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金は有事のドル買いで調整後、戦争終結期待で急上昇 <コモディティ特集>

特集
2026年3月25日 13時00分

の現物相場は、米国とイスラエルがイランを攻撃したことを受けて1月30日以来の高値5417ドルをつけたが、ドルが安全資産として買われると利食い売りなどが出て調整局面を迎えた。トランプ米大統領が戦争の早期終結見通しを示したことで下げ止まる場面も見られたが、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖し、原油高に対する懸念の高まりから金利上昇を受けて売り圧力が強まり、昨年11月以来の安値4103ドルをつけた。テクニカル面で中長期の節目となる200日移動平均線(24日4106ドル)を試したが、安値から反発して25日のアジア時間の午前中に4500ドル台を回復している。

トランプ米大統領はイラン戦争について、イランの弾道ミサイル排除や海軍破壊、核兵器開発の放棄、テロ組織への武器・資金の提供停止という4つの目標を示した。しかし、イランでは新たな最高指導者にハメネイ師の次男モジタバ師が選出され、イスラム共和国の体制が継続された。最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長などの要人がイスラエルの空爆で死亡し、対話できる人物がいなくなったとの見方も出ている。また、イランの議員らが米国との交渉を拒否しており、イラン戦争が長期化する懸念が高まっている。

イランが湾岸諸国のエネルギー施設を攻撃したことでサウジアラビアが米国のイラン攻撃に参加する可能性が出た。イランが孤立化し、戦争終結が早まるようなら、金の下支え要因になるとみられる。一方、米軍が中東に数千人の海兵隊員や海軍兵士を追加派遣する計画が伝えられており、地上戦になるようなら泥沼化する可能性もある。ただ、24日のニューヨーク時間の午後にイスラエルのメディアが「米国とイランの間で1ヵ月間の停戦メカニズムを確立するための外交努力が進行中」と報じ、戦争終結期待が急速に強まり、25日のアジア時間は原油相場が反落、金が急上昇となっている。

●米FOMCで金利据え置きも各国の金融政策を確認

17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.50~3.75%に据え置くことが決定された。また、最新の金利・経済見通しで、インフレ率上昇が示され、年内の利下げ回数は1回にとどまるとの見通しを維持した。2月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、前月の伸び率と一致したが、3月は原油高を受けてインフレが予想されている。イラン戦争による原油高騰を受けてインフレ懸念が高まっており、当面は金利据え置きが続くとみられている。

一方、オーストラリア準備銀行が17日の会合で政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、4.10%とすることが決定された。1月のオーストラリアのCPIは前年比3.8%上昇し、事前予想の3.7%を上回った。原油高が続くと、ニュージーランド準備銀行も7月に利上げするとみられている。各国の金利上昇が続くようなら金の上値を抑える要因になるとみられる。

●金ETFから投資資金が流出

世界最大の金ETF(上場投信)であるSPDRゴールドの現物保有高は、3月23日に1056.99トン(2月末1101.33トン)となった。調整局面を迎えるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、ニューヨーク金先物市場でファンド筋の買い越しは3月17日時点で15万9869枚(前週16万3132枚)となった。安全資産のドル買いで売り圧力が強まった。

(MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行)

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