中国ムーンショット、エヌビディア製半導体2万基に依存の実態
中国の新興AI企業、ムーンショットが、アリババと約2万基のエヌビディア<NVDA>製のAIチップを利用する大規模な計算資源契約を結んでいることが明らかになった。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。中国の先進AI開発が、いまなお欧米製の半導体に深く依存している実態が改めて浮き彫りとなった格好だ。
この2万基は、ムーンショットが今月公開した最新モデル「Kimi K3」の開発・運用の主力を担う。同モデルは一部指標でオープンAIなどの最先端技術に並ぶ性能を示し、欧米市場に強い衝撃を与えた。主要出資元であるアリババはクラウドインフラを提供した形だが、自社モデル「Qwen」の性能を上回られたことで社内に失望感も漂う。
米政権やシリコンバレーでは、輸出規制下における調達ルートへの懸念が急拡大している。ホワイトハウスのクラツィオス科学技術政策局長は、ムーンショットが規制対象であるエヌビディアの最新世代「ブラックウェル」をタイ経由で違法入手したほか、米モデルの出力を利用する「蒸留」手法で学習を行ったと主張する。一方、関係者は東南アジア経由でのアクセス権所有を認めつつも、規制違反に当たる直接購入か合法的なクラウド利用かの明言は避けた。アリババとの契約分については、前世代「ホッパー」の最上位品「H200」を中心に構成されているとされる。
トランプ政権による一部解禁後も実質的な輸出量は僅少とされる中、中国クラウド企業が海外拠点の規制対象半導体をクラウド経由で再提供することで規制の抜け穴を突いている可能性が指摘されている。AIインフラ規制の実効性と米企業による巨額投資の優位性を巡り、米中の覇権争いは新たな局面を迎えている。
株探ニュース