米財務省、長期国債を最大60億ドル買い戻すと発表
米財務省は24日、借入コストの抑制を図るため、残存期間20-30年の長期国債(物価連動債を除く)を最大60億ドル買い戻すと発表した。ベッセント財務長官が拡充したプログラムの一環で、規模は今月9日に公表された初回オペレーションと同額となる。
財務省は当初、8月上旬に買い戻しの上限額を20億ドルとしていたが、同月19日に撤回。「少なくとも2倍」へ規模を拡大する方針を示していた。背景にはエネルギー価格高騰や金融政策の転換がある。
2月末の米・イスラエルによるイラン空爆以降、エネルギーコストの跳ね上がりが世界的な金利上昇を招いており、ウォーシュ議長は物価抑制に向け先週、2023年以来となる利上げを実施した。これらに伴い米30年債利回りは今月、2007年以来の高水準となる5.40%近辺まで上昇していた。
しかし、市場からは批判や懸念の声も上がる。国際金融協会(IIF)はレポートで、こうした介入は一時的な緩和をもたらすに過ぎず、根本的な債務膨張の解決にはならないと警告。金融工学的な手法への限界を指摘した。
また、運用の実効性を巡る不透明感も残る。前回九日に上限60億ドルを発表した際は、更なる大規模介入を期待していた市場の落胆を誘い債券価格が下落。10日の実際の買い入れでも、競合力のある売却提示の不足から実際の買い戻しは約52億ドルに留まった。利回りの高止まりが続く中、財務省による市場介入の効果と実務上の課題に注目が集まっている。
株探ニュース