世界のデータセンター建設投資、2030年まで年率約20%の成長が続くとの見通し
アナリストは、世界のデータセンター建設投資は2030年まで年率約20%の成長が続くとの見通しを示している。設備容量の増加とインフレを背景に、2026-30年の建設・エンジニアリング支出の見通しを従来比14%引き上げ、累計7890億ドルとした。2026年だけでも前年比30%増の1040億ドルを見込む。
特に米国勢の存在感が大きいという。世界のデータセンタープロジェクトのパイプラインは4-6月期に2兆9000億ドルと、1-3月期の2兆5500億ドルから拡大。このうち米国が1兆5000億ドルを占め、3930億ドル分がすでに建設段階に入っている。米国のパイプラインは、次に大きい10市場を合計した規模の1.7倍に達する。
アナリストはまた、2026-30年に新たに135ギガワット(GW)の電力需要が発生すると予想している。2026年は18.9GW、2030年には年間32GWまで拡大する可能性があるという。
米国勢ではメタ<META>、オラクル<ORCL>、アマゾン<AMZN>傘下のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)といった大手ハイパースケーラーが合計2460億ドルのプロジェクトを抱えるほか、オープンAIが1180億ドル、バンテージ・データセンターズが740億ドルのパイプラインを持つ。
一方、設備や電力網への接続に加え、水や鉱物資源などにも供給制約が広がっている。ただ、資金の95%を民間資本が占めることなどから、建設・エンジニアリング支出は高い伸びを維持する見通し。同アナリストは、パイプラインの27%が最終的に中止されると想定しているが、それを織り込んでも約2兆ドルが実際のデータセンター投資に転換し、2032年までの建設需要を支えると見ているようだ。
地域別では米州のパイプラインが前四半期比16%増、中東・アフリカが52%増と急拡大。欧州もドイツ、スペイン、フランスを中心に6%増加した。ただ、欧州では案件の70%が事前計画または計画段階にあり、すでに4460億ドルが建設段階にある米州に比べて投資サイクルは初期段階にある。
建設会社の市場は依然として細分化されている。米国では上位10社でも1兆5000億ドルのパイプラインの18%しか占めておらず、そのうち8社が非上場企業。上場企業ではスペインのACSが傘下の米ターナー・コンストラクション社を中心に624億ドルのデータセンタープロジェクトを抱えるほか、フランスのブイグが51億ドル、ジェイコブズ<J>が米国で推定100億ドル規模を抱える。市場の分散度が高いことから、規模拡大や施工能力の確保、ハイパースケーラーとの関係強化を目的とした建設会社のM&Aが活発化する可能性がある。
株探ニュース