AIインフラ投資、2050年までの世界累計支出は4865兆円に達する可能性
世界のAIインフラに対する投資が、長期に渡り拡大を続ける見通しとの指摘が出ている。PwCの予測によると、2050年までの世界累計支出は31.6兆ドル(約4865兆円)に達する可能性があるという。データセンターの年間設備投資額も、現在の約8000億ドルから1兆8000億ドル規模へ倍増する計算。
従来のインフラ投資は初期建設の完了に伴い減速する傾向にあるが、今回のAIブームは様相が異なる。サーバーやGPUは数年単位での定期更新が不可欠なためだ。PwCは、将来的な設備投資の大半を半導体などの継続的な買い替えが占めると分析。エヌビディア<NVDA>をはじめとする半導体大手には長期に渡る追い風となる。
もっとも、巨額投資の維持には相応の収益性が求められる。企業のAI導入が進み、投資対効果(ROI)が実証されることが不可欠な前提。普及の停滞やサービス価格の下落が生じれば、投資の持続性に懸念が生じかねない。さらに、アマゾン<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>などIT大手による建設ラッシュに対しては、電力消費や環境負荷を背景とした地域住民や政治的反発も強まる。今後は投資の規模のみならず、環境効率に優れたインフラの構築が急務となる。
こうした中、インフラ投資を実際の収益に結び付ける試みも本格化している。グーグル・クラウドとアクセンチュア<ACN>は提携を強化し、顧客企業へ技術者を直接派遣する体制を整えた。現場での導入やシステム構築を直接支援することで、企業が抱える統合やカスタマイズの課題を解消し、需要の底上げを図る狙いだ。パランティア<PLTR>が先行したこの手法には、オープンAIやAWSなども相次いで追随している。
一方、AI普及に伴う既存IT企業の淘汰論は現時点で現実化していない。ソフトウエア開発自体は容易化したものの、既存システムの運用や継続的な保守における障壁は高い。セールスフォース<CRM>やサービスナウ<NOW>などは最新業績で需要の堅調さを示しており、顧客の基幹システムに深く組み込まれている強みが防波堤となっている。
株探ニュース