伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 4月20日版

日経平均は週明け後に下げるなら、7日安値の3万0792円目指す公算

1.　NYダウは下降途中の中段保ち合いの途中なら、週明け後、すぐに下げる公算

図1は、 NYダウの日足と今後の予想線です。

前回の本コラムで、NYダウは「4月9日高値の4万0778ドルを超えると、しばし上値を試す可能性が出てくる」「4万0778ドルを前に上値を抑えられると、3万6611ドルを割れて、さらに一段安となる可能性が出てくる」と述べました。

前週は15日に4万0778ドルを少しだけ超えましたが、すぐに上値を抑えられたため、まだ強弱を判断できる展開になっていません。今後、15日高値の4万0791ドルを超えて一段高を目指す流れが表れるなら、15日以降の下げの動きは10日安値の3万8427ドルを前に押し目をつけて、すぐに反発を開始する公算です。

強気の展開になる場合、4月中は3万9000ドルから4万1000ドル程度のレンジでジグザグに推移すると考えられます。

週明け後、3万8427ドル前後に下値堅さが表れないなら、現在は下降途中の中段保ち合いの動きである可能性を残します。

弱気の流れの途中なら、目先は4月7日安値の3万6611ドルへ接近する程度まで下げる公算です。

どちらの場合でも、本年が弱気パターンの年になって、年内に3万6611ドル以下を試すという見方になります。

「目先の価格が4月10日安値の3万8427ドルを維持して反発を開始し、15日高値の4万0791ドル以上へ上昇する展開」と「週明け後も下げの流れを継続して7日安値の3万6611ドルを試す展開」の違いは、下降を開始した後、3万6611ドルが意識されるか否かです。

目先、下値堅い動きとなる場合、戻り高値をつけて価格が下げても、年内は3万6611ドルが意識される動きになる可能性が出てきます。

目先、3万6611ドルを試すなら、5月頃に3万6611ドルを割れて、その後は10月頃までの期間で2023年3月安値の3万1429ドル程度か、3万1429ドル以下へ下げる可能性が出てきます。

図1　NYダウ（日足）と目先の予想線