前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

注目
2024年9月18日 5時20分

■コーセル <6905>  1,026円 (-144円、-12.3%)

東証プライムの下落率2位。コーセル <6905> [東証P]が3日ぶり急反落。17日午前11時30分ごろに発表した第1四半期(5月21日-8月20日)連結決算が、売上高84億900万円(前年同期比19.1%減)、営業利益5億7800万円(同72.0%減)と大幅な減収減益となったことが嫌気された。半導体製造装置関連で、前期までの先行手配による受注急増の反動と、それに伴う顧客の発注調整が継続し新規受注が減少していることが響いた。なお、25年5月期通期業績予想は売上高380億円(前期比8.3%減)、営業利益53億1900万円(同23.1%減)の従来見通しを据え置いている。

■HIS <9603>  1,659円 (-113円、-6.4%)

東証プライムの下落率6位。エイチ・アイ・エス <9603> [東証P]が続急落。前週末13日の取引終了後に発表した第3四半期累計(23年11月-24年7月)連結決算は、売上高2375億8200万円(前年同期比44.9%増)、経常利益55億2900万円(前年同期39億5000万円の赤字)と経常損益が大幅黒字転換したが、5~7月期では経常赤字が拡大しており、これが嫌気された。旅行事業、ホテル事業を中心に全セグメントで2ケタ以上の伸びをみせ、売上高は5-7月期も約25%の増収となったが、旅行事業回復に伴う費用の増加や一部為替の影響、支払利息の増加など経常損益の悪化につながった。なお、24年10月期通期業績予想は、売上高3600億円(前期比42.9%増)、経常利益110億円(同7.6倍)の従来予想を据え置いている。

■ディスコ <6146>  33,710円 (-1,590円、-4.5%)

ディスコ <6146> [東証P]が大幅安で3日ぶりに反落。そのほか、アドバンテスト <6857> [東証P]など半導体製造装置関連株は総じて売り物に押される展開となった。前日9月16日の米国株市場ではNYダウは約2週間ぶりに史上最高値を更新したが、半導体セクターは相対的に弱く、エヌビディア <NVDA> やマイクロン・テクノロジー <MU> などが売られフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も反落した。加えて、今週行われるFOMCでFRBが大幅利下げに踏み切るとの見方が広がるなか、日米金利差縮小思惑を背景に外国為替市場では一時1ドル=139円台をつけるなど円高方向に振れたこともあり、これが東京市場で半導体関連の買い手控え要因となっている。一方、株価水準的には売られ過ぎで値ごろ感も意識され、リバウンドを期待した押し目買いも観測、目先強弱観を対立させた。

■アスクル <2678>  2,009円 (-82円、-3.9%)

アスクル <2678> [東証P]が続落。前週末13日取引終了後に25年5月期第1四半期(5月21日-8月20日)連結決算を発表。売上高は前年同期比4.7%増の1183億8400万円だったものの、営業利益が同8.9%減の25億7400万円で着地しており、これが嫌気された。ASKUL事業を中心に堅調に伸長した。一方、一時的な為替影響による売上総利益率の低下により、26年5月期に稼働予定の「ASKUL関東DC」に関する地代家賃の固定費の増加を吸収できず利益は減少した。あわせて、取得上限100万株(自己株式を除く発行済み株数の1.03%)、または20億円とする自社株買いの実施を明らかにした。

■村田製 <6981>  2,635円 (-91.5円、-3.4%)

村田製作所 <6981> [東証P]が大幅続落。そのほか、TDK <6762> [東証P]が下値を探る展開となった。16日の米国市場でアップル <AAPL> の株価は下落した。新型スマートフォン「iPhone16」の需要が現時点では鈍いと、一部アナリストが指摘したことが重荷となった。東京市場においても、アップルの新型スマホがヒットし、電子部品需要を押し上げるとの楽観的な見方が後退する格好となり、アップル関連と位置付けられる銘柄に売り圧力が加わった。太陽誘電 <6976> [東証P]や日東電工 <6988> [東証P]などが軟調に推移した。

■第一生命HD <8750>  3,484円 (-105円、-2.9%)

第一生命ホールディングス <8750> [東証P]が続落。そのほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]など金融株が軟調に推移した。米連邦準備制度理事会(FRB)は17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く予定だが、ここに来て金融市場では0.50%幅の大幅な利下げ観測が台頭している。16日には米10債利回り(長期金利)は3.61%まで低下したほか、米2年債利回りは一時2年ぶりの低水準をつけた。内外金利の低下圧力の高まりを受け、金利高メリットセクターの金融株の持ち高を圧縮する目的の売りが膨らんだようだ。

■山岡家 <3399>  3,445円 (-50円、-1.4%)

丸千代山岡家 <3399> [東証S]が続落。前週末13日取引終了後に25年1月期通期単独業績予想について、売上高を300億円から330億円(前期比24.6%増)へ、営業利益を22億7900万円から30億5000万円(同47.8%増)へ、最終利益を15億7200万円から21億円(同46.6%増)へ上方修正しており、朝方はこれを受けた買いが先行したものの、全体軟調相場にツレ安する展開となった。同社は北海道、北関東を中心にラーメンチェーンを全国展開。人流の活発化やインバウンド需要の増加を追い風に情報発信及び販売促進、期間限定商品の継続的販売など新規顧客・リピーター獲得に注力した結果、来店客数・既存店売上高が計画を大きく上回った。また、7月に値上げを実施したことも奏功し、上期として売上高・各利益ともに過去最高となったことを業績予想に反映させた。同時に発表した上期決算は、売上高156億3300万円(前年同期比34.6%増)、営業利益15億2900万円(同3.2倍)、最終利益10億8600万円(同3.5倍)だった。なお、今期の経常利益予想(31億円)が6月に発表した中期経営計画(25年1月期~27年1月期)の最終年度の同利益目標(30億7000万円)を上回る見込みとなったことから、中計の更新を行うとしている。

※17日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

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