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金は内外で高値更新、米FRBの利下げ見通しや地政学的リスクで <コモディティ特集>

特集
2025年9月17日 13時30分

は8月22日のジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げを示唆したことや、トランプ米大統領がクックFRB理事の解任を表明し、FRBの独立性に対する懸念が出たことを受けて上値を試した。9月に入ると、予想以下の米雇用統計や米雇用者数の年次改定で大幅に下方修正され、労働市場の減速が示されたことも支援要因となった。米消費者物価指数(CPI)の伸びが加速し、インフレに対する懸念が残るが、米ミシガン大消費者信頼感指数やニューヨーク連銀製造業業況指数の低下を受けて米FRBの利下げ見通しが強く、現物相場は3702ドル、JPX金先限は1万7646円と史上最高値を更新した。17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では25ベーシスポイント(bp)利下げが見込まれ、10・12月も利下げするとみられている。

米ロ首脳会談で和平合意の道が模索され、欧米とウクライナで協議が進んだ。ただ、ロシアのウクライナ攻撃が続いたことや、停戦後のウクライナの欧州軍駐留案にロシアが反発したことを受け、和平合意は難しくなった。トランプ米大統領は2週間以内に停戦できなければロシアに追加制裁を課すと述べており、欧州にロシア産原油の購入停止を要求した。ポーランドやルーマニアでロシアのドローン(無人機)が領空侵犯しており、北大西洋条約機構(NATO)は防衛体制を強化するとした。

一方、イスラム組織ハマスとの停戦交渉が遅れるなか、イスラエルはカタールの首都ドーハでハマス幹部を標的に空爆を実施した。米大統領が不満を示したが、イスラエルはカタールにハマスを追い出すように要求した。これらの地政学的リスクも金の支援要因である。

●ステーブルコイン発行で暗号資産やドルの行方も焦点

米国で7月、ドルや米国債などを裏付けとするステーブルコイン規則法であるGENIUS(ジーニアス)法が成立した。ステーブルコインはドルに対して一定の価値を保つように設計されており、決済、送金手段として用いられている。欧州では2024年6月にMiCA(暗号資産市場法)が発効しており、ステーブルコインの発行には準備資産の裏付けを要求している。

日本では2023年6月に改正資金決済法が施行、今年8月にJPYCという日本初の円建てステーブルコインが認可され、今秋に発行される見通しである。ブロックチェーンの技術が使用されるが、従来の「価値が変動する暗号資産」とは区別され、電子決済手段として定義される。ステーブルコインが普及すれば、手数料で不利になるクレジットカード会社や銀行の業績に影響が出るとみられている。また、投資家の暗号資産に対する関心が高まるとみられている。

一方、上海協力機構(SCO)やBRICS首脳のオンライン会議で、中国の習近平国家主席は多国間貿易体制を守るように呼びかけた。ステーブルコインがきっかけとなってドル離れが進むようなら、金が逃避先として買われるとみられる。

●米利下げ見通しで金ETF・先物ともに買われる

世界最大の金ETF(上場投信)であるSPDRゴールドの現物保有高は、9月15日に976.81トン(7月末954.51トン)となった。米FRBの利下げ見通しを受けて投資資金が流入した。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、ニューヨーク金先物市場でファンド筋の買い越しは9月9日時点で26万1740枚(前週24万9530枚)となり、2月18日以来の高水準となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、高値での買いが続いている。

(MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行)

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