前場に注目すべき3つのポイント~内需系に資金がシフトしやすい需給状況~

市況
2025年2月19日 8時43分

19日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■内需系に資金がシフトしやすい需給状況

■扶桑化学、25/3上方修正 営業利益 160億円←135億円

■前場の注目材料:コマツ、鉱山用大型ダンプに水素エンジン、脱炭素技術で先行

■内需系に資金がシフトしやすい需給状況

19日の日本株市場は、こう着ながら底堅さが意識される相場展開になりそうだ。18日の米国市場は、NYダウが10ドル高、ナスダックは14ポイント高だった。米国とロシアがウクライナを巡る高官レベルの協議を開催したことを受け、停戦期待から買いが先行した。ただし、米長期金利の上昇に加え、住宅市場指数が予想以上に悪化、さらに貿易摩擦懸念がくすぶるなかで軟化した。シカゴ日経225先物は大阪比10円高の39300円。円相場は1ドル=152円00銭台で推移している。

日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになりそうだ。米国ではインテルが大幅高となるなど、半導体株の一角が買われており、アドバンテスト<6857>など指数インパクトの大きい値がさ株への支援材料になるかが注目されそうだ。祝日明けの米国市場は一進一退の展開のなか、日経225先物はナイトセッションで小動きだった。ただ、25日線接近では底堅さがみられていたこともあり、弱含む局面においての押し目買い意欲は強そうである。

ウクライナの停戦期待から売り仕掛け的な動きは限られそうだが、一方で、ロシアは米国との協議の前日にウクライナに対して大規模な攻撃を行っており、停戦期待からの買いは限られそうである。また、トランプ関税については、米国が輸入する自動車に課す税率が25%程度になるとの見通しを示しており、輸出関連株への物色を手控えさせそうである。為替市場では円高傾向が続くなか、内需系に資金がシフトしやすい需給状況になりそうだ。

また、国内では日銀の早期利上げ観測が警戒されているほか、大規模な保有ETF(上場投資信託)の放出への思惑が高まる可能性もあるなか、積極的な上値追いの展開は期待しづらい。立憲民主党はETFを活用し、分配金を次世代支援に充てるよう求めている。ETF活用案の機運が高まってくるようだと、売り圧力が警戒されてくる可能性もある。

昨日の日経平均株価は一時39500円を回復する場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σが抵抗線として機能していた。本日も25日線と+1σとのレンジが意識されそうである。物色としては決算発表が一巡したことから手掛かり材料に欠けるため、個別に材料の出ている銘柄などでの短期的な値幅取り狙いの動きになりそうである。

■扶桑化学、25/3上方修正 営業利益 160億円←135億円

扶桑化学<4368>は2025年3月期業績予想の修正を発表。売上高は680億円から694億円、営業利益を135億円から160億円に上方修正した。半導体市場向けの販売が好調に推移した。また、想定よりも為替レートが円安に推移したことで売上高および営業利益が膨らんだ。期末配当予想については、前回予想から1株当たり3円増額し、38円に修正した。なお、中間配当35円を含めた年間配当金は、1株当たり73円となる予定。

■前場の注目材料

・日経平均は上昇(39270.40、+96.15)

・NYダウは上昇(44556.34、+10.26)

・ナスダック総合指数は上昇(20041.26、+14.49)

・SOX指数は上昇(5247.86、+86.91)

・シカゴ日経225先物は上昇(39300、+10)

・米原油先物は上昇(71.83、+1.12)

・VIX指数は低下(15.35、-0.02)

・活発な自社株買い

・東証による企業価値向上の要請

・コマツ<6301>鉱山用大型ダンプに水素エンジン、脱炭素技術で先行

・カナデビア<7004>埼玉でゴミ処理場受注、20年間運営・維持管理

・エンシュウ<6218>中計見直し、工作機械低迷、目標下方修正へ

・京セラ<6971>5G仮想化基地局開発、AIで高性能化

・三菱電機<6503>受配電設備を遠隔監視、センサーデータ活用で保安業務効率化支援

・日本触媒<4114>NTTコムと化学品製造にAI活用、連続蒸留工程を効率化

・大林組<1802>ホイールローダー用の後付け自動運転装置を開発

・日本製紙<3863>日本製紙など、バイオエタノール製販で来月新会社

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・08:50 1月貿易収支(予想:-2兆1038億円、12月:+1325億円)

・08:50 12月コア機械受注(予想:前月比+0.5%、12月:+3.4%)

<海外>

・10:00 NZ準備銀行政策金利発表(現行:4.25%)

《ST》

提供:フィスコ

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