利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 38社選出 <成長株特集>

特集
2025年3月16日 19時30分

本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額4000億円以上の銘柄を対象に、24年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

下表では、本決算月にかかわらず、24年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している38社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなったのはフジクラ <5803> [東証P]。24年10-12月期(第3四半期)の経常利益は435億円と過去最高だった直前の7-9月期実績を66.9%も上回って着地。主力の情報通信事業で生成AI(人工知能)の普及・拡大を背景にデータセンター向け製品の需要が引き続き旺盛だったほか、高採算品の選択受注による品種構成の良化や円安効果も利益拡大につながった。併せて、25年3月期業績見通しと配当計画を上方修正したことも評価され、株価は2月13日に上場来高値7620円まで上昇する場面があった。

2位のサンリオ <8136> [東証P]は「ハローキティ」50周年関連の施策や複数キャラクター戦略が奏功し、北米や中国のライセンス事業を中心に収益が大きく伸び、10-12月期(第3四半期)は3四半期連続の最高益更新を果たした。好調な業績を踏まえ、25年3月期通期の経常利益予想を25期ぶりの最高益見通しに上方修正し、配当計画も増額修正した。株価は2月18日に上場来高値7315円をつけた後は利益確定売りに押されたが、足もとでは切り返しをみせている。

3位のダイフク <6383> [東証P]は受注残高が高水準で推移する中、エレクトロニクス部門で中国のレガシー半導体生産ライン向け自動搬送システムが好調だったことに加え、生産の効率化をはじめとするコスト削減も寄与し、10-12月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を達成した。併せて発表した25年12月期の同利益は850億円(前期は9ヵ月の変則決算のため比較なし)と過去最高益を更新する見通しだ。

4位に入った三菱電機 <6503> [東証P]の10-12月期(第3四半期)税引き前利益は前年同期比88.1%増の1678億円と3四半期ぶりの最高益更新を遂げた。政府関連予算の増加が追い風となった防衛・宇宙システム事業、国内公共分野の設備投資需要を捉えた社会システム事業の収益が拡大したほか、空調機器の販売増加や値上げ効果で空調・家電事業も大きく伸びた。また、円安による収益押し上げ効果に加え、物流子会社MDロジスの株式売却益を計上したことも大幅増益に貢献した。防衛関連としての注目度も高く、株価は全体波乱含みの下げに逆行して頑強な推移を続けている。

6位のコナミグループ <9766> [東証P]は、主力のデジタルエンタテインメント事業でサッカーゲーム「eFootball」をはじめとする主力タイトルや昨年10月に発売した家庭用ホラーゲーム「SILENT HILL 2」リメイク版の販売が好調に推移し、10-12月期(第3四半期)の税引き前利益は前年同期比54.8%増の379億円に拡大して着地。併せて、25年3月期通期の業績見通しと配当計画の上方修正に踏み切った。

7位のSCREENホールディングス <7735> [東証P]はファウンドリー(受託製造事業者)の最先端半導体向け投資が拡大したうえ、中国顧客の前倒し要請もあって洗浄分野を主力とする半導体製造装置の出荷が大きく伸びた。半導体関連ではレーザーテック <6920> [東証P]が8位、アドバンテスト <6857> [東証P] が17位、東京応化工業 <4186> [東証P] が31位にリスト入りしている。

選出リストにはフジクラ、サンリオ、コナミGをはじめ、好決算を受けて上場来高値を更新した企業が目立つ。16位の楽天銀行 <5838> [東証P]は多様な運用資産の積み上げや日銀の政策金利の引き上げに伴う運用利回りの上昇を背景に金利収益が大幅に増加し、10-12月期(第3四半期)は5四半期連続となる最高益更新を果たした。国内金利の上昇期待が強まる中、株価は青空圏を舞う展開となっている。

そのほか、企業の旺盛なデジタル投資意欲が追い風となった電通総研 <4812> [東証P](18位)、キヤノンマーケティングジャパン <8060> [東証P](22位)、野村総合研究所 <4307> [東証P](26位)のほか、ゲーム分野や音楽分野が好調だったソニーグループ <6758> [東証P](28位)、「ドラゴンボール」の新作ゲームが大ヒットしたバンダイナムコホールディングス <7832> [東証P](36位)も10-12月期に四半期最高益を記録し、決算発表後に上場来高値を塗り替えている。

┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名     上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER

<5803> フジクラ     66.9  43560   26107   75.0  122000  69733 23.2

<8136> サンリオ     47.8  18469   12492   22.8   52900  43088 38.3

<6383> ダイフク     45.8  36312  24909   32.4  85000  64207 21.2

<6503> 三菱電      43.7 167889  116830   17.5  430000  365853 18.8 *

<6361> 荏原       42.9  39843   27877    0.7  100600  99852 15.2 *

<9766> コナミG     42.9  37927   26546   20.9  100000  82685 33.2 *

<7735> スクリン     42.1  43691   30757   35.2  127500  94279 11.5

<6920> レーザーテク   39.3  49710   35693   26.8  104000  82021 17.7

<7532> パンパシHD   37.1  54803   39981    1.4  150800  148709 27.5

<3003> ヒューリック   35.0  72688   53849    6.3  164000  154329  9.9

<7013> IHI      26.2  51956   41174   42.6  125000  87637 18.1 *

<3099> 三越伊勢丹    23.8  27332   22069   28.6   77000  59877 14.3

<3092> ZOZO     22.2  21316   17439    7.4   64200  59764 29.4

<2875> 東洋水      18.6  27177   22917    4.2   78000  74889 15.5

<5233> 太平洋セメ    18.5  29838   25175    9.2   76000  69590  7.8

<5838> 楽天銀      16.3  18408   15828   42.7   69006  48367 23.5

<6857> アドテスト    16.2  70547   60715   31.4  225000  171270 36.1 *

<4812> 電通総研     15.6  6680   5781    8.3   23000  21244 26.2

<9009> 京成       14.9  21186   18442   12.6   58100  51591 10.8

<3088> マツキヨココ   13.3  25300   22330    1.2   81500  80499 18.4

<4661> OLC      11.2  71992   64754    3.5  171749  166005 42.5

<8060> キヤノンMJ   11.1  17133   15423    4.8   57000  54393 13.6

<4901> 富士フイルム   10.4  96753   87624    2.4  325000  317288 14.4 *

<3064> モノタロウ    10.0  10186   9262   15.3   43026  37320 44.9

<4204> 積水化       9.6  37955   34622    0.1  106000  105921 13.4

<4307> 野村総研      8.3  36152   33385   12.6  132000  117224 30.8 *

<6586> マキタ       8.1  32419   29985    7.0   99000  92483 19.3 *

<6758> ソニーG      7.0 494053  461569    8.7 1385000 1274496 19.6 *

<4704> トレンド      6.2  14509   13664    9.0   57600  52840 33.6

<2371> カカクコム     6.2  8088   7617    6.7   28400  26619 22.6 *

<4186> 東応化       6.0  10520   9924   10.6   38200  34554 16.5

<5947> リンナイ      5.9  16522   15600    4.2   48000  46071 17.6

<9989> サンドラッグ    5.5  13523   12824    8.6   45300  41728 16.0

<9008> 京王        5.3  17922   17025   23.3   53600  43485 11.3

<4733> OBC       5.2  6060   5761   12.7   22400  19869 34.4

<7832> バンナムHD    5.1  69860   66481   40.0  187000  133608 25.3

<6762> TDK       5.1  80778   76880    7.2  227000  211717 18.6 *

<6370> 栗田工       5.0  13300   12666   17.5   49000  41686 15.9 *

※ 2023年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は米国会計基準、国際会計基準を採用する銘柄。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.