IHIを動意づく前に逆張りゲット、5倍化成功の秘訣は「地味で地道」
目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技
トランプ波乱を勝ち抜く技
ウラールさんの場合-1回完結
イラスト:福島由恵美容関連の店舗を経営しながら、株式投資にも取り組む。2020年のコロナ禍で店舗の客足が鈍り、時間に余裕ができたことで投資に本格的に挑戦。初心者時代にボラティリティー(株価の変動率)の大きい新興グロース銘柄で痛い失敗をしてから、大型の安定銘柄を対象とする「手堅さ重視」のスタイルに転換。これまで投下した元本2000万円で、6000万円程度のトータルリターンを獲得した。「株探-個人投資家大調査-2025」の回答者で、投資スタイルは「配当・株主優待狙い」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
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| この記事を読んで分かること |
| 1. 地味で地道なスタイルで含み益を膨らます方法 |
| 2. ガチホ(長期保有)銘柄の選び方 |
| 3. 「損小利大」を実現する買い付け後のルール |
「自分はビビリな性格なこともあり、投資スタイルはいたって地道で地味なものなんです」
今回登場のウラールさん(ハンドルネーム)が、本格的に投資を始めたのはコロナ直後。投資歴はそれほど長くない上に、「地道で地味なスタイル」と聞くと、稼ぐリターンも控え目なのかと思ってしまう。
ところが今、勝負銘柄として保有しているIHI<7013>は、約1年半前の購入から5倍に上昇。他の勝負銘柄も、ここ1~2年で投資したもので2倍以上の上昇が目立つ。
勝負銘柄の顔ぶれは地味などころか、華やかな輝きを放つここ最近のスター銘柄も多い。にもかかわらず、自身のスタイルを地味で地道と評するのはなぜなのか。
1つの理由は、狙い目が収益バリュー株主体である面がある。前々回のジンジバリスさんと前回のノリノリさんが割安成長株をターゲットにしているのに対して(下の図)、ウラールさんは、業績成長の「勢い」より「安定性」に重きを置かれる収益バリュー株に注目する戦略だ。
割安成長株に比べて地味さが漂う収益バリュー株だが、最近の環境変化では追い風が吹く。東京証券取引所が企業価値の向上を意識した経営を推進する一環で、安定成長銘柄に対する株主還元への期待から注目度が高まっている。
とはいえ、すべての収益バリュー株のパフォーマンスが良好となるわけではない。そんな中、ウラールさんが"地味なスター銘柄"を掴めたのはなぜなのか。
■割安成長&収益バリュー狙いでのウラールさんの位置づけ(右上)

勝負銘柄は5つ、時価評価額の半分以上が含み益
IHIをはじめ、ウラールさんが最近の勝負銘柄として保有しているのが、任天堂<7974>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、出光興産<5019>、川崎重工業<7012>になる。
5銘柄の時価評価額は合計4400万円となり、そのうち2500万円が含み益となっている。これらの時価評価額だけでウラールさんの運用額全体(7800万円)の56%を占めている(下の表)。
■5銘柄の保有状況
| 銘柄名<コード> | 取得時期 | 保有株数 | 時価評価額 | 含み益 |
| 任天堂<7974> | 2023年3月01日 | 600株 | 792万円 | 488万円 |
| 三井住友<8316> | 3月15日 | 3000株 | 1084万円 | 560万円 |
| 出光興産<5019> | 5月26日 | 7000株 | 623万円 | 232万円 |
| IHI<7013> | 2024年2月09日 | 400株 | 598万円 | 478万円 |
| 川重<7012> | 8月06日 | 1300株 | 1320万円 | 772万円 |
ウラールさんは、銘柄選びにおいて深い事業分析をしたり、テクニカル指標を駆使したりするわけではない。それでも成功を収めているのは、シンプルなルールに基づき、コツコツと売買を積み重ねてきたからだ。
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