話題株ピックアップ【夕刊】(1):三菱自、千代建、タマホーム
■三菱自動車工業 <7211> 455.2円 +37.5 円 (+9.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
三菱自動車工業<7211>が大幅高。日本経済新聞電子版が18日、「三菱自動車は2025年3月期の株主還元を拡大する方針だ」と報じた。今期の年間配当予想額(15円)の上積みや2018年以来の自社株買いを視野に入れるという。これを手掛かりに買われた。
■千代田化工建設 <6366> 302円 +21 円 (+7.5%) 本日終値
千代田化工建設<6366>が後場に急伸した。19日正午過ぎ、同社は、米国テキサス州でLNG(液化天然ガス)プロジェクトを共同で遂行している米ザクリ・インダストリアルが米国連邦破産法第11章(チャプター11)を申請した件について、同プロジェクトの顧客である米ゴールデンパスLNGターミナル(GPX)社が、ザクリ社のプロジェクト離脱などを求める申し立てを行ったと発表した。ザクリ社の正式離脱に備え、短期的・長期的な遂行プランの協議を継続しているという。更に、工事継続に必要な安全対策業務や、千代建の米国のグループ会社であるチヨダ・インターナショナル・コーポレーション(CIC)社の独自業務などについて、GPXからの入金も進んでおり、「当該業務に関するCICの負担はない」とした。これを受け、追加費用の発生に対する投資家の懸念がいったん和らぐ形となり、買い戻しが入ったようだ。
■村上開明堂 <7292> 4,935円 +220 円 (+4.7%) 本日終値
村上開明堂<7292>が急動意。自動車用バックミラーのトップメーカーで業績は24年3月期に大幅増収増益を達成、25年3月期も成長トレンドは維持される公算が大きい。配当利回りは3.8%前後と高いが、一方でPBRが0.6倍台と割安感が際立っている。18日に英投資ファンドのニッポン・アクティブ・バリュー・ファンドが関東財務局に提出した大量保有報告書によると、同ファンドが共同保有分を含め村上開明の株式5.29%を保有していることが判明、これが材料視されている。保有目的は「投資及び経営陣に対する経営の助言並びに状況に応じて重要提案行為等を行うこと」としており、株式価値向上に向けた思惑が足もとの株価を刺激する格好となった。
■タマホーム <1419> 3,980円 +170 円 (+4.5%) 本日終値
タマホーム<1419>が大幅続伸。18日の取引終了後、集計中の24年5月期の連結業績について、売上高が従来予想の2570億円から2477億円(前の期比3.3%減)へ、営業利益が141億円から125億円(同5.8%減)へ、純利益が92億円から88億円(同1.0%増)へ下振れて着地したようだと発表したが、アク抜け感が強まる格好となった。戸建分譲事業で引き渡し棟数が計画を上回ったほか、リフォーム事業、マンション事業、オフィス区分所有権販売事業、サブリース事業などは計画通りとなったものの、長引く市況低迷の影響を受けて注文住宅事業の引き渡し棟数が計画を下回ったことが要因としている。
■アドバンテスト <6857> 5,626円 +220 円 (+4.1%) 本日終値
アドバンテスト<6857>などの半導体製造装置関連が上値指向鮮明となっている。前日の米国株市場で画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディア<NVDA>が物色人気を集め上場来高値を更新、時価総額で3兆3000億ドルを超え、IT大手のマイクロソフト<MSFT>の時価総額を抜き世界首位に躍り出た。エヌビディアは生成AI市場の急拡大を背景としたGPUの需要急拡大によって飛躍的な収益成長を果たしており、ここにきてアナリスト筋からも改めて高い評価を得ている。東京市場でも同社と取引関係の厚いアドバンテストなどの株価を強く刺激する格好となった。
■三菱重工業 <7011> 1,623円 +60.5 円 (+3.9%) 本日終値
三菱重工業<7011>が大幅続伸し年初来高値を更新。子会社の三菱造船が、国内初のメタノール燃料ロールオン・ロールオフ貨物船(RORO船)を2隻受注したと発表しており、好材料視された。トヨタグループの海運会社であるトヨフジ海運(愛知県東海市)と福寿船舶(静岡市清水区)向けに受注した。RORO船は貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま運ぶ貨物船で、メタノールを燃料とするRORO船は、世界を航行する外航船では既に運航が開始されているが、日本国内を航行する内航船の建造は初めてとなる。また、従来船に比べて積載台数が多い乗用車約2300台の積載能力を有しており、1航海当たりの輸送能力が増えることで、配船スケジュールに余裕が生まれ、乗組員の働き方改革にも貢献するとしている。なお、27年度中に完成・引き渡しの予定という。
■エクセディ <7278> 2,975円 +89 円 (+3.1%) 本日終値
エクセディ<7278>が続伸し、3000円台に乗せる場面があった。アクティビストとして知られる村上世彰氏の長女である野村絢氏と、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が、新たにエクセディの株式の5%を保有していたことが17日の取引終了後に明らかとなっていたが、18日の取引終了後には、野村絢氏が買い増しを進めていたことが判明し、思惑視した買いが続いている。同日に関東財務局に提出された変更報告書によると、野村絢氏と共同保有者による保有割合は5.46%から6.50%に上昇した。報告義務発生日は11日。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。
■タスキホールディングス <166A> 616円 +16 円 (+2.7%) 本日終値
タスキホールディングス<166A>が5日続伸。18日の取引終了後、物件仕入管理サービス「TASUKI TECH LAND」が、関東圏を中心にファミリー向けマンション開発を手がけるアンビシャス(東京都新宿区)に採用されたと発表しており、好材料視された。アンビシャスは、自社ブランド「アンビシャスマンション」シリーズの企画・開発・販売を行っているが、新規事業立ち上げに伴い取り扱う情報数が大幅に増加したことを契機に、管理方法の見直しが必要となったことから、「TASUKI TECH LAND」の導入に至ったという。地図上での一元管理となったことで、視認性が向上し、情報の蓄積も簡単になったとしている。
■日比谷総合設備 <1982> 3,725円 +95 円 (+2.6%) 本日終値
日比谷総合設備<1982>は4連騰、一時5%を超える上昇で3800円台に歩を進め連日の上場来高値更新となった。AI用半導体需要の急拡大は、それが組み込まれるAIサーバーとサーバーが設置されるデータセンターの新設・増設需要を強く喚起している。同社は空調工事大手で、NTT系大型データセンターで受注実績が豊富。生成AIなど新たな市場の立ち上がりを背景にデータセンターの高密度・ハイパースケール化が進むなか、同社は次世代冷却方式である液浸冷却システムなどへの対応も行っており、抜かりなく商機を捉えている。25年3月期営業利益は前期比3%増益の59億円を予想しているが上振れの可能性を内包し、株価は指標面からは割高感に乏しく、戻り売り圧力から解放された青空圏で需給面でも上値の軽さが浮き彫りとなっている。
■日立製作所 <6501> 16,970円 +310 円 (+1.9%) 本日終値
日立製作所<6501>が3日ぶりに反発した。米ブルームバーグ通信が18日の取引終了後、日立が米ジョンソンコントロールズインターナショナル<JCI>との合弁会社で空調事業を展開するジョンソンコントロールズ日立空調に関し「4割の持ち分について売却する方針を固めた」と報じた。同合弁の企業価値は5000億円規模に上る可能性があるといい、選択と集中による業績へのポジティブな影響への思惑から買いが入ったようだ。検討は初期段階で、独ロバート・ボッシュや米レノックス・インターナショナル<LII>、韓国サムスン電子などが売却先の候補に挙がっていると伝えている。
株探ニュース