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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】FOMC通過待ちのなか押し目狙いのスタンス

市況
2025年8月30日 8時00分

「FOMC通過待ちのなか押し目狙いのスタンス」

●海外投資家の日本株への注目度は高い

日経平均株価は8月19日につけた史上最高値4万3876円をピークに調整を続けている。だが、ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演によって9月FOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ期待が高まったことに加え、注目された米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算を大きな波乱もなく通過したことで、リバウンドの兆しをみせている。25日移動平均線が支持線として機能するなか、4万3000円近辺で推移するボリンジャーバンドの+1σに接近。同バンドを捉えてくるようだとレンジを切り上げてくる可能性があることから、+2σの4万4150円辺りをターゲットとしたトレンド形成が期待されよう。

もっとも、9月16日~17日開催のFOMCでは6会合ぶりとなる利下げの確率が高まっているが、米国では5日に雇用統計、11日に消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。これらの内容次第では利下げ期待が後退する可能性もあり、FOMC通過までは積極的な売買は手控えられそうだ。

一方で週末の東京市場では、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>の保有株比率が議決権ベースで10%を超えたと発表した三菱商事 <8058> [東証P]が買われている。改めて日本株に対する海外投資家の注目度の高さを印象づけるものとなっており、海外勢を含め押し目待ち狙いの買い意欲は強いとみておきたい。

●活躍が期待される「注目5銘柄」

◆グロービング <277A> [東証G]

コンサルティングサービスや各種SaaSを提供するクラウドプロダクト事業を展開。デジタルビジネスの運営段階に入った企業による運用最適化やAI(人工知能)導入支援などのコンサルティング需要が拡大している。8月15日には代表取締役による株式の売却を発表。法人税法上の特定同族会社に該当しなくなり、留保金課税の適用対象から外れるとともに、将来のプライム市場上場に向けた流通株式比率の向上を図る施策としても注目される。株価は8月18日に上場来高値となる3420円まで買われ、その後は調整しているが、上向きで推移する25日移動平均線が支持線として機能しており、押し目狙いのスタンスで臨みたい。

◆アルコニックス <3036> [東証P]

アルミや銅などの金属材料のほか、 レアメタル レアアースといった希少金属を手掛け、商社機能と製造機能を併せ持つ。中国政府が4月にレアアースの輸出規制の強化を発表して以降、レアアースを含む部品の調達が滞る企業が現れている。今後、「都市鉱山」の活用など中国依存の低減に向けた取り組み強化を背景に、非鉄金属リサイクル事業の伸びが期待される。株価は8月25日に2183円まで買われ、2018年5月以来の水準を回復。18年2月の上場来高値2690円が中長期的にターゲットとして意識されてこよう。

◆ラクーンホールディングス <3031> [東証P]

アパレル・雑貨の企業間電子商取引(EC)サイト「スーパーデリバリー」を運営。売上構成は約60%がeコマース、約40%がフィナンシャル事業。同社は株主優待制度を新設し、500株以上を1年以上保有する株主(2025年10月権利分に限り継続保有期間は半年以上)を対象に、デジタルギフトを贈呈する。株価は7月22日につけた年初来安値643円をボトムにリバウンドを継続。足もとでは上値抵抗の75日線に差し掛かり、同線突破を果たせるかが注目される。

◆フィットイージー <212A> [東証S]

24時間・年中無休のフィットネスクラブ「フィットイージー」を全国展開。シミュレーションゴルフや個室サウナ、レーシングシミュレーター、セルフエステなど各種 アミューズメント設備も提供する。8月22日に、アミューズメントサービスの計画的な導入や全店統一キャンペーンによる新規入会施策が奏功し、会員数が8月現在で20万人を達成したと発表(10万人到達は2024年1月)。株価は上向きで推移する25日線にサポートされて上昇トレンドを形成。

◆タスキホールディングス <166A> [東証G]

2024年4月にタスキと新日本建物が経営統合。新築投資用と資産運用型マンションを展開する。8月1日に、オフバランススキームのファンドとしてグループ初となる不動産開発ファンドを組成したと発表。開発による不動産の付加価値向上が期待できる商品であり、ファンドラインアップの拡充を通じて不動産投資市場でのプレゼンス強化を図る。株価は7日につけた年初来高値803円をピークに第3四半期決算の発表後に売られる形となっていたが、直近安値水準で下げ渋る動きをみせており、リバウンド狙いのスタンスで対応したい。

(2025年8月29日 記)

株探ニュース

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