明日の株式相場に向けて=損保株は上昇、金融株高の地合いは消えず
21日の東京市場で日経平均株価は前日比122円安と反落した。前日の米株式市場で半導体株などが上昇したことを背景にナスダック指数は最高値を更新。これを受け東京市場も朝方は買いが先行し、日経平均株価は一時270円を超える上昇となった。しかし、後場にかけて値を消し結局3万9000円を割り込んだ。
「22日のエヌビディア<NVDA>の決算発表を前に様子見姿勢も強まった」(市場関係者)様子だ。東証プライム市場の売買代金も3兆9000億円台とやや細り気味となった。
市場には、エヌビディアの5~7月期売上高は前年同期比2倍に急増するとの予想も出ているようだ。ただ、同社の株価には業績急拡大をすでに織り込んでいる面もあるだけに、実際の反応は蓋を開けてみないと分からない面も多そうだ。特に、東京市場では日経平均株価に与える東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など 半導体関連株の影響は大きいだけに、エヌビディアの動向は無視できない。
とはいえ、より大きな相場のポイントは世界的なカネ余り相場の行方であり、基調にある過剰流動性を背景に短期筋などのホコ先は生成AIに絡む半導体株に向かっている面がある。エヌビディアの決算が予想を上回れば半導体株が一段高となり、下回れば半導体に向かっていた資金は他セクターに向かい、株式市場から流出するには至らないだろう。
そんななか、半導体関連株と並ぶ投資先となりそうなのが銀行など 金融株だ。今日の東京市場では、20日に決算を発表した東京海上ホールディングス<8766>やMS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>が急伸した。今期減益予想が嫌気されたSOMPOホールディングス<8630>は下落したものの、3社ともに配当利回りは3%超の水準にあり再評価余地は大きい。
同じく配当利回りが3%を超える三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンクともども金融株はエヌビディア決算の内容に関わらず株高の地合いは変わらないとみられる。
今晩は米国でウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁の講演などが予定されている。明日は朝方の取引開始前に、3月機械受注や4月貿易統計などが発表される。海外では前述のエヌビディアに加えシノプシス<SNPS>、アナログ・デバイセズ<ADI>の決算が発表される。4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。