前週末21日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
■フジプレアム <4237> 397円 (+61円、+18.2%)
フジプレアム <4237> [東証S]が4日続急騰。光学フィルターの大手で、独自の精密貼合技術を生かしディスプレーパネル関連分野などで優位性を発揮するほか、OEM供給を主軸に太陽電池分野でも実績が高い。ペロブスカイト太陽電池についても早くから研究開発を進展させている。そうしたなか、20日取引終了後に世界初のペロブスカイト太陽電池セル専用製造ラインを完成させたサウレ社製品の独占販売権を持つエイチ・アイ・エス <9603> [東証P]との協業に着手することを発表。ペロブスカイト太陽電池の製品開発を加速する構えをみせており、これが強く株価を刺激する格好となった。
■クロスキャト <2307> 1,208円 (+163円、+15.6%)
東証プライムの上昇率2位。クロスキャット <2307> [東証P]が3日ぶり急反騰。20日取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を156億円から161億円(前期比7.8%増)へ、営業利益を15億8000万円から17億5000万円(同15.1%増)へ上方修正すると発表。配当予想も28円から31円(前期28円)に増額しており、これを好感した買いが集まった。コア事業である金融、官公庁・自治体・公共企業向けの案件が好調に推移し、売上高が計画を上回る見通しとなったため。効率的な販売管理活動に努めたことも利益面で寄与する見込み。
■ディーエヌエ <2432> 4,025円 (+491円、+13.9%)
東証プライムの上昇率3位。ディー・エヌ・エー <2432> [東証P]が6日ぶり急反騰。約14年ぶりの高値圏で推移している。ポケモンカードゲームの開発を手掛けていることで知られるクリーチャーズ(東京都千代田区)と共同開発するスマートフォン向けゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」に投資家の期待が高まっている。今月7日に発表した4-12月期連結決算は、ポケポケの業績押し上げ効果で売上高は前年同期比12%あまりの伸びとなり、営業損益は黒字転換を果たした。株価は同決算を受けて急伸した後に一服していたが、21日はいちよし経済研究所の格上げが材料視され、再び投資資金の流入が加速した。
■日産自 <7201> 458.8円 (+39.7円、+9.5%)
東証プライムの上昇率6位。日産自動車 <7201> [東証P]が3日ぶり急反発。英紙フィナンシャルタイムズが21日、菅義偉元首相を含むハイレベル級の日本のグループが、テスラ <TSLA> が日産自に投資するプランを策定したと報じ、幅広い投資家の資金を集める契機となった。報道によると、日本のハイレベルグループは、テスラが日産自の米国工場の買収に意欲的であると考え、同社が戦略的な投資家であると期待しているという。
■エンビプロ <5698> 415円 (+31円、+8.1%)
東証プライムの上昇率7位。エンビプロ・ホールディングス <5698> [東証P]が急反発。20日取引終了後、取得上限200万株(自己株式を除く発行済み株数の6.60%)、または10億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は3月7日から8月7日まで。これを好感した買いが優勢となった。
■ベネフィJ <3934> 1,144円 (+83円、+7.8%)
ベネフィットジャパン <3934> [東証S]が3日ぶり急反発。21日10時10分に25年3月期の期末一括配当予想を28円から37円へ引き上げたことを好感した買いが流入した。なお、前期実績は20円だった。
■エスクロAJ <6093> 160円 (+11円、+7.4%)
エスクロー・エージェント・ジャパン <6093> [東証S]が急反発。同社は20日取引終了後、3カ年の中期経営計画を策定したと発表。最終年度となる28年2月期の連結営業利益目標を10億円(24年2月期実績は4億5600万円)としていることが評価されたようだ。28年2月期の連結売上高目標は62億円(同41億3800万円)に設定。基本方針として「業務の標準化・自動化による生産性の向上」を掲げている。また、同日にはグループの一部の業務受託サービスを専業とする子会社「New Deal(ニューディール)」を3月1日にも設立すると発表している。
■ユカリア <286A> 1,138円 (+75円、+7.1%)
ユカリア <286A> [東証G]が3日続急伸。21日午前11時ごろ、オープングループ <6572> [東証P]子会社のオープンと協業を開始したと発表しており、好材料視された。オープンの協業パートナーとして、共にリモートサポート及び RPAと生成AIを掛け合わせたオートメーションを提供することで、医療業務の効率化、サービスの質や収益の向上を目指すとしている。具体的には、ユカリアはRPA及び生成AI技術・基盤の医療機関への販売とカスタマーサクセスのサポートを行い、オープンはRPA及び生成AI活用に関する技術支援、リモートサポート基盤構築・運用を手掛けるとしており、まずは特定の病院でテスト導入を行い、検証・改善を行いながらロボット開発や本格運用に向けた準備を進めるとしている。
■ジェノバ <5570> 790円 (+50円、+6.8%)
ジェノバ <5570> [東証G]が急反発。同社は20日の取引終了後、取得総数100万株(自己株式を除く発行済み株式総数の7.21%)を上限として、同日終値740円で立会外での自社株買いを実施すると発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。日立製作所 <6501> [東証P]グループの日立産機システムとの業務提携解消に伴い、日立産機システムが保有する株式の全てを自己株式として取得する。ジェノバは21日、東証の自己株式立会外買付取引で、上限となる100万株の自社株買い付けを同日に行ったと開示している。
■光ビジネス <3948> 785円 (+44円、+5.9%)
光ビジネスフォーム <3948> [東証S]が急反発。21日正午ごろ、26年12月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標について、売上高を100億円から90億円へ、営業利益を10億円から8億円へ引き下げたが、これによりアク抜け感が強まったようだ。基本的な中期経営計画の考え方は維持しながらも、新型コロナウイルスワクチン接種業務及び給付金業務などの特需の消失などが影響する。
■スピー <4499> 3,010円 (+159円、+5.6%)
Speee <4499> [東証S]が続急伸。21日午前11時30分、子会社のDatachainが開発を支援するクロスチェーンブリッジ「TOKI」が本番環境での稼働を開始したと発表し、材料視されたようだ。イーサリアムとBNBチェーンの接続を実現。両ブロックチェーン間での資産移動が可能になった。今後、対応する ブロックチェーンを拡大し、ユーザー数や取引量の増加につなげる方針。TOKIの基盤となるインターオペラビリティー(相互運用性)に関する技術は、ステーブルコインを活用したクロスボーダー送金事業にも活用し、事業の拡大につなげる。
■artien <4634> 3,150円 (+159円、+5.3%)
artience <4634> [東証P]が5日ぶり急反発。20日取引終了後、26年12月期を最終年度とする中期経営計画「artience2027」の資本政策を一部見直すと発表した。最終年度に向けたROE目標を7%以上から8%以上に引き上げる。また、株主還元額について当初200億円以上としていた目標を倍増させ、400億円以上にするという。これを評価した買いが入った。
■ドリコム <3793> 1,036円 (+50円、+5.1%)
ドリコム <3793> [東証G]が4日ぶり急反発。同社は21日、ウォルト・ディズニー・ジャパン(東京都港区)協力のもと開発中のスマートフォン向けリアルライフ宝探しゲーム「Disney STEP(ディズニー ステップ)」のサービス開始日が3月3日に決まったと発表。期待感が高まるかたちとなったようだ。
■新都HD <2776> 153円 (+6円、+4.1%)
新都ホールディングス <2776> [東証S]が大幅続伸。同社は21日、HASHCAT JAPAN(東京都千代田区)と米エヌビディア <NVDA> 製HGX B200 GPUの調達に関する覚書(MOU)を締結したと発表。これが材料視されたようだ。このMOUに基づき、HASHCATはエヌビディア製HGX B200 GPUを搭載したAIサーバー1000台を同社に優先供給し、同社のAIデータセンターの構築と運用を支援するという。
■窪田製薬HD <4596> 52円 (+2円、+4.0%)
窪田製薬ホールディングス <4596> [東証G]が大幅続伸。21日、白血球接着分子VAP-1阻害剤に関し、日本で新規特許を取得したと発表。これが株価の支援材料となったようだ。特許取得日は1月7日。昨年12月10日に米国で特許を取得していた。VAP-1阻害剤は当初は炎症性眼疾患を対象としていたが、現在は広範な疾患領域に研究対象を拡大。ウイルス感染による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や動脈硬化、心血管疾患など、さまざまな炎症性疾患にも応用可能性を秘めているとしている。
■手間いらず <2477> 3,170円 (+120円、+3.9%)
手間いらず <2477> [東証S]が大幅反発。20日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、好材料視された。上限を26万株(発行済み株数の4.01%)、または8億円としており、取得期間は2月21日から9月30日まで。資本効率の向上と株主還元の充実を図ることを目的としている。
■JIA <7172> 1,815円 (+59円、+3.4%)
ジャパンインベストメントアドバイザー <7172> [東証P]が大幅反発。20日の取引終了後、グループが運営するファンドの新たな投資先として、ペロブスカイト太陽電池の開発に取り組む京都大学発スタートアップ企業のエネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)の株式を取得したと発表しており、好材料視された。なお、同件による25年12月期業績への影響は軽微としている。
■HPCシス <6597> 1,293円 (+42円、+3.4%)
HPCシステムズ <6597> [東証G]が3日ぶり大幅反発。20日の取引終了後、エヌビディア <NVDA> の最新AI半導体 「ブラックウェル」を搭載したGPU(画像処理半導体)サーバーを中核として、ローカルLLM(大規模言語モデル)環境の導入・運用をワンストップで実現するソリューションの提供を開始したと発表。今後の収益貢献を見込んだ買いが入ったようだ。ブラックウェルアーキテクチャに基づく「NVIDIA HGX B200」を8基搭載したGPUサーバーを提供するほか、大容量メモリーにより現在最大級のLLMの動作も可能にする。ソフトウェアを完備しサポート体制も整えた。
■大日印 <7912> 2,203円 (+62.5円、+2.9%)
大日本印刷 <7912> [東証P]が反発。21日、製造・物流向け3Dシミュレーションサービスを提供するiPX(東京都品川区)と資本・業務提携契約を締結したと発表しており、好材料視された。互いのデジタル技術を掛け合わせることで製造・物流領域のDXを推進し、事業の拡大を加速させるのが狙い。大日印は、iPXのシミュレーションサービスを活用して、自社製造拠点のDXを推進。また、大日印の製造拠点で生み出した運用改善のノウハウ・技術を更に活用することで、両社で新しいサービス開発に取り組むとしている。
■メルカリ <4385> 2,299.5円 (+46.5円、+2.1%)
メルカリ <4385> [東証P]が反発。同社は21日、韓国の大手芸能事務所であるYGエンターテインメント子会社のYG PLUSと、 NFTやデジタルコンテンツの普及促進に向けた共同推進に関する基本合意書を締結したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。両社は「メルカリNFT」を含む「メルカリ」のマーケットプレイスを通じて、アーティスト関連のNFTやデジタルコンテンツの供給を促進し、新たなエコシステム構築へ向けて連携・推進するとしている。
■山喜 <3598> 159円 (+3円、+1.9%)
山喜 <3598> [東証S]が3日続伸。20日の取引終了後、大阪府東大阪市に保有する賃貸マンションを売却するのに伴い、25年3月期に固定資産売却益約1億6000万円を特別利益として計上すると発表したことが好感された。なお、25年3月期業績への影響は他の要因も含めて精査中としている。
※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース