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富田隆弥のチャート倶楽部2026スペシャル <新春特別企画>

市況
2026年1月2日 9時00分

「日経平均は高値6万円台を目指す」

◆良好な需給を背景に上昇を見込むが、ヒヤリとする場面も

「いいから黙って全部オレに投資しろ」と高市早苗首相はアニメ「進撃の巨人」のセリフを引用し、2025年12月の国際投資会議で訴えた。25年の海外投資家の買い越し額は5兆円台と13年(約15兆円)以来の大きさになったが、責任ある積極財政を掲げるサナエノミクスに対する評価は上々であり、26年も海外勢の買い越し基調は続くと思われる。

新NISA(少額投資非課税制度)の認知度の高まりに伴って、個人投資家の株式市場への資金流入も拡大傾向にある。加えて、26年度の税制改正では18歳未満も利用できる「こどもNISA」の導入が予定されている。

こうした良好な需給を背景に、26年の日経平均株価は「6万円台」を目指すとみている。経験則からは、年間の高値は「前年末から25~30%上昇」をみせるケースが多く、23年(年間高値3万3853円)は前年末比29.7%、24年(同4万2426円)は26.7%、そして25年(同5万2636円)は31.9%と、それぞれおよそ3割上昇した。直近の5万円水準に当てはめれば、26年は「6万円~6万5000円」を目指すことになる。

一方、24年8月や25年4月にみせた「ヒヤリとする調整(直前高値から20%ほど下落)」をどこかで挟む可能性もある。高値圏に来ている相場だけに「風雨が強まる」のはやむを得ず、市場が調整に転じると、積み上がった「信用買い残」と「裁定買い残」の解消売りが出て下げ幅を増幅するリスクもくすぶる。

インフレ時代、金利ある時代に突入した日本。これが為替や株式市場にどう影響するかはさまざまな見方があり、結論は「相場に聞く」ことになる。株式投資はチャート(流れ)に従うのが基本であり、新年もテクニカル指標の過熱や陰転の信号に注意しながら対応していきたい。

◆個別銘柄物色でカギとなるポイントは?

2025年はAI(人工知能) 半導体が相場を牽引し、年終盤は フィジカルAI(ロボット関連)やバリュー(割安)株が買われてTOPIX(東証株価指数)を史上最高値に押し上げた。26年も引き続きこれら関連銘柄が主役になると思われる。

日経平均株価を少し遡って見ると、上昇が鮮明となった起点は23年であり、東京証券取引所が上場企業に対して「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を求めてからだ。いわゆるPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に改善を促したのはご存知の通りであり、26年も低PBR企業の経営改革がテーマの一つになろう。

カネ余りの地合いを背景に、潤沢なマネーは「投資ファンド」や「上場投資信託(ETF)」へと流れ込み、そこから玉(株数)を消化できる大型株に向かうという、これまでの構図は変わらないだろう。言い換えれば、インデックスへのインパクトが大きい「大型株主導」による、上げも下げも振れやすい相場が続くとみる。

これらのポイントを踏まえながら、26年は以下に紹介する銘柄に注目する。基本として「押し目買い、もたつき買い」を心掛けて臨んでいただきたい。

◆新年午年の注目6銘柄

○三菱電機 <6503> [東証P]

インフラ部門(エネルギーシステム、防衛宇宙システムなど)、インダストリー・モビリティ部門(FAシステムなど)、ライフ部門(ビルシステムなど)がいずれも好調。2026年3月期は連結売上高、各利益項目ともに過去最高を更新する見通しで、EPS(1株当たり純利益)は180.8円(前期は155.7円)を見込む。 データセンター向け光半導体の増産にも動くなど材料に不足なし。下期為替想定レート(1ドル=145円)を踏まえると通期業績の上方修正が期待され、株主還元にも積極的であることから増配の上乗せ(会社計画は5円増の年55円配当)や自社株買いも想定される。株価は25年4月安値の2267円から大きく上げて、12月に史上最高値を4891円まで伸ばしたが、ジリ高基調のチャートは強く、さらなる上値追いへの期待が膨らむ。電線防衛関連の大型株が「1万円」の大台に乗せる時代であり、26年は同社株も1万円クラブ入りを目指す可能性が高いとみる。

○ファナック <6954> [東証P]

工作機械( ロボット)で世界首位級ながら、株価は長らく人気の圏外に置かれ、2025年4月には3038円の安値を付けている。中国向けや自動車業界の低迷などの厳しい事業環境に加え、トランプ政権がもたらした関税ショックが株価を直撃した。その後ジリジリと回復基調を辿り、12月にエヌビディア<NVDA>との協業を発表したことにより急伸。18年1月以来となる6000円台を奪回し、フィジカルAIの中核銘柄に浮上した。26年3月期の連結営業利益は前期比10.7%増の1759億円、EPSは168.6円(前期は157.3円)を見込む。配当性向60%を基本方針に掲げており、未定としている今期配当は100円超(中間配当51.33円)が期待される。月足チャートを見ると、およそ5年ぶりにレンジ上限を突破した。18年1月に付けた上場来高値6690円がまずは意識されるが、ファンド経由のマネーが流入しやすい銘柄であるだけに、26年は1万円乗せを目指すことも期待される。

○東レ <3402> [東証P]

繊維老舗。炭素繊維は世界首位で、航空・防衛・宇宙関連向けを中心に好調が続く。超薄膜半導体向けの材料も開発し、28年までに量産化を目指す。2024年3月期に業績は大きく落ち込んだがV字回復に転じ、26年3月期はEPS54.9円、配当20円を見込む。さらに来期業績も続伸が期待される。日本バイリーンなど持分会社を売却して構造改革に動き出している点も評価ポイントとなる。株価は24年12月に18年5月以来となる1000円台を回復したものの、25年は1000円を挟んでもみ合いに終始した。だが、長期チャートでは、これが踊り場となってエネルギーの蓄積が進み、17年に付けた上場来高値1208円突破に向けて準備は万端と映る。

○住友重機械工業 <6302> [東証P]

総合重機メーカー。メカトロやフィジカルAI、造船建機、宇宙・防衛、蓄電池医療機器、環境機器など、同社が手掛けるジャンルは多岐にわたる。2026年1月に渡部敏朗最高財務責任者(CFO)が社長に昇格し、経営刷新が動き出す。ヒト型ロボット(ヒューマノイド)の量産に乗り出すと報じられた連携組織の「KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)」にも参画している。25年12月期は減収・経常減益の見通しだが、26年12月期はコスト改善やボイラー大型案件の寄与などにより増収増益が期待される。PBRは0.79倍と1倍割れの水準にある。チャートは、6月20日安値の2796円を二番底に10月高値の4583円まで上昇した後、4000円台で踊り場を形成しており、待ち伏せ妙味ありと判断する。

○北海道電力 <9509> [東証P]

国内でAI・半導体向けデータセンターの新設や増設が続いている。これらの施設で不可欠となるのが「電力」だ。同社は2027年早期の泊原子力発電所3号機の再稼働を目指している。11月28日、北海道の鈴木直道知事が「原発活用は現実的な選択」と同3号機の再稼働容認をにじませる発言を行ったことでいったん材料出尽くしとなり(その後、12月10日に知事は再稼働に同意表明)、株価は11月27日高値の1295円から12月中旬の1000円割れ寸前まで調整した。ただ、大勢チャートは4月7日に599.4円で大底を確認した後の戻り過程にあり、24年5月高値の1750円奪回が今後視野に入ってこよう。26年3月期の連結経常利益は前期比32.9%減の見通しながらも、年30円配当と10円増配を計画。PER8.2倍、PBR0.63倍、配当利回り2.82%と割安感が強い。「DOE(株主資本配当率)2%を目安とした安定配当」を基本方針としていることから、来期は35円配当の可能性もあろう。

○ソフトバンクグループ <9984> [東証P]

日本を代表するAI関連企業であることは言うまでもない。巨額出資先である米オープンAIへの傾斜や、米国AI関連企業における過剰投資への懸念を背景に、株価は2025年10月29日につけた上場来高値をピークに大きく調整している。26年は米国AI関連企業の動向が重要なカギを握るとみられるものの、AI時代の到来そのものは疑いようのない現実である。加えて、オープンAIが26年後半にも新規公開(IPO)申請に踏み切る可能性があるとの報道もあり、ソフトバンクグループの株価調整が長期化するとは考えにくい。さらに、同社が12月31日割当で1→4の株式分割を実施したこともポイントになる。株価が買いやすい水準となることで、NISAを含めて個人投資家の買い需要が膨らみ、新年は押し目買い基調の上げ相場が続くと思われる。

(2025年12月30日 記、次回更新は2026年1月10日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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