきん?)ということ。

レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]だって、再生できたじゃないか。経営者の意識は変わった。住友化学には医薬品農薬電子材料など有望分野がある。石油化学はレゾナックが大分工場の分離を計画するなど、官民挙げて立て直しに向け始動を開始している。

LAホールディングス <2986> [東証G]は2月9日に5270円の高値を付けたあと、1000円幅の深押しを形成している。業績面は不安がない。商業用不動産、再生不動産、不動産賃貸とバランスの良い業態だ。2024年12月期の1株利益は560円、2025年12月期は600円を超えるだろう。

配当は前期が211円(前々期は200円)、今期は220円の計画だ。PERは8倍前後と出遅れている。ここでの株価下落は貸し株による売り仕掛け。最近は熊本を軸に、九州に注力している。半導体関連工場の建設ラッシュを睨んだもの。昨年には知名度向上を狙って、福証に上場した。こうした積極経営は評価できる。

2024年3月15日 記

株探ニュース

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